eスポーツの市場規模は年々拡大していると言われています。市場が成長するに従い、大会賞金額も上がっています。

世界では賞金総額が数十億円規模の大会が開かれ、そうした大会は世界中からファンが視聴することもあります。そして、トップクラスのプロゲーマーの年収は5億円を超えるなど、既存のプロスポーツに匹敵する環境になっています。

そこで、大会の賞金額など、気になるお金にまつわる話を紹介します。なお、2020年は新型コロナウイルス感染拡大により国内外を問わず多くのeスポーツ大会が中止・延期、もしくはオンラインでの開催に切り替えました。大会規模も一時的に小さくなったものが多いため、今回の記事ではコロナ禍以前のデータを中心に紹介していきます。

日本のeスポーツ大会の賞金額

まずは日本からです。世界と比べると賞金額は大きくはありませんが、国内のeスポーツ大会の規模は年々大きくなってきており、優勝賞金額が億を超す事例も増えてきました。国内の人気タイトルの大会賞金額を紹介します。

国内の最高賞金額は「シャドウバース」の世界大会

オンライントレーディングカードゲーム「シャドウバース」の2019年の世界大会の優勝賞金は1億1000万円。これは国内のeスポーツ大会では、史上最高額でした。18年にこの大会で優勝したふぇぐ選手(@feeeeeeeeeg)が、18年度の日本人プロゲーマーの「長者番付」で1位と言われており、国内大会では破格の賞金額でした。

「モンスト」の賞金総額も1億円超!

「モンスターストライク」も賞金総額1億円を超える「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」や大会ツアー「モンスト プロツアー 2019-2020」を開催しています。前者は国内予選5カ所、台湾、香港でも予選を開催した国際大会で、後者は4カ月間にわたり、12チームがしのぎを削るツアー形式でした。

「荒野行動」は賞金総額2500万円!

2020年3月よりスタートしたバトルロイヤルゲーム「荒野行動」の大会「荒野CHAMPIONSHIP -王者の絆」は、優勝賞金1000万円、賞金総額2500万円で話題となりました。前述の2タイトルと比較すると、インパクトが少し弱いと感じられるかもしれませんが、賞金が設定された非公式大会が多く開催されていることも特徴です。

総賞金額3億円! 2021年開幕の「PUBG MOBILE」プロリーグ

「PUBG MOBILE」では、2021年1月よりNTTドコモ主催の「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON1」が始まりました。プロ16チームがシーズンを通じて100試合で成績を競い合い、優勝賞金が1億円、賞金総額が3億円というのも驚きですが、出場一人につき年間350万円以上の給与を保証するという点も注目を集めています。

大会での賞金以外でプロゲーマーに収入を保証するのは珍しい事例です。国内eスポーツも、他のプロスポーツのように年俸制が増えていくかもしれません。

R6Sリーグも年間350万円の給与を保証

また、NTTドコモとユービーアイソフトの主催で「レインボーシックス シージ(R6S)」のリーグ「Rainbow Six Japan League 2021(RJL 2021)」も2021年に開かれます。8チームによるリーグの優勝チームは、秋に開催される世界大会「APAC North」の昇格戦出場権を獲得します。シーズン賞金総額は3200万円で、PUBG MOBILEと同様に、選手1人につき年間350万円以上の給与が保証されます。

驚きの高額も 世界のeスポーツ大会の賞金額

続いて、世界中で行われているeスポーツの大会から、特に賞金総額が高いタイトルを紹介します。様々な大会の賞金データをまとめたサイト「Esports Earnings」の内容をもとに、世界の状況を見てみましょう。

1大会での賞金総額30億円が超えたDota 2

ゲーム配信プラットフォーム「Steam」を運営しているValve社が提供する「Dota 2」(ドータ2)は、代表的なMOBAタイトルで、リアルタイムの戦略性が問われる人気タイトルです。

2019年に開催された世界大会「The International 2019」の賞金総額はなんと約3430万ドル! 優勝チームの賞金は約1560万ドルでした(5人1組のチームでプレーするゲームなので1人あたり3億円以上獲得)。

また年間を通して、「Dota 2」は1500近い大会が開催され、3000を超すプレーヤーが獲得した金額の合計は約2億3千万ドルと算出されています。プレーヤー人数で割ると、ひとりあたり約5.85万ドルで、日本円に換算すると約600万円。その規模の大きさに驚きます。

賞金獲得チャンスの多いCS:GO

FPSの人気タイトル「Counter Strike」シリーズの最新作「Counter-Strike:Global Offensive(CS:GO)」も高額な賞金で有名なタイトルです。すべての大会の総賞金額は約1億900万ドルと「Dota 2」の半分ほどでした。

しかし、大会数が5千を超えており、1大会の賞金額は「Dota 2」に及ばないまでも、賞金を獲得できるチャンスが多かったとの見方もできます。また1大会での賞金額としては、「World Electronic Sports Games 2017」の賞金総額が約150万ドル、優勝賞金が約80万ドルという記録があります。

16歳の少年が300万ドルを手にしたフォートナイト

バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」は、2017年のリリースと比較的新しいタイトルですが、若年層を中心に世界中に熱狂的なファンがいることで知られています。日本でも大人気です。

上記の2タイトルと比べると大会数は数百と少なめでしたが、年間の総賞金額は「CS:GO」に迫る約1億ドルとなっています。2019年に予選から開催された「Fortnite World Cup」は、賞金総額に3000万ドルが用意され、ソロ部門の優勝賞金300万ドルを手にしたのが、16歳の少年だったことが大きな注目を集めました。

リーグ・オブ・レジェンド

世界でも有数のプレーヤー人口を抱えるゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」。日本を含む世界各地でプロゲーマーによるリーグ戦が行われ、日本でも人気が高いMOBAです。

LoLで最大の大会は毎年秋頃に開催され、優勝賞金200万ドルを争う「World Championship(Worlds)」です。主催するRiot Gamesの発表によると、2020年に開かれたFinalは16言語、21のプラットフォームで配信され、平均視聴者は過去最多の2304万人でした。

その他にも、全世界で2千以上の大会が開かれており、賞金の総額は8000万ドル超にのぼっています。

日本が世界より低い理由は?

日本と世界の大会の賞金を紹介してきましたが、日本の大会の賞金額が低いと感じられたのではないでしょうか。様々な要因がありますが、なかでも法規制の影響が大きいと言われていました。「景品表示法(景表法)」「賭博罪」「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」などに抵触する恐れがあり、高額の賞金が出しにくいとされていたのです。

そこで、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)などが中心となり、賞金をめぐる問題に対する環境整備を行っています。結果、一定の条件下であれば景表法に抵触せず、賭博罪にもあたらないことが示されました(JeSU発表)。またJeSUは風営法に抵触しないような大会設計のガイドラインも制定しています(JeSU発表)。

法的問題が解消されつつあり、大会に出資するスポンサーも増えています。今後、先述の「シャドバ」「モンスト」「PUBG MOBILE」大会のように億単位の大会が増える可能性も高いと言えるでしょう。

(サムライト)