プログラミング教育の必修化にともない、気軽に学べるツールに注目が集まっています。セガの人気ゲーム「ぷよぷよ」を使って、プログラミングを学べる「ぷよぷよプログラミング」が昨年6月の登場以来、人気です。誰でも気軽に始められる「基礎コース」を体験してみました。

自分にあったコースを4つのレベルから選択

「ぷよぷよプログラミング」はアシアル株式会社が提供するプログラミング学習環境「Monaca Education」を利用する無料の教育プログラムです。ブラウザを用いてクラウド環境でプログラミング学習を進めていくことが可能です。

セガによると、2020年6月の提供開始以来、登録者数は半年で2万5千人を超えました。インターネット環境で誰でもトライすることができます。

学習は、ソースコードの一字一句をそのまま正確に書き写す「写経」として進めていきます。「SESSION」と記された課題をクリアしていくと画面上のぷよが実際に動き、プレーすることもできるようになります。

入力するソースコードの行数が異なる4つのコースから選択することが可能で、基礎の4行、初級の28行、中級の95行、そして上級の1015行(全部)が用意されています。いずれのコースも事前知識は不要。最終的な仕上がりも共通ですので、学習時間や自身がどの程度コーディングに慣れたいのかで選ぶのがよいでしょう。

【入力時間の目安】

個人差があるため、大まかな目安となります

基礎コース4行にチャレンジ

では実際に、「基礎コース」SESSION1までの手順を紹介します。

STEP1 必要なものを用意する

「ぷよぷよプログラミング」を実践するために必要なものは、インターネットに接続したパソコン、公式サイトからダウンロードした「ガイド小冊子」と「ソースコード一式」、アカウント登録に使用するメールアドレスです。実際の画面をさっと確認できるスマートフォンも手元にあるとよいでしょう。

公式サイトではソースコードなどを印刷するためのプリンターの準備が推奨されています。ただ、ブラウザ上で確認しながら進めることもできるので、プリンターが自宅にない方でも問題なく取り組めます。

STEP2 アカウントの登録とデバッカーアプリをインストールする

必要なものを揃えたら、次は下準備として開発ツールMonacaの「アカウント登録」と「デバッカーアプリのインストール」を行います。こちらはMonacaのサポートページから行います。詳しい手順も画面つきで紹介されています。

STEP3 コースを選択し、プログラミング画面を開く

登録が完了したら、いよいよ開始です。

サポートページでコースを選択

Monacaにログインした状態で、サポートページから「基礎コース」「初級コース」「中級コース」「上級コース」を選んで始めます。今回は「基礎コース」を選択します。表示された画面で「インポート」のボタンをクリックすると、コースが選択可能になりますので該当のコースを選んで「クラウドIDEで開く」をクリックします。

「クラウドIDEで開く」をクリック

プログラミングの画面が表示されました。現在のゲーム画面は右側に表示されているプレビューで確認できます。この段階でぷよは落ちてこないので、動かすこともできません。

プログラミングの画面が表示される

STEP4 「ガイド小冊子」に記載されたSESSIONの課題を確認する

ここからは、ダウンロードした「ガイド小冊子」に沿って進めていきます。SESSIONは全部で6つ用意されており、SESSION1から順にクリアしていきます。SESSION1では、ぷよが落ちてくるようにプログラミングすることがゴールです。

「ガイド小冊子」でSESSIONを確認

課題を確認するにあたって見るべきは3箇所です。どのファイルを使うのか、何番目の行に、どんなコードを打ち込むべきなのかを「ガイド小冊子」で確認します。

SESSSIONをクリアするために必要な要素を確認

「基礎コース」SESSION1をクリアするには、「player.js」ファイルの189行目に「this.puyoStatus.top += Config.playerFallingSpeed;」と打ち込む必要があります。なお、入力するコードは、「ソースコード一式」にも記載されています。

STEP5 必要なファイルを開き、コードを入力する

今回、開くのは「players.js」という名前のファイルです。「src」のフォルダを選択して「players.js」をダブルクリックして開きます。

ファイルを選択する

画面を下にスクロールし、空行になっている189行目にコードを入力します。

入力すべき行を確認し、コードを入力

STEP6 変更を保存し、プレビュー画面で実際に動くかを確認する

入力イメージ

入力が完了したら、キーボードの「ctrl」キー+「s」キーでファイルを保存します。

いよいよ実際にぷよが落ちてくるかを確かめます。確認は、メニューの「実行」から「プレビュータブを表示」もしくはスマートフォンで確認する場合は「実機で実行」を選択します。

プレビューを表示させる

画面右側のプレビュー画面、そしてスマートフォンのデバッカーアプリを確認すると、ぷよが落ちてきました。

もし、こちらで落ちてこない場合は、入力に誤りがある等の可能性があります。自分自身で誤りを発見し修正する能力を身につけることも、このプログラムの大きな狙いですので諦めずにトライ&エラーを繰り返すことをおすすめします。

SESSION2以降をクリアすると、ゲームが完成

SESSION1はここまでです。SESSION4までをクリアすることで「ぷよぷよ」を左右に動かしたり、回転させたり、消したりと実際にゲームを遊べるようになり、SESSION5では背景やステージの大きさなども変えることができます。

また、SESSION6は全てのコードを入力する「上級コース」です。ゼロから自分だけのオリジナル「ぷよぷよ」を完成させることで、達成感と自信を得られることは間違いないのではないでしょうか。いずれのコース、SESSIONも基礎的な手順は今回ご紹介した内容と同様です。是非、SESSION2以降や他のコースにもチャレンジしてみてください。

小学校は授業に登場  中学校も2021年度から

プログラミング教育は実際の学校現場にも登場しています。文部科学省の学習指導要領に示されたことで、2020年度から小学校で必修化されました。

中学校の学習でも、2021年度からプログラミングや情報セキュリティに関する内容を充実させることが盛り込まれています。高校でも、2022年度から共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設され、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワークやデータベースの基礎等について学習することが予定されています。つまり、これからは小学生から高校生まで、それぞれのレベルに応じてプログラミングに学校の授業で触れることになるのです。

こうした状況を受け、セガは学校に出向いた特別授業にも取り組んでいます。2020年 12 月には、東京都品川区の区立清水台小学校で実施しました。「ぷよぷよ」プロゲーマーで、システムエンジニアの経験もある、ぴぽにあ選手が講師として参加。プロ選手としての仕事についても講演しました。

プログラミング特別授業の様子

参加した児童からは「初めてプログラミングを体験して、楽しいと思った。将来自分でもゲームやアプリのプログラムを作ってみたい」「最初は難しい文字が並んで私にプログラミングができるのか不安に思った。でも、実際には説明書通りにするので、思ったより難しくなかった。だんだんと完成するにつれて、わくわくしました」といった声が挙がっていました。

「将来的には他のタイトルでも実現したい」

ぷよぷよプログラミングの開発にあたってセガは、できるだけ多くの人に使えるようなコンテンツをめざしました。古いバージョンのパソコンからタブレット端末など、様々なデバイスで使うことが可能と説明しています。

セガで「ぷよぷよプログラミング」を担当するスポーツ推進室副室長・五十嵐勝さんは「プログラミングを通じてできあがった『ぷよぷよ』は、ほぼゲームに近いイメージ。カスタマイズの自由度もあげて、思い思いの『ぷよぷよ』に改造できるような仕組みもあります」と話します。音楽をつけたり、ぷよの画像を変えることもできるそうです。

ただ、プログラミングは一文字でも誤った入力があると、正しく作動しません。「バグ」が発生する原因となります。大文字Aと小文字aの違いだけでも、もちろんです。

そして、入力する量が増えれば、当然ミスが起きる可能性も高くなります。このように入力して不具合が生じて、それを修正して確認して……という作業の繰り返しを体験することに意義があると五十嵐さんは考えています。

ネットワーク機能を実装することも視野にあるそうです。五十嵐さんは「『ぷよぷよプログラミング』は、まだまだ追加で開発できることがたくさんあります。将来的には他のタイトルでの展開も考えたい」と語りました。

ぷよぷよ
ぷよぷよeスポーツの対戦画面