こんにちは、「R6S」の大会で公式キャスターをしております、ともぞうと申します。

先日実況を担当させていただいた国内史上最大級の大会「レインボーシックス Japan Championship 2020」決勝大会は、R6Sの競技シーンにおいてどういう位置づけとなるのでしょうか。私自身の振返りも兼ねて、少し考えてみたいと思います。

真の王者となったCAG

ともぞうさんとCYCLOPS athlete gamingのメンバー

今大会で優勝したCYCLOPS athlete gaming(CAG)は既に世界大会を経験しており、海外でも知名度の高いチームとなっています。しかし、世界大会ではまだ結果が残せておらず、あわせてオフラインでの脆さも指摘されていました。

さらに今大会、ベスト8の組合せが決まってからの準備期間は2週間。私は各チーム、特にCAGとの対戦の可能性が高いチームは、「Stop CAG」をかけて、徹底した研究を行ってくると考えていました。

ですので、国内では頭ひとつ抜けた強さと評価をされているCAGでも、簡単に優勝することはできないだろうと予測していました。まして、明確に追われる側になったCAG。他チームは必ず彼らの弱点を徹底して突いてくるだろうことは明らかです。

ただ、逆に言うと徹底的にマークされるこの厳しい環境をCAGが勝ち切れば、課題であった世界の舞台での脆さの克服にも繋がるのではないかと考えていました。実際、CAGの優勝への道は、平坦なものとはなり得ませんでした。特に準々決勝のSengoku Gaming(SG)戦は、敗退のギリギリまで追い込まれたと言えます。

CAGがこれまで世界で見せた脆さは、流れを掴まれるとメンタル的にトーンダウンしてしまい、そこから巻き返せない点にありました。しかし、この試合ではマップ毎、そして3rdマップではラウンド毎に流れが大きく変わるというジェットコースターのような展開の中で、集中を切らすことがなく、勝ちきった印象があります。

それを代表するシーンが、3rdマップ・クラブハウスのラウンド10。SGが大きく勢いを盛り返す試合展開の中、なんとかディフューザー設置をギリギリで完遂したCAGのgatorada選手が、SGのYahooN選手との緊迫の1vs1を制します。

準々決勝 第4試合

流れが相手にある中で、絶対に負けてはいけない撃ち合いを制するメンタルの強さ。このシーンが、優勝へのきっかけになったかもしれない。そんな重要な場面でした。

準決勝、エヴァ:e戦も1stマップを取られる苦しい展開となりましたが、その後のインタビューがとても印象に残っています。「エヴァ:e側が徹底的にCAGの攻撃パターンを研究していたことに苦慮した」とBlackRay選手は漏らしていました。

その状況に対して、チームのIGL(インゲームリーダー、司令塔のような存在)であるSuzuC選手は、1stマップの相手の勢いに抗いきれないと判断。タイムアウトも取らず、2ndマップで切り替えるようにしたと語ってくれました。

一気に試合を決められそうな劣勢の中でも、冷静な判断ができるCAG。世界で苦杯をなめたところから、さらなる成長を感じました。

これでCAGは、いよいよ死角なし。まずは、直近に迫るアジア大会の頂点を目指します。

今大会の主役となったエヴァ:e

ともぞうさんとエヴァ:eのメンバー

優勝という点だけみると、もちろん今大会の中心はCAGだと思いますが、予選からの長い期間を考えると、私は今大会の主人公となるチームは、エヴァ:eだと考えています。

「エヴァンゲリオン」の公式プロチームとして華々しく「R6S」の競技シーンにも参戦となりましたが、決勝大会までの道のりはかなり険しいものでした。予選最大の難関となったのが、「APAC North」にも参戦していた日本屈指の強豪、野良連合。

多くのファンが野良連合有利と見る中で見事勝利し、その後も強豪、Reiwa Gamingを下し、ベスト8へ食い込みます。そして何よりも彼らが凄かったのが、予選の最終戦でシード枠のNORTHEPTIONを撃破したこと。この勝利で決勝大会の組合せが有利となり、別ブロック1位のFAV、GUTS、CAGを回避することができ、ベスト4進出という結果へと繋がったと思います。

彼らの持ち味は、やはり気持ちのいいくらいのガンファイトの強さ。

特に準決勝のCAG戦で見せたガンファイト+スピード進行のダイナミックな攻めは、これまでの他チームにない素晴らしいアプローチでした。

ただ、最も感心させられたところは、彼らが勢い任せのチームではないという点。アグレッシブに仕掛けるところ、固く守るところの見極めが素晴らしく、それ故に幾多の強敵との連戦を勝ち抜けてきたのだと思います。

新世代の代表格ではあるものの、そのプレイ内容は実に大人。今後も彼らの活躍に注目したいところです。

歴戦のプレイヤーたちが作った最高の舞台

今大会は、本当にレベルの高い8チームが揃ったと感じました。実はこの競技シーンの流れのひとつが、ある1チームから生まれていることをご存知でしょうか?

2018年に開催された「R6S」の世界大会Six Invitational 2018。そこに、アジア予選を勝ち抜き日本から「eiNs」というチームが参戦しています。eiNsというチームをFAV Gamingの前身としてご存知の方は多いと思いますが、eiNsは何度か大きなメンバーチェンジを行っています。

Six Invitational 2018の時のロスターは以下の通り。(カッコ内は現在の所属チーム)

  • ShiN(FAV Gaming)
  • Papilia(野良連合)
  • SuzuC(CAG)
  • prototype_1z(Sengoku Gaming)
  • Aroer1na(NORTHEPTION)

お分かりいただけましたか?

発売から5年を迎えている「R6S」競技シーンにおいて、チームのメンバーが変わっていくことは当然です。しかしそれは、選手が長期に渡って第一線で活躍できない、という意味ではありません。上に挙げた選手たちは、私が想像する以上の努力を続けて最前線に立ち続けているのです。

2018年に世界を経験したメンバーは各チームで中心選手となり、彼らの活躍をみて競技シーンに入ってきた新しい世代の選手と共に、前へ進み続けています。

以前はチームメイトとして、今は好敵手として切磋琢磨し、競技シーンを盛り上げ続けてくれたのです。彼らの努力があったからこそ、5年目にしてこの最高の舞台が作られたことは間違いありません。

改めて、彼らに敬意を示したいと思います。

ただ残念なことに、大会終了後にAroer1na選手が引退を発表されました。心よりのお疲れ様と、これまで本当に素晴らしいプレイで楽しませていただいたお礼を贈りたいと思います。

ありがとうございました。

さて、史上最大の国内大会はこうして幕を閉じましたが、「R6S」の競技シーンをより盛り上げていくには、ここからが重要です。

私はいち出演者でしかないため、今後の展開は読者の皆さん同様、座して待ちたいと思いますが、さらなる熱戦が見られることは間違いないでしょう。次の展開も、心から楽しみたいと思います!

競技シーンを観戦したくなった、そんなあなたへ

もし、競技シーンにご興味を持ってくださった方がいたら、以下の視聴・閲覧をオススメします。

◆YouTube「レインボーシックスシージ ESPORTS」

主に国内大会を中心にお届けしている日本語版公式YouTubeチャンネルです。私もキャスターとして出演しています!

まずはここを見てもらえれば、「競技としてのR6S」の何たるかがが分かりやすいと思います。Six Invitationalなどの海外の大規模大会も、日本語での実況解説をお届けしています。

◆レインボーシックス公式Twitter

競技シーンの情報だけではなく、R6Sに関する全ての情報を提供してくれる公式Twitterアカウントです。R6Sをプレーしている方のフォローは必須ですね。

◆ともぞうTwitter

実は、海外の情報を総合的に取り扱っているメディアやTwitterアカウントはあまり見かけません。手前味噌ながら私のTwitterアカウントでは、不定期ではありますが国内・海外問わず、選手の移籍情報や試合結果をつぶやいていますので、一度覗いてみてください。

◆英語版YouTube「Rainbow Six Esports」

海外のトップリーグの大会を視聴できる英語版の公式YouTubeチャンネルです。実況が英語ですので、英語が聞き取れる方でないと、プレー内容などは理解しづらいかも知れません。

ぜひ、興味が湧いた方は「競技としてのR6Sの世界」を一度覗いてみたください!