「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」(CoD:BOCW)が13日に発売され、盛り上がりを見せる「コール オブ デューティ」コミュニティー。競技シーンの最前線で活躍してきたゲーミングチーム「Rush Gaming」のCoD部門に所属するGorouさん(@RushGorou)は、今シーズンで所属3季目を迎えます。

CoD部門最年長となった彼は、今後のチームを牽引していく存在と言えます。そんな彼は、一体どんなゲーマーなのか。これまでの活動から、その人物像を探ります。

負けは決して苦ではない

――Gorouさんって、いつも淡々としている印象があります。ご自身ではどのような性格と思っていますか?

常に冷静な印象を持たれがちですが、実際はそんなことはなくて、負けず嫌いなのは間違いないですが、かなり頑固というか。チームでの反省会中にメンバーと意見が食い違うと、相手が理解するか自分が納得させられるまで議論が終わらないなんてこともよくありました。自分自身良くも悪くも簡単には引けない性格だと自覚しています。

――なるほど。ブレない、といった意味では競技者向きな気もします。

昔は自分の頑固さをコントロールできなくて、言い合いになってしまうこともありました。「コール オブ デューティ ブラックオプス4」(BO4)の時だとLukeと言い合いの末に喧嘩になってしまって、その後コーチのくるたみさんに「このままだとチームとして続かないよ」と言われ、反省したことも覚えてます。

くるたみさん(左)と初めて会った日の写真

負けても折れずに続けられる点で言えば、良い頑固さなのかもしれませんね。ただ負けても、むしろ練習では負けないと損だとずっと考えてきたタイプです。

――負けることって、苦しいことではないですか?

自分は負けること自体が苦だとは感じないですね。もちろん勝つことは楽しいですし、大会では勝敗が全てなので勝たなければいけません。ですが負けたことで新しく見えてくる悪い部分もあると思っているので、新しく学び、成長できるという点では負けることは良いことなのかなと。

特に練習では試合の勝敗や戦績ではなく、その練習がどれだけ自分やチームにとっての成長、学びになったかということを中心に考えています。

――ゲームに触れ始めた頃からずっとその考えがあったのでしょうか?

実はゲームにハマる前、本格的にオセロをやっていた時期があったんです。オセロで有段者の強い人と対戦してはボコられて、ダメなところを改善して、また対戦して……と繰り返すうちに、徐々に戦えるようになっていくのが楽しくて。

最終的には日本オセロ連盟というところに加盟して他県まで大会に参加しにいくほどハマっていました。おそらくその頃から、強い人にボコられるのが好きなんです(笑)。

――ボコられた分だけ、次に繋がるから?

そうですね。どうしても長くゲームをやっていると成長度合いの実感値は変わってくるものですが、最近格闘ゲームを触ってみて、コンボ技を1つ習得するだけで成長を実感できることが楽しくて、長い日だと18時間ぶっ通しでプレーしてしまう時もありました。

研究中、真剣な表情になるGorouさん

最近ではオフシーズン中の目標にしていたゴールド(ゲーム内のランク)を達成したときは言葉にならないほど嬉しかったです。

改めて自分にとっては「出来なかったことが出来るようになること」がゲームの一番の楽しさなんだと気付きました。

雲の上の存在だと思っていた競技シーン

――そんなGorouさんは、どのようなきっかけでCoDの競技シーンに入ってきたんでしょう?

一緒にゲームをする知り合いの中でeスポーツをやっている人がいて、彼らが「一緒にやってみない?」と引き入れてくれました。

元々「コール オブ デューティ ゴースト」の時にHuntさんとたまたま一緒にプレーする機会があり、その時にボコボコにされてからHuntさんをずっと応援していたんです。eスポーツに興味はあったのですが、雲の上の世界というか、こんなに強い人たちの中に混ざれないなとも感じていて。背中を押してもらう感じでシーンに入りましたね。

――当時の知り合いたちは、一緒にやっていて「超強い」という感じだったんですか?

「ニコニコゲームマスター」というチームデスマッチの大会があって、自分も「ゴースト」の時に出たことがあるんです。遊び半分の感覚だったのですが、自分たちは2位で、1位の知り合いたちには点差を2倍つけられて負ける程レベルが違いました。

――相当ですね(笑)。

でもそんな彼らも、世界大会では海外のトップチームにナイフやスナイパーでボコボコにされていて。

――その頃から海外にも目を向けていたんですか?

「ゴースト」の時、知り合いが「Electronic Sports World Cup 2014」(ESWC 2014)という世界大会に出たことをきっかけに、海外の大会も見始めましたね。

見てみると日本チームがどうこうよりも、海外のトップが異次元なくらい強いんですよ。「世界にはこんなにやばい人が沢山いるんだ」と虜になりました。

――当時よく見ていたチームや選手などはいましたか?

「コール オブ デューティ ブラックオプス3」(BO3)以降からはずっと、FormaLという選手を観ていました。「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」(IW)の世界大会で他強豪チームのプレーヤー達を次々とARで倒していくシーンは今でも鮮明に覚えています。

FormaLに憧れて、感度MAXから低感度に落としたこともありました(笑)。

個の成長から、チームの成長を追い求めて

――Rush Gamingに加入してから2年が経ちましたが、これまでを振り返るといかがですか?

ちょうど僕が加入した「BO4」シーズン序盤は、GreedZzさんの眼が悪化しちゃって、急遽Lightさんが大会に出ることになり、Lightさんを鍛えることになりました。次にVebraがチームに入ってきて、新人のVebraを成長させないといけないとなり、チーム内がバタバタしていた時期で、少し置いてけぼりにされるような感じでした。

加入当初は「海外コーチに色々と教えてもらおう」なんて考えていたのですが、状況的にそうもいかず。自然と「自分でやらなきゃ」と火がついたのを覚えています。

――当時の環境が、自然と火をつけてくれたんですね。

つかざるを得なかったし、ついちゃった、みたいな感じです。変に周りに甘えることもなく、逆によかったのかなと思いますね。

でも基本的に僕は、自分のモチベーションがほとんど上下しない、常に7割くらいの高い位置で保っているような人間なんですよ。

――常にモチベーションが変わらないと?

「MW」国内オフライン大会での様子

そうです。でも最近、格闘ゲーマーで忍ismのももち選手から「格闘ゲーマーは個人で戦うから、自分でモチベーションの管理が必要」という話を聞いて、個人よりもチームのモチベーションについて考えるようになりました。

メンバーが4人いたなら、4人で「1」の単位になるというか……僕はモチベーションが上下しないけれど、自分だけのモチベーションじゃチームは上手くいかないんだろうなと。

――なるほど。チーム全体で捉えてコントロールが必要だと考えるようになったんですね。

たとえば、見えない部分で「こいつ練習してんのかな?」と感じさせるよりも、自分が頑張っている姿を見せることで「みんな頑張っているから俺も頑張ろう」と思える方が、全体の士気も上がるのかなと思うんです。

よりチーム内に見える形で伝えたり、全体のモチベーションのためにコミュニケーションを取ることも大事なんだろうなと、最近は考えるようになりました。

――Rush Gamingに加入した当初と比べると、Gorouさん自身の目線が個人からチームにシフトしてきているようにも感じます。

「BO4」の頃はまだ自分のことで精一杯で、チームに対してあまり考えを持てておらず、「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」(MW)シーズン序盤ではチーム内でのモチベ―ションの差が問題になり、チームに目を向けていかないといけないと感じました。

その後日本代表決定戦Summerに出場するために自分とWinRedを主力メンバーとして急遽結成したTeam ALPHAでは、自分を中心にチーム内での戦略、意識の共有をメインに練習し、2週間しかない練習期間で最終予選まで残ることができました。自分含めチームを成長させられた実感とチームという1つの単位で行動することの重要性をTeam ALPHAでは再確認することができました。

「BOCW」シーズンはチームで出来ることを増やして、チームとしての成長を今まで以上に感じられるシーズンにできたら、自ずと結果もついてくるのかなと思っています。

Rush Gorou

Rush Gaming 所属 CoD プロゲーマー
ニコニコゲームマスター×コール オブ デューティ ゴースト  チーム部門準優勝
CoD:WWII CyAC e-Sports Rule Tournament Best4
CoD:WWII プロ対抗戦6位
CWL Fort Worth 2019 Japan National Qualifier優勝
CWL London 2019 Japan National Qualifier優勝
CoD MW 日本最強決定戦 #1 準優勝
YouTube:Rush Gorou / 五郎
Twitter:@RushGorou