プロeスポーツチーム「思考行結(しこうこうけつ)」のぷよぷよ部門に所属するぴぽにあ選手(@piponeer)。

高い勝率を誇る安定感もさることながら、試合を観戦していて印象に残るのは入場時や勝利の瞬間に見せる満面の笑顔と、人差し指を空に向けるアピールポーズ。時に大げさなジェスチャーで喜びを表現し、プレー中も真剣な眼差しの裏に試合展開への喜怒哀楽がうかがえます。

専業プロとなったぴぽにあ選手の普段の生活について聞きました。

プロゲーマーとしての新生活

2020年はぴぽにあ選手にとって大きな転機となりました。以前までは仕事とプロ選手としての活動を両立していましたが、仕事を辞めて専業プロとしてのキャリアをスタートさせたのです。

「専業プロになって時間と頭の使い方は変わりましたね。練習ひとつ取っても働きながらの時よりも時間的な焦りもないですし、集中できるので頭も沢山使えているように感じます」

あまりに集中しすぎると脳が活性化するあまりに眠れなくなってしまうこともあるそうで、普段は集中力をセーブするよう気を付けているのだとか。動き出したら止まらない頭脳がフルに発揮される大舞台こそ、猛者の集う大会です。

「大会本番では、後から見返しても『なぜそのプレーをしたか』を説明できるくらい頭を使っています。普段から家でプレーしているのと会場でプレーするのでは景色も緊張感も違いますね」

ライバルとして意識する相手には同世代のdelta選手から、レイン選手やともくん選手の名前を挙げます。

「大会は1~2回戦ぐらいの序盤戦が課題なんです。勝つぞと思いすぎて空回りするので、落ち着いてよーいドンでやってみようかな……なんて考えています」

専業プロとしてこれまで以上に結果にもこだわりつつ、「ぷよぷよ」を更に普及させることも大きな使命。12月にはプロゲーミングチーム「思考行結」への加入も発表され、更に活躍の場が広がることが期待されます。

理想を目指して3カ月サイクルの挑戦が続く

練習を重ね、無意識に手が動くレベルを目指しているそう

公式大会では定期的に上位に名を連ねるぴぽにあ選手ですが、よく見れば数カ月ごとにどこかプレースタイルが変わっているようにも感じます。

多くのプレーヤーは「土台」と呼ばれる序盤の積み方を固定する中で、なぜ多彩な土台にチャレンジするのか。その秘密について聞いてみると興味深い答えが。

「組みなれた土台を使うことで相手の動きを見ることにリソースを割ける、というのが一般的な考え方です。でも自分は無理に普段通りを狙うよりも、ツモに応じて色んな形を使えるのが理想だと思うんです」

言葉にすれば簡単ですが、つまりは「ありとあらゆる場面で最適な選択を無意識レベルで行い続けること」を最大の理想とし、そのために色々な土台や組み方を試していると言います。

「まだその段階には至れていないんですが、将来のことも考えて思考錯誤しています。かなりできるようになってきていますが、まだまだ多重折り返しなど課題は沢山あります。自然にできるように、という所を目指して練習中です」

本人によれば約3カ月周期で技術を完成させてはまた新しいことにチャレンジしているとのこと。公式大会の開催頻度を考えれば、なるほど確かに毎回戦術が変わっているように見えるわけです。

「前回の大会(SEASON3 STAGE1)はメリ土台と呼ばれる形を使いましたが、ひとつの完成形に辿り着いている手応えがあったので、良い状態でしたね」

取材日に行われた大会でも時折「前回までの形」であるメリ土台を使いながらも、異なる土台との併用で戦ったぴぽにあ選手。今後もバリエーションある戦い方が見られそうです。

今こそ知りたい「おいう」の謎

「おいう」は師匠の影響と語るぴぽにあ選手

最後に聞いたのは、ぴぽにあ選手を語る上で欠かせないワード「おいう」について。

この謎のフレーズは本人のSNSや配信上で日常的に飛び交い、はたまた公式の選手紹介にも取り入れられるほどお馴染みのものに。

しかしその詳細についてはあまり知られていないため、思い切ってぴぽにあ選手にその意味と由来を聞いてみました。しかし返ってきたのは「僕もよく分からないんですよ」という想定外の答え。

「元々はテトリスプレーヤーが使っていた言葉らしいんですが、意味は分からないです(笑)」

ぴぽにあ選手が高校生の頃からの知り合いで、何度も対戦してもらった師匠的な存在であるいさな選手が配信上で使用していたことから、ぴぽにあ選手も真似をして使ったのが始まりだったとか。

「語呂が良い言葉が好きなんです。意味は何でも良いですね。お疲れ様も、よろしくお願いしますも、こんにちはも、全て含んだ言葉です」

気付けば自身が主催するリーグ戦に「おいうリーグ」と名付けてしまうほどお気に入りのフレーズに。今後もおそらくぴぽにあ選手の代名詞として使用されることとなるでしょう。

「全然、好きに使ってください。それで楽しんでもらえたらOKです」

結局「おいう」の謎が明らかになったとは言えませんでしたが、今後も「おいう」と共に理想を目指すぴぽにあ選手のプレーに注目です。