こんにちは、「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)のeスポーツ公式キャスターをしております、ともぞうと申します。

最近R6Sの競技シーンを見始めた、あるいはプレーしているけど競技シーンは観たことがない方に向けて、世界で活躍する有名チームを紹介することで、大会などを観るきっかけになれば……という趣旨で書いています。

さて、今回は日本のチームCYCLOPS athlete gaming(CAG)をピックアップ。「日本のチームって、グローバル視点で見るとどうなの?」と思っている方の疑問にお答えします!

アジアで奮闘! 日本チームのスキンが遂に発売

R6Sの競技シーンにおいて、日本のチームは世界的に知名度が高く、人気もあります。

日本のチームが世界に知られる大きな要因となったのが、2018年にR6S最大の世界大会「Six Invitational」で日本のチーム・野良連合が世界ベスト4を獲得したことです。この大会で野良連合はアグレッシブな戦い方や会場を盛り上げるパフォーマンスも見せ、世界中のR6Sファンの間で話題となりました。

ただしそれ以降、世界の舞台では日本チームがなかなか実績を残せていない事実もあります。現在は世界大会につながるエリア別トップリーグ「APAC NORTH」において、CAGを始めとした日本チームがアジアの強豪としのぎを削っています。

そして現在、日本チームの武器スキンが販売されています!

日本チームの武器スキン。CAG(上)、GUTS Gaming(左下)、FAV gaming(右下)

これら日本チームが最も世界に近い舞台で戦っているわけですが、では日本チームの中ではどのチームが一番強いのでしょうか?

この記事を執筆をした2021年2月の時点では、間違いなくCAGといえるでしょう。

2020年、アジアで大健闘のCAG

「レインボーシックス Japan Championship 2020」の決勝大会

なぜCAGは日本最強なのか。まずは、CAGの2020年の成績を見てみましょう。

Japan Championship 優勝
APAC North レギュラーシーズン・ステージ1 2位、ステージ2 2位
APAC North Major(8月) 3位
APAC North Major(11月) 4位

大きな国内大会だと、昨年10月に行われた賞金総額1500万円の「レインボーシックス Japan Championship 2020」。R6Sリリースから5年目にして国内最大規模で開催されたこの大会で、CAGは頭一つ抜けた強さを見せつけました。もちろん苦戦した試合がないわけではないのですが、決勝戦のBo5(5マップ中3マップを取った方が勝利)では、FAV Gaming相手に3-0と完勝。
優勝候補筆頭というプレッシャーの中で、見事に期待に応えた形になりました。

次に、APAC Northでの戦い。R6Sのトップリーグはヨーロッパ、北米、南米、そしてアジアと大きく4つの地域に分かれています。アジアはさらにAPAC North、APAC South、Oceaniaと更に3エリアに分かれており、なかでも日本、韓国、台湾、東南アジアが含まれるAPAC Northが最もレベルが高いと言われています。

APAC Northは昨年6月~7月にステージ1を、9月~10月にステージ2のレギュラーシーズンが開催されました。各ステージ10試合(1試合1マップ)をこなし、CAGはそれぞれ2位でシーズンを終え、日本チーム最上位を獲得しています。

レギュラーシーズンのそれぞれのステージ上位チームで争われた大会「Major」でもCAGは日本最上位チームとなりました。実績を見ても、CAGが現在の日本最強チームと言って間違いないでしょう。

CAG、世界に挑戦 その壁の高さは?

「レインボーシックス Japan Championship 2020」の決勝大会

そのCAGが今年2月、世界への挑戦を行います。

APAC Northの試合は、R6S最大の世界大会「Six Invitational」への出場権もかかっていました。APAC Northで好成績をおさめるとポイントが付与され、世界的にポイントが高い16チームがSix Invitational 2021(以下、SI.2021)に出場できるというスキームです。しかし、CAGはAPAC Northの強豪Giants GamingとCloud9に阻まれ、この16チームに入ることができませんでした。

※後述しますが、SI.2021は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が延期されました。

そのため、SI.2021の残りの出場枠をかけたオープン予選に出場せざるを得なくなりました。

新興のダークホースチームもいれば、CAGと同じようにトップリーグからSI.2021に出場できなかったアジアの強豪が存在することとなった予選。ノックアウト形式の「一度負けたら終わり」の大会のため、勢いに乗ったチームがそのまま優勝することもあり得ます。

オープン予選から日本チームが敗退すれば、昨年に続きSix Invitationalで日本チームを見られないため、国内でも多くのファンがこの大会の行方を見守りました。

オープン予選は日本最強のCAGにとっても決して平坦な道ではありませんでした。特に決勝、アジアのライバル・Xavier Esportsとの対戦はどちらが勝ってもおかしくない接戦となりましたが見事勝ち切り、日本のファンの期待に応えてくれました。

CAGは今回が初の世界大会挑戦ではなく、2019年8月にアメリカのローリーで行われた世界大会初出場しています。この頃から日本で頭一つ抜けた存在で、この世界大会へも厳しい予選を勝ち抜いての出場だったので、期待が集まっていました。しかし、以前紹介した世界のトップチームG2 Esportsに2-0、Rogueに2-0と2試合とも1マップも取ることが出来ず惨敗。

CAGにとっての世界戦は苦い記憶が残っており、今回が久しぶりに回ってきたリベンジのチャンスと言えます。

ピースが揃った盤石のCAG このメンバーで世界に挑む!

左からSuzuC、gatörada、Anitun、Ayagator、BlackRay(敬称略、山内康平撮影)

では、現在のCAGのメンバーを見ていきましょう。

日本のチームということもあり、私も何度か選手と会話していますので、その時の印象も踏まえて各選手を紹介します。

■SuzuC:冷静なる絶対的チームの頭脳

CAGに所属する以前も数々のチームで実績を残し、既にレジェンドプレーヤーの域にある選手。チームのIGL(イン・ゲーム・リーダー)を任されており、試合におけるチームの舵取り役を担っています。

前述したJapan Championshipのある試合で流れが悪く、CAGは1マップ目を良いところなく落としてしまいました。試合後にインタビューすると、「無理に試合中にタイムアウトを取らず、2マップ目で巻き返す方法を模索してチームを立て直した」と答えていたのはとても印象的でした。

物静かな青年で、彼が慌てたり動揺するシーンは見たことがなく、それ故にチームメイトからの信頼も厚いのでしょう。

■BlackRay:彼の辞書には不調という文字はない

本人曰く、活躍できなかった試合は幾つもあるそうなのですが……(笑)。実況という立場から見て、彼が不調に陥り、パフォーマンスを発揮できなかった記憶はありません。シージIQが高く、プレーするマップ、扱うオペレーターに関係なく常に高水準のパフォーマンスを見せてくれます。

CAGというチームは全員が撃ち合いに強く、BlackRay選手も当然ハイレベルなガンファイトができる選手ですが、ここぞという場面で撃ち勝っている印象が強いです。

いつも一定のパフォーマンスをキープし、勝負どころで活躍できる。理想的なプロプレーヤーといえるでしょう。

■gatörada:努力し続ける天才

R6Sは、FPSジャンルの中で比較的論理的に解説できる点が魅力のひとつだと感じています。しかし、たまに論理では説明できないプレーをする選手がいます。日本には堅実なプレーをする選手が多い傾向にありますが、gatörada選手は何をしてくるか予測が難しい選手。まさに、天才肌といえるでしょう。

天才でありながら驕ることなく、gatörada選手は年々進化を遂げています。

SI.2021は各チームの気合の入り方が違い、新戦術もバンバン飛び出してくると予想されます。アドリブが要求される大会において、彼のひらめきがチームを救う機会が見られることでしょう。

■Anitun:最強アタッカーから最強シージプレーヤーへ

彼が競技シーンに登場した時、そのガンファイトの強さ、エイムの上手さに多くのファンが驚愕しました。しかし、CAGというチームは戦況に応じて柔軟に戦い方を変化させるため、R6Sで要求される全ての技術をハイスタンダードでこなさなければなりません。つまり、撃ち合いだけ強ければ、メンバーになれるわけではないということです。

その環境が彼を進化させました。現在では、アタッカーよりもチームにとってアクセントとなるオペレーターをピックするなど、チームのジョーカー的な役割を担うことが多くなっています。

ただ撃ち勝てばいい役割から、チームにとって欠かせない存在へ。彼のシージ最強プレーヤーへの挑戦は続いています。

■Ayagator:チームを次の次元に進めたラストピース

先程も書いたように、CAGはその柔軟さ故に各選手に求められるレベルが高く、日本のトッププレーヤーでもおいそれと加入できないチームです。

先の世界大会での惨敗を受けてチーム改革を行った際に加入したのが、Ayagator選手でした。

それまでも実績がある選手でしたが、加入から直ぐに活躍を見せます。あらゆるシチュエーションでタスクを高水準でこなし、ハイレベルなガンファイト戦でも結果を残す。まさに、CAGが探していた最後の一人と言ってよく、実際に彼が入ってからのCAGは勢いを増し、さらなる快進撃を続けてきました。

彼にとっては初めてのオフライン世界大会となるので、モチベーションも高いでしょう。

■CAGを作り上げたもうひとり

元CAGコーチのXQQさん(2020年3月、山内康平撮影)

最後に、実はもうひとり紹介したい方がいました。

それは、現在のチームの基礎を作り上げたXQQコーチです。XQQコーチはJapan Championshipの優勝をもってJUPITERに移籍。現在は、「VALORANT」のコーチとして活躍されています。

前述した5人でなければ間違いなく成り立たないCAGですが、全体を俯瞰的に見つめ、都度チームをアップデートしてきたXQQコーチの存在は大きかったと思います。

コーチが抜けて、SI.2021は大丈夫なのか……という懸念もありましたが、先日新コーチとしてFuji3さんの就任が発表されました。

チームを客観的に見ることや相手の分析など、R6Sの競技シーンにおいてコーチはとても重要な存在です。新コーチを迎えSI.2021に向けたCAGの準備は整っているといえるでしょう。

夢の舞台SI.2021にCAGが立つ!

最後に、今一度CAGが参加予定のSI.2021に触れておきましょう。

SIはR6Sで1年に渡るシーズンの最後に開催される大会で、賞金総額は全大会の中で最も高額なります(賞金は、ゲーム内のスキンの販売額なども加算されるため、執筆時点ではまだ正確には分かりません)。

2021年大会は最多20チームが出場するオフライン大会で、フランス・パリにて2/9~2/21に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による入国規制を理由に延期が決定しました。

これまでの大会はグループステージ、プレーオフという2つのステージに分かれていました。今回のグループステージでは、10チームが2グループに分けられ、それぞれ総当り戦を行います。

SI.2021のグループ表

CAGは、グループAに組み込まれ、先程紹介した因縁のG2 Esportsとの再戦が確定しています。

世界中のR6Sファンが最も興奮するSI.2021。日本からもCAGが参加することで、国内ファンもぜひ注目して欲しい大会です!
ここ2年は私を含めたキャスターも現地に赴いていたのですが、残念ながら今回は新型コロナの影響で現地に行けません。しかし日本語配信を予定していますので、公式の発表をお待ち下さい!

いよいよ間近に迫ったR6S最大の祭典。みなさんで、楽しみましょう!

競技シーンを観戦したくなった、そんなあなたへ

競技シーンを観戦したくなった、そんなあなたへ
R6S競技シーンをチェックするには、以下の視聴・閲覧をオススメします。

◆YouTube「レインボーシックスシージ ESPORTS」
主に国内大会を中心にお届けしている日本語版公式YouTubeチャンネルです。私もキャスターとして出演しています!

まずはここを見てもらえれば、「競技としてのR6S」の何たるかがが分かりやすいと思います。Six Invitationalなどの海外の大規模大会も、日本語での実況解説をお届けしています。

◆レインボーシックス公式Twitter
競技シーンの情報だけではなく、R6Sに関する全ての情報を提供してくれる公式Twitterアカウントです。R6Sをプレーしている方のフォローは必須ですね。

◆ともぞうTwitter
実は、海外の情報を総合的に取り扱っているメディアやTwitterアカウントはあまり見かけません。手前味噌ながら私のTwitterアカウントでは、不定期ではありますが国内・海外問わず、選手の移籍情報や試合結果をつぶやいています。

◆英語版YouTube「Rainbow Six Esports」
海外のトップリーグの大会を視聴できる英語版の公式YouTubeチャンネルです。実況が英語ですので、英語が聞き取れる方でないと、プレー内容などは理解しづらいかも知れません。

ぜひ、興味が湧いた方は「競技としてのR6Sの世界」を一度覗いてみてください!