GAMEクロスの読者の中には、将来eスポーツ関連の仕事をしたい、もっとeスポーツについて深く学びたいと考えている方もいるのではないでしょうか。独学も一つの方法ですが、「学校」という選択肢もあります。

実際、近年はeスポーツを学ぶコースを設ける高校が相次ぎ、ダブルスクールや社会人に向けたeスポーツ専門学校も増えてきました。現在どんな特徴の高校や専門学校があるのか、そしてどんなポイントで学校を選択すればよいのかを解説していきます。

目標に合った授業やカリキュラムを選ぼう

2020年現在、eスポーツを学ぶ手段は実に多様です。体系的にeスポーツをまとめた数多くの本が出版され、YouTubeなどの動画プラットフォームを通して世界中の最新情報を仕入れることも可能です。

しかし、eスポーツを進学や就職のテーマと捉えて「学校で学ぶ」ことを選択肢とする場合には、「将来、eスポーツの領域でどのように活躍していきたいのか」を軸に、ご自身の目標に合った授業やカリキュラムのある学校をしっかりと選ぶことが重要です。

「CLARK NEXT TOKYO」の教室のイメージ図(クラーク高校提供)

高校でeスポーツを学ぶ

あなたが現在、中学生もしくは高校生であるなら、eスポーツを専門的に学べる高校を受験することが可能です。近年、日本各地にeスポーツ専門コースを設置する高校が増えてきたことで、その選択の幅は広がっています。また、eスポーツコースを設ける高校の多くが通信制であることもポイントです。(各校の卒業要件については公式HP等でご確認ください)

eスポーツを学べる主な高校

クラーク記念国際高校(eスポーツコース)
 キャンパス:東京
 来年度、eスポーツのできる教育環境が全キャンパスに拡大する予定

ルネサンス高等学校(eスポーツコース)
 キャンパス:東京、大阪、愛知
 日本で初めて高等学校でeスポーツコースを開設

バンタンゲームアカデミー高等部(eスポーツ専攻)
 キャンパス:東京、大阪、愛知 
 現役のプロから最先端の指導

ヒューマンキャンパス高等学校(専門分野)
 エリア:全国の学習センター
 プロeスポーツリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」に参入している横浜F・マリノスと教育提携

第一学院高等学校(eスポーツコース、1年制)
 キャンパス:東京
 コナミグループが運営する「esports 銀座 school」と連携

北海道芸術高等学校福岡サテライトキャンパス(eスポーツコース)
 キャンパス:福岡
 普通科目+芸術科目で単位が修得可能

将来目指す仕事にあわせた学校選び

プロゲーマーだけでなく、eスポーツに関する仕事は多岐にわたります。ゲームアナリスト、ゲーム実況・MC、eスポーツキャスター、プロチームマネージャー、eスポーツイベントプロデューサー、ゲームクリエイターやeスポーツライターなど、eスポーツビジネスの広がりによって今後も様々な職種が生まれてくるでしょう。

既に具体的に目指したい仕事が決まっているなら、そのために必要なスキルが得られる学校を。まだ決まっていないのなら、在校中に選択肢を広げることができる授業・カリキュラムになっているかを見極めましょう。

学校選びのポイントとして、「授業・カリキュラムの内容」の他には「就職サポートとその実績」「学費」「施設・設備の充実度」などがあげられます。プロゲーマーを目指す場合は自身が極めたいタイトルに学校が対応しているかどうかも大きなポイントです。

複数の学校で資料請求や体験入学を行うなど、ポイントを押さえながら比較検討していくのがよいでしょう。

eスポーツ産業は急速な成長を遂げています。高校進学という比較的早い段階から、ライバルに先駆けて専門的なスキルや知識を身につけることで、マーケットの中で有利なポジションを得られる可能性が高まるかもしれません。

一方、まだまだ新しいビジネス領域であり、リスクもつきものです。今後のeスポーツ業界がどのように変化していくかは誰にも分かりません。進路選択の際には、学校側の案内を聞くだけでなく、eスポーツ関連の情報に自ら積極的にアンテナを張り、家族やできればeスポーツ業界で働く先輩にも相談してみることをおすすめします。

コーチの助言に真剣に聴き入る生徒たち

クラーク記念国際高校は全国展開に

eスポーツコースを設置する高校の一つで、強豪校でもあるクラーク記念国際高校は来年度から全キャンパスにeスポーツのできる教育環境を広げていく予定です。

同校は、2018年から秋葉原ITキャンパスにて「スポーツコース・eスポーツ専攻」を開講してきましたが、2021年度からは全国の拠点での拡大導入となりました。

授業内実施のコースカリキュラムとしては、プレーだけに留まらず、プロジェクト型授業を中心としたeスポーツ産業を幅広く学ぶことが可能といいます。

また、授業外実施となる部活動では、全国大会を目指すチームの育成を行います。特にウイニングイレブン、フォートナイトでは、プロとして活躍中の選手からコーチとしてオンライン・オフラインの両面で指導をうけることができます。

高校の部活でeスポーツ大会にチャレンジする

高校生のeスポーツについては、クラーク記念国際高校やN高校(沖縄)をはじめとした強豪チームの活躍が、メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。専攻まではせずとも、部活動でeスポーツに関わってみたいという方も増えたのではないでしょうか。

全国各地の高校eスポーツ部などが参加する高校生eスポーツ大会は、年々参加者や視聴者が増すなど、大きな盛り上がりを見せています。eスポーツ部に入部し、大会出場することでその熱を感じ、その後に専門的な知識を深めるべきかを判断するのもよいでしょう。

N高インタビュー 喜びをあらわにする選手達

1779校がエントリーした「STAGE:0」

「STAGE:0」はテレビ東京などが主催する高校対抗eスポーツ大会で、「クラッシュ・ロワイヤル」「フォートナイト」「リーグ・オブ・レジェンド」の3部門があります。第2回大会となった今年はオンライン形式での開催となりました。

日本一を決定した2020年9月19〜22日の決勝大会のライブ配信の総視聴者数は、昨年大会の136万人を大きく上回る、 747万人に達しています。今年は1779校から2158チーム・5555人がエントリー。開成高校や広島大学附属高校など進学校の名前も見られました。

第3回開催を迎えた「全国高校eスポーツ選手権」

「全国高校eスポーツ選手権」は、全国高等学校eスポーツ連盟(JHSEF)と毎日新聞社が主催する高校生のための大会です。タイトルは過去2大会と同様、「リーグ・オブ・レジェンド」「ロケットリーグ」の2部門です。第1回は153チーム、第2回は222チームが参加しました。ますますの活況を見せる3回目となる今大会は、年内にオンライン予選が終了し、来年3月にオンラインでの決勝大会が予定されています。

eスポーツを学べる専門学校

高校卒業後の進路として、もしくはダブルスクールや社会人スクールとしてeスポーツを学びたいとお考えなら、全国各地のeスポーツ専門学校がおすすめです。

eスポーツを学べる主な専門学校

esports 銀座 school(東京)
総合学園ヒューマンアカデミー(全国)
専門学校 東京クールジャパン(東京)
新潟コンピュータ専門学校(新潟)
バンタンゲームアカデミー(東京、大阪、愛知)
JIKEICOM Team Esports(全国)
  東京デザインテクノロジーセンター専門学校
  東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校
  OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校
  大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校
  福岡デザイン&テクノロジー専門学校
  名古屋デザイン&テクノロジー専門学校
  仙台デザイン&テクノロジー専門学校
  札幌デザイン&テクノロジー専門学校
  神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校 ※2021年開講

得るべきものを具体的に 「通いやすさ」もポイント

学校選びのポイントは高校と同じく、「授業・カリキュラムの内容」「就職サポートとその実績」「学費」「施設・設備の充実度」が主となるでしょう。また、大学や会社など本業と並行して学ぶ場合は時間的・場所的な「通いやすさ」も重要です。

国内のeスポーツ市場は2023年に約150億円規模(KADOKAWA Game Linkage 調べ)になるとも予測されており、今まではeスポーツと一見関係の浅かった業界の企業や自治体も続々と参入が始まっています。

プロゲーマーや大会運営者などeスポーツにおける中心的な役割を担う以外にも、本業の仕事とeスポーツの知識やノウハウを掛け合わせることで活躍できる機会も、今後大きく増えていくと予想されます。

専門学校を通して得られるノウハウや人脈を最大限に活かし、チャンスを成果に変えるためにも、eスポーツ専門学校で何を学び、最終的に自分がどんなことをできるようになっていたいのかを具体的にイメージすることが、やはり重要です。

「esports 銀座 school」の充実した設備

KONAMIは銀座にスクール開校

ゲームメーカーであるKONAMIも、eスポーツの人材育成事業に参入するという動きがありました。今年、コナミデジタルエンタテインメントがeスポーツ専門スクール「esports 銀座 school」をオープン。世界を舞台にeスポーツ業界で長く活躍できる人材育成を目指しています。

ゲーム実技はもちろん、英会話、コンプライアンスに関する基礎知識、ビジネスマナーなどそのカリキュラムは多彩で総合的な学びを得ることができます。

週5日の授業でじっくり1年間学ぶ、全日制のコースと夜間や休日に通える短期集中コースが用意されており、受講者はそれぞれの目標とスタイルにあわせて選択します。

同校が入居するコナミクリエイティブセンター銀座内には、最先端の設備が用意された「esports 銀座 studio」が併設されており、受講生はライブ映像へのCG合成などを実践的に学んだり、模擬大会を主催することもできます。

また、各分野、タイトルにおいて第一線で活躍する講師から直接指導を受けられることも同校の大きな魅力の一つとなっており、独学では学びきれない要素があると言えるでしょう。

全国各地にeスポーツ関連の学校が設立され、選択の幅は広がりました。数ある学校の中から、ご自身のキャリア形成にぴったりと合う学校を選ぶため、資料請求や体験入学の機会を活かし、じっくりと検討を進めてみてください。