どうも、「SunSisterDive」に所属しているA1tmaN(あるとまん、@A1tmaN4REAL)です。

エージェントBAN制度アリの「VALORANT」の大会「A.W EXTREME MASTERS」はもう観ましたか? アジア大会である「ASIA INVITATIONAL」の全日程が終了し、ハイライトクリップも大会公式チャンネルに多くアップされています。

気になっているけどまだ観ていないという方のために、個人的にアツいと思った激戦の一部を紹介したいと思います!

立ちふさがる「韓国の壁」

「VALORANT」で日本最強チームと言えば、Absolute JUPITERを思い浮かべる人は少なくないと思います。国内大会での勝率は極めて高く、圧倒的な強さを誇るチームです。

国内チームにとって「海外の壁」はまだまだ高く、ASIA INVITATIONALのグループ予選には日本から4チーム参加していたにもかかわらず、3チームが敗退。プレーオフに進出したのはJUPITERだけでした。

なによりも驚きなのが、大会で日本チームが負けたのは、全て韓国チームとの試合だったんです! 韓国の「VALORANT」競技シーンレベルの高さの現れで、世界の壁の前に立ちふさがる「韓国の壁」を意識せざるを得ませんよね。

韓国のチームはエイムや撃ち合いなどのフィジカルはもちろん、チームの連携や読み合い、どれも高水準に仕上がっていました。しかも、高いレベルのプレーをあたかも当然のようにこなしているのが圧巻です。

JUPITERもセミファイナルで韓国のVSと当たり、第1マップのヘイブンで4回もOT(オーバータイム)までもつれ込み、接戦を演じました。

試合後のインタビューでJUPITERのリーダーLaz選手が「自信はあった」と語っていたように、JUPITERのヘイブンはこの日の為に練度を上げ、「仕上げて」きていることが感じられる戦いでした。

しかしJUPITERは惜しくも敗北。ベスト3という結果になりました。VSは勝ち上がり優勝しますが、一体なぜJUPITERを破ることができたのでしょうか。

試合を振り返りながら、VSの勝因を3つのポイントに絞って解説していきます。

VisionStrikersの強さ、3つの理由

まず、VSは相手チームの癖を掴むのが非常に上手い。ラウンドを重ね、試合が後半になって行くほどに強さが増してくるのです。

VSは索敵ができるソーヴァとサイファーを採用し、攻守問わず安全に相手の情報を集められる構成です。単に相手の位置を把握するだけでなく、毎ラウンド少しづつ情報を取り続けることで敵の動きの癖を掴んでいくのだと思われます。

癖さえ分かってしまえば、普段なら警戒すべき場所も強気に攻めて敵の不意を突き、キルが取れてしまうわけです。対してJUPITERはサイファーを採用していないので、情報面でもVSが有利だったということでしょう。

二つ目は手札の多さ。第1マップのヘイブンではOTが4回もあったと紹介しましたが、VSはOT中に今までのラウンド全てが布石だったかのように新たな作戦を出してきたのです。

15対15、31ラウンド目のこのシーンを見てください。

A.W EXTREME MASTERS ASIA INVITATIONAL Semi Finals

VS側はAロビーの手前まで前進することはあっても、アタッカーのスポーン側まで攻めていく大胆な動きは30ラウンドのあいだ一度も見せていませんでした。

突然動きが変わったためJUPITER側はまったく警戒できておらず、簡単にキルを渡してしまいます。A側は完全にクリアされ、位置情報も取られてしまう状況に。JUPITERはCサイトをロングとガレージで挟んで攻めましたが、VSの積極的な守りに翻弄されラウンドを落としてしまいました。

普通、ラウンド数が進むにつれて手札は少なくなるものです。だから、一度使った作戦をもう一度当てにいったり、動きが粗くなったりするチームが多いのですが、VSは冷静さを失いませんでした。相手の癖を掴み、刺さる手札を適切に読み取り、正確に実行へと移せるのがVSの強さだと感じたシーンでした。

最後に紹介しておきたいのがVS「Rb選手」の存在です。JUPITER、VSのメンバーは全員個々のレベルが高く、チームとしての連携力もトップクラスなのは言うまでもありません。しかし、Rb選手はその中でも特に光っていたのです。

Rb選手は基本的にジェットを使用し、オペレーターを中心にスキルなどを器用に使った立ち回りでキルを取っていくプレースタイルです。さらに、キルを取るだけではない、IQの高いプレーも大会では見せてきました。

残り時間僅か、アタッカーのJUPITERが設置を急ぐワンシーンを見てみましょう。

A.W EXTREME MASTERS ASIA INVITATIONAL Semi Finals

残されたLaz選手はキルを取られても、スパイク設置ができなくてもラウンドを落としてしまう厳しい状況。ただ、Rb選手をキルできればラウンドを取れる可能性もあります。

Rb選手はここで「テイルウィンド」を使い一気に距離を縮めました。Laz選手側からすると「キルを狙いに来た」と考える動き。即座に設置を止めてRb選手に応戦しキルを狙いますが、Rb選手はそこまで読んでいたのでしょう。スモークで身を隠して時間切れまで時間を稼ぎ、撃ち合わずしてラウンドを勝ち取りました。

彼はまだ18歳という若さですが、ラウンドの勝敗が懸かった局面で機転の利いたプレーを披露。ゲームセンスはベテランプレーヤーをも欺き、VSのエースプレーヤーといっても過言ではありません。

ヘイブンは防衛側が不利なマップ

JUPITERは前半8-4で折り返したものの、ディフェンダーサイドとなった後半では12-12まで追い上げられてしまいました。試合を通して見ると、どちらのチームもアタッカーサイドで4ラウンドしか取れていません。ヘイブンは守りが難しいマップなので、実力が拮抗していると攻める側が多くポイントを取りやすいのです。

その理由の一つとして、守るサイトが挙げられます。ヘイブンでは三つのサイトを守らねばならず、すべてを5人で守るのは困難です。基本的には二つのサイトの防御を厚くして、残りは敵に取られてから取り返すようにする形が無難。

リテイクの際に役に立つのがサイファーのカメラです。あらかじめカメラを設置しておくことで敵の動きを把握でき、リテイクの成功率も高められます。カメラで得た情報をもとに、各サイトに割く人数を調整することもできます。JUPITERはこれまでの試合でリテイクを綺麗に刺せていたので、今回もサイファーがいればリテイクしやすかったのでは、と感じました。

ただ、これは結果論に過ぎません。エージェント構成に正解は無く、マップや構成に合わせた攻め方・守り方を考えていく必要があります。

実際13ラウンド目にtakej選手が行っていましたが、ブリーチやフェニックスなどフラッシュを持つキャラクターがいる場合、攻めてきた敵にフラッシュを入れて視界を遮り、その隙に他のメンバーがキルを取る……というように、ディフェンダーサイドが前のめりになることで安全に人数有利を作る事もできます。

次回以降の大会では、新マップや新エージェントが参戦してくると思うので、また新たな作戦や組み合わせが見られそうです。どのように戦い方が変わってくるか楽しみで仕方ありません!

そして次こそは海外の強豪チームを破って優勝する日本チームの姿を見たいですね!

A1tmaN

プロゲーミングチームSunSisterの「VALORANT」部門、SunSisterDive所属。IGL(インゲームリーダー)を務めている。「VALORANT」ではブリーチやオーメンなどのサポート系のエージェントを使うことが多い。

■「VALORANT」実績
BoG VALORANT TOURNAMENT 優勝
VALORANT Xross Cup 3 優勝