R6S悲願のタイトル奪還、世界王者SSGの魅力に迫る リーダーは「熱男」Canadian

こんにちは、「レインボーシックス シージ」(R6S)のeスポーツ公式キャスターをしております、ともぞうと申します。
最近R6Sの競技シーンを見始めた、あるいはプレーはしているが競技シーンは観たことがない方に向けて、世界で活躍する有名チームを紹介することで、大会などを観るきっかけになれば……という趣旨で書いています。
今回はNA(North America)エリアの強豪チームを紹介したいと思います。取り上げるのは現世界チャンピオン「Spacestation Gaming」(SSG)です。
先日の記事でもお伝えしたのですが、R6Sにはプロチームを直接支援できる「R6 SHARE」という仕組みが存在しています。
プロチームのロゴなどをあしらったスキンを購入すると、売上の一部が各チームに分配されるというスキームで、ゲームから直接競技シーンを応援できる仕組みです。実は様々な新スキンがつい先日発売され、SSGからは防衛オペレーターであるエラのスキンが発売されました。
S P A C E S T A T I O N G A M I N G
— Spacestation Gaming (@SpacestationGG) September 22, 2020
R 6 E L A S K I N
A V A I L A B L E I N G A M E N O W pic.twitter.com/RZWPaKLcPC
エラが人気オペレーターということもあり、購入したユーザーは多そうです。
(ちなみに、既に僕は購入済みです)
さて、そんなSSGの紹介をしたいと思いますが、前回も触れたとおり、サッカーでいうところのレアル・マドリードやバルセロナ、野球でいうところの読売ジャイアンツのような存在を知ってもらうことで、分かりやすくR6Sの競技シーンに入ってもらいたいと考えています。
ということで今回はR6S界の超有名チームSSGをピックアップしましたが、チーム全体を紹介する前に、まずはSSG所属の選手、Canadian(@BroCanadian)に焦点を当てたいと思います。
・Pro League Year 1 Season 3(2016) 優勝
・Six Invitational 2017(2017) 優勝
・Six Invitational 2018(2018) 準優勝
・Six Major Paris 2018(2018) 準優勝
・Pro League Season 9 (2019) 準優勝
・Six Invitational 2019(2019) 優勝
どうでしょうか? ここまでのタイトルを獲得した選手は、前回紹介したG2のPenguくらいしかいないと思います(あるいはPenguの当時のチームメイト)。前回はそんなPenguがR6S競技シーンにおいて「Mr.R6S」とも言えると話しましたが、もうひとりの「Mr.R6S」と言えるのがCanadianなのです。
ただ面白いのは、Pengu選手が至ってクールにプレーするのに対し、Canadianは全くの逆。キルが決まれば吠えるわ、ラウンド勝利を決めれば叫ぶわで、観ているこちらが「チームメイトに迷惑がかかっていないのか」とハラハラするくらいの熱いプレーヤー。熱さが画面越しに伝わってくるからこそ、世界的に非常に人気のある選手でもあります。
そして、Canadianが所属した以前のチームEvil Geniuses(以下、EG)は、幾度となくPengu所属のG2(あるいは、旧チームPenta)と死闘を繰り広げました。特に世界最強を決定する祭典「Six Invitational 2018」での激闘はR6Sファンの間では語りぐさとなっています。
この試合、EGは2マップを取りチャンピオンに王手をかけながら、そこから3マップを失うという流れ。CanadianはSix Invitational 2018以降も準優勝が続き、タイトルに届きそうで届かない。
※上述したCanadianの実績を参照。
Canadianが中心となったEGは低迷を続け、最終的にはR6S競技シーンからの撤退を発表します。この発表はR6Sにおける一つの時代が終わったことを示し、ファンの間でも悲しまれました。(CanadianはEGが競技シーン撤退前にSSGに移籍しました。中心選手の移籍が頻発し、結果的にEGが撤退という流れとなっていきます)
the stream is back!!!https://t.co/5SPKhPRkPe pic.twitter.com/WRJUoy3fu0
— Spacestation Gaming (@SpacestationGG) November 13, 2020
※手前から、Thinkingnade、Bosco、Canadian、Fultz、Rampy
ここからは、SSGの紹介をしていきましょう。移籍して新たな環境、新たなチームメイトと頂点を目指すことになったCanadianなのですが、チーム加入から彼自身が大きな変化を見せます。
先程にも述べたとおり、彼の持ち味は熱さ=アグレッシブなプレーにあります。EG時代はアタッカーとしてバンバンキルを取りに行くポジションを担っていたのですが、SSGでは全体を俯瞰し、指示を行うポジションへと役割を変更しています。
実は、ポジションの変更ができた背景には、所属する選手の構成があります。メンバーをそれぞれ紹介しましょう。
SSGには「メンバー全員がキルを取れる」という魅力があります。前のめりなチームの中でも、怒涛の攻撃が始まるきっかけを作ることが多いのが、このFultzという選手。チームとして勝ってほしい撃ち合いに勝ち、相手防衛ラインに乱れを生み出すことで、SSGはこれまで数多くの勝利を掴んできました。
SSGも幾度となく苦境と言える戦いを経験していますが、彼のスタッツが低迷したことを見たことがありません。快勝となった試合でも、惨敗となった試合でも、彼は常に安定した成績を残します。
ガンファイトからガジェットでのキルまで高水準でこなせる彼の存在は、チームが安定した成績を残す上で不可欠です。
NAエリアはR6Sというゲームに対して、どちらかと言うと丁寧に攻略するチームが多い地域です。そのためか、なかなか意外性を持ったプレーヤーは少ない傾向にあるのですが、Boscoは意外性を持ったプレーを見せる選手です。
チームが人数不利を背負えば背負うほど勝負強く、何度となく「そこで勝負するのか!」という強気のアプローチでチームを苦境から救っています。
アグレッシブなチームにおいて欠点となりがちなのは、前のめりになりすぎてバランスを欠くこと。しかし、SSGがそうならないのは、ThinkingNadeのおかげでしょう。
私はしばしばR6Sを、サッカーなどのフォーメーションに例えることがあります。サッカーと同じで、R6Sも全員が点を取る(=キルを取る)ためのフォワードではバランスを崩してしまいます。そのため、アタッカーをサポートする役割がとても重要になります。Thinkingnadeのプレーは常にチームメイトを思いやり、チームが抱えるリスクを常に回避しているといえます。
Canadianについては先の章で多くを語ったので、ここでは割愛します。
ただ、一つ言えることは、R6Sの中で彼ほどのリーダーはいないだろうということ。試合内外での彼のリーダーシップが、SSGというチームの成長を大きく助けているでしょう。
さて、話を戻します。
Canadianがこれまでのプレースタイルを捨て、チームのためのプレーをより重んじるようになりました。変化をもたらしたポイントとしてはFultz、Rampy、Boscoと、どこからでも相手を崩せるアタッカーが揃ったことが大きいでしょう。
通常、チームにおいてはキルを量産できるアタッカーが攻撃において特に重要な役割を担うことが多いですが、大体のチームには1人、多くても2人といったところです。SSGでは現状、Fultzがアタッカーとなることが多いのですが、RampyやBoscoがアタッカーとなっても遜色がありません。
つまり、たとえエースであるFultzが止められたとしても、それを埋めてあまりある突破力をRampy、Boscoが有しているわけです。他のチームでは、絶対的エースが止められると攻撃のきっかけが作れず停滞してしまうことが多々見られますが、SSGでは誰もがどこからでも攻撃のきっかけを作ることが可能。その破壊力は世界においてもトップクラスです。
そして、このメンバーで実戦を重ね、遂にCanadianに歓喜の瞬間が訪れます。今年2月に行われた世界一を決めるための大会、Six Invitationalにおいて、優勝を飾ったのです。Canadianは前線から一歩引いた位置でチームを鼓舞し、Fultz、Rampy、Bosco、ThinkingNadeが躍動しました。
ここ数シーズンに渡って無冠が続いていたCanadianが悲願のタイトルを獲得したことは、多くのファンにとっても感慨深いものになりました。
その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響でエリアをまたいだ世界大会は開催されていませんが、R6S競技シーン史上最も熱い男であるCanadian率いるSSGは、今後もタイトルに絡んでくることは間違いないでしょう。
もし、R6S競技シーンにご興味を持った方がいたら、以下の視聴・閲覧をオススメします。
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まずはここを見てもらえれば、「競技としてのR6S」の何たるかがが分かりやすいと思います。Six Invitationalなどの海外の大規模大会も、日本語での実況解説をお届けしています。
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