格ゲー編

まずは格闘ゲームから。紹介するのは、格ゲーの競技シーンを中心に取材を行っているスサキリョウタさんです。

パンクvsインフェクシャス 「ストV:CE」

3月1日に行われた「獣道III」

今年格闘ゲーム界隈で最も話題となった試合の一つが、ウメハラ選手主催のイベント「獣道III」で実現した「ストリートファイターV チャンピオンエディション(ストV:CE)」におけるパンクvsインフェクシャスの一戦です。

「獣道」は実力主義の10本先取マッチにこだわった過酷な大会として有名で、過去にはウメハラvsときどのカードも組まれたイベントです。そんな獣道がはじめて海外プレーヤーを招待して実現したこのカード。

パンク選手は言わずも知れたアメリカの若手トップ選手で、大会の成績は常に上位。人間離れした反応速度が彼の最大の武器で、「EVO 2017」決勝でときど選手と激戦を繰り広げたことでも有名です。

対するインフェクシャス選手はイギリスの若手選手で、未だ大会実績こそ少ないですが、そのクリエイティブな発想と相手を分析する能力からトップ選手たちから一目置かれている存在です。

試合前、格ゲーコミュニティーの多くはパンク選手の勝利を予想していましたが、いざ試合が始まるとインフェクシャス選手のトリッキーな戦術にパンクは手も足も出ません。インフェクシャス選手はこの日のために徹底してパンク対策を練ってきていたようで、百戦錬磨のパンク選手がなすすべもなく敗北する姿はコミュニティーを震撼させました。

ギルティギアチームvsメルティブラッドチーム 「グラブルVS」

3月29日に行われた「GBVS出身格ゲー別対抗戦」

「グランブルーファンタジーバーサス(グラブルVS、GBVSとも)」は2020年2月に発売された格闘ゲームタイトルです。格ゲーコミュニティーにとって完全新作タイトルは非常に珍しく、「グラブルVS」競技シーンには様々なタイトルのプレーヤーたちがこぞって参戦しました。

そんな中「一体どの格ゲー勢が一番強いんだ?」という疑問のもとに開催されたのが「GBVS出身格ゲー別対抗戦」です。この大会にはプレーヤーたちが「出身格ゲー」ごとに3人1組のチームを作って参加し、総勢32チームが出場しました。

この大会において、プレーヤーたちは自分自身だけでなく、それぞれの「出身格ゲー」のプライドも背負っています。仲間たちが見守る中、やすやすと負けるわけにはいきません。緊張感のある熾烈な戦いをくぐり抜け、見事決勝まで勝ち残ったのは、GO1選手率いる「メルティブラッドチーム」と、どぐら選手率いる「ギルディギアチーム」でした。

本大会通してこの両チームはかなりの仕上がりを見せており、発売されてわずか1カ月のゲームとは思えないほどでした。両者のプライドが懸かったハイレベルな戦いは必見です。

FPS/TPS編

続いてFPS/TPSタイトルの試合を紹介するのは、FPSタイトルの競技シーンを追う龍田優貴さんです。

FAV gaming vs CYCLOPS athlete gaming 「R6S」

10月18日にグランドファイナルが行われた「レインボーシックス Japan Championship 2020」

10月17~18日に行われた「レインボーシックス Japan Championship 2020」では、プロ・アマ問わず全国から200以上のチームが参加し、優勝賞金1000万円をかけて戦いました。決勝戦で矛を交えたのが「FAV gaming」と「CYCLOPS athlete gaming」の2つのプロチーム。

大会自体は無観客で開催されましたが、当日は「R6Sで国内最大級の規模」となった大会の行く末をしっかり目に焼き付けたい観戦者で配信ページが大いに賑わいました。

ハイレベルな試合内容は言わずもがな、随所で芸能人やLiSAさんなどを招待しての特別プログラムも実施。2020年の「レインボーシックス シージ(R6S)」の競技シーンを振り返ると、本イベントが「ハイグレードな催しだった」と言っても過言ではありません。

「普段は国内の競技シーンは追っていない」という方にもぜひ見てもらいたい試合です。

SCARZ vs DetonatioN Gaming 「VALORANT」

10月4日にグランドファイナルが行われた「EDION VALORANT CUP」

2020年6月にリリースされたタクティカルシューター「VALORANT」は、既に全世界で競技シーンが盛り上がりを見せています。もちろん日本も例外ではなく、配信開始から2020年12月時点にいたるまで様々な大会が開催されました。

今回ピックアップした「EDION VALORANT CUP」では「Absolute JUPITER」や「SCARZ」等々、実力派6チームを招いた特別トーナメントが行われました。会場内はプレーヤー陣の歓声や雄叫びで熱気が充満。

どの試合も見逃せないほど白熱しましたが、個人的に印象深かったのは決勝戦です。特にmittiii選手(DetonatioN Gaming)とmarin選手(SCARZ)の「スナイパー対決」は必見。互いの居場所を把握してなお動くことなく、どちらかが隙を見せるまでスコープを凝視。そして躊躇うことなくトリガーに指をかけ、寸分の狂いもなく正確にヘッドショットを決める……。

アーカイブ動画でチラッと眺めるだけでも、有無を言わさぬ緊張感を味わえると思います。

パズル、スポーツ編

パズルやスポーツゲームの試合を紹介するのは、キャスターとしても活動するフリーライターのハル飯田さんです。

ともくんvsレイン 「ぷよぷよeスポーツ」

6月21日に行われた「ぷよぷよファイナルズ SEASON2」

数々の名勝負を生んだ「ぷよぷよeスポーツ」のプロ公式大会SEASON2。なかでも、これまでの大会の成績上位者だけが進出できる最高峰の戦い「ぷよぷよファイナルズ SEASON2」の決勝戦をピックアップしました。

予選ブロックを勝ち上がって決勝に駒を進めたのは、前日の公式大会で優勝し波に乗るともくん選手。対するは、ともくん選手の優勝による獲得ポイント変動でファイナルズ進出が決まったレイン選手。なんとも不思議な顔合わせになりました。

ファイナルズ決勝のルールが10本1セットで2セット先取という長めの試合数になっていることもあり、両選手の技術がぎっしり詰まった濃厚な試合内容に。

「全消し王子」ともくん選手が魅せた連鎖技術の高さもさることながら、この試合で特筆したいのは常にリードを許す展開から驚異の粘りを見せたレイン選手の戦いぶり。2セット目で見せた4本連続奪取は、勝利への執念を感じさせる鮮やかなものでした。

本番の緊張感や逆境を感じさせない見事な連鎖の応酬は、まさに「年間王者決定戦」という看板に相応しい好ゲーム。あまりの好ゲームぶりにテンションが上がりっぱなしのokaプロの解説も見どころです。

山本遼太郎vs嶋崎幹 「パワプロ 2020」

12月12日に行われた「eBASEBALL プロリーグ eペナントレース 第2節(セ・リーグ)」

12月に開幕したeBASEBALL プロリーグは今年で3季目。試合内容やプロの技術の高さだけではなく、プレーヤー同士の関係性も楽しみ方のひとつとして浸透してきたように感じます。

今年のeペナントレースのセ・リーグ第2節、横浜DeNAベイスターズの山本選手と中日ドラゴンズの嶋崎選手の試合はまさにその好例。実はこのふたり、初年度には中日代表のチームメイトとして戦いながらも、2019シーズンは共にプロテスト予選で敗れ、プロリーグへの参加を果たせませんでした。

再挑戦を期した今年は両選手ともに見事にプロテストを突破し、嶋崎選手は古巣の中日から、山本選手はDeNAからドラフト指名を受けての対戦となりました。これだけでも魅力的な対戦ですが、試合内容も序盤から点の取り合いになるシーソーゲームに。パワプロ歴が長いベテランらしく、渋い点の取り方が勝敗を分ける名勝負になりました。

また、私事で恐縮ですが、私は同リーグで3季続けてゲーム解説者を担当しています。両選手は昨年、解説という立場で一緒にリーグを盛り上げてくれた「同僚」でもあるので、ちょっと感慨深い一戦となりました。

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