「FIFA 21」と前作「FIFA 20」の違いって? 仕様の変化で意識したいのは「攻撃の幅」

EAから発売されているサッカーゲームシリーズ「FIFA」。10月9日に最新作「FIFA 21」が発売され、コミュニティーが盛り上がりを見せています。前作から何が変わったのか、「FIFA」のプロプレーヤーで「ガンバ大阪」の選手として大会に出場した経験もある黒豆選手が語ります。
EAから発売されているサッカーゲームシリーズ「FIFA」。10月9日に最新作「FIFA 21」が発売され、コミュニティーが盛り上がりを見せています。前作から何が変わったのか、「FIFA」のプロプレーヤーで「ガンバ大阪」の選手として大会に出場した経験もある黒豆選手が語ります。
みなさんこんにちは、黒豆(@kuromame_21)です。
「FIFA」シリーズプレーヤーにとっての元旦である新作の発売日が今年も無事に訪れ、10月9日に「FIFA 21」が発売されました。私は発売日からFIFA Ultimate Team(FUT)のパックを開封する作業に勤しんでいましたが、それもようやく終わって対戦を楽しんでいるところです。
読者のみなさんは既に購入されましたか?
もし、まだ買ってないよ! という方がいたら、購入をお薦めします。なぜなら、今作はサッカーゲームに触れたことがあるゲーマーなら、面白いと思うこと間違いなしの作品に仕上がっているからです。
「FIFA 21」の何がそんなに面白いのか、プレー面での仕様を前作「FIFA 20」と比べながら、今作の魅力を語りたいと思います。
「FIFA 21」をプレーするとすぐに気づく変化が、「オフザボールの動き」です。今作は味方AIのアタッキング時におけるオフザボールの動きがめちゃくちゃ向上しています。
例えばこれまでの「FIFA」シリーズでは、味方FWがDFラインの裏に抜ける際、まっすぐ走り抜けるシンプルな動きしかしませんでした。しかし今作での味方FWは対応する相手DFと駆け引きしながら、オフサイドにならないように裏へ抜けるリアルな動きをするようになっています。
他にも、ボールを持っているプレーヤーがパスを出しやすいようなポジショニングを自動でしてくれるなど、AIがかなり質の高いオフザボールの動きをしてくれます。
「FIFA」シリーズにおける1on1は、「ボールホルダー以外の動きはAIが行う」という仕様。それ故に、前作のようにAIの動きが活発ではない作品では攻撃が手詰まりになってしまうパターンが多く見られました。今作はAIの動きが改善され、積極的に攻撃しやすい仕様になったと言えます。
味方AIの動きがよくなったことに加え、ボールを持っていない選手もプレーヤーが操作可能になりました。
既存の「FIFA」シリーズでは味方AIを裏のスペースに走らせる操作「トリガーラン」と、自分のほうに呼び込む操作「トリガーカモン」はありましたが、今作で新たに追加された操作「ディレクショナルラン」ではボールを持っていない味方AIを動かし、好きな場所でパスを受けられるようになりました。
以前まで感じていた味方AIのポジショニングの悪さが解消され、より自分のイメージ通りに攻撃できるようになったのです。
攻撃の組み立て方に大きな影響を与えることから、オフザボールの仕様変更は前作から変更された仕様の中でも一番重要な点だと感じています。オンライン対戦をメインに遊んでいる人はもちろん、オフラインのモードで遊んでいる人にとっても、今までにないプレーができるようになりました。
「FIFA 21」では新しいスキルムーブも追加されました。中でも個人的に強いなと感じたのは以下の三つ。
これらは上手く使うことで相対するDFの逆を突き、一気に抜き去ることができるスキルムーブです。
スキルムーブの追加だけではなく、ドリブル自体も強化されています。DFを抜いた後の加速で相手を置き去りにできたり、アジャイルドリブルという新しいドリブルの追加によってDFを揺さぶれるようになったりと、1on1の駆け引きの幅が増えたように感じました。
前作ではドリブルで抜いても追いつかれてしまったり、DFの逆をついても加速ができず、結局ボールを奪われてしまったり「ドリブルで相手を抜く」ことが難しい仕様でした。そもそも足の速い選手でも後ろから走ってくるDFに追いつかれてしまうなど、全体的に守備側が有利な仕様だったのです。攻撃側の戦略には閉鎖感があり、単にドリブルするだけでは楽しさを見出しづらかったように思います。
本作ではスキルムーブの追加とドリブルの強化によって攻撃の幅が広がり、ドリブルそのものを楽しめるゲームになっています。
ただ、前作の問題点でもあったのですが、DFを貫通してしまうドリブルだけは修正されることを祈っています(苦笑)。
「FIFA 21」ではクロスも強化されており、マンチェスターシティのケヴィン・デ・ブライネ選手のような高速クロスや、リバプールのトレント・アレクサンダー=アーノルド選手のようなピンポイントのアーリークロスを上げることができるようになりました。
前作ではクロスを上げてもゴールに結びつくことが非常に少なかったので、クロスを上げること自体忘れてしまったプレーヤーも多いと思います。クロスからのゴールが決まらないと、守備を固められてしまった時に点を取ることが難しくなりますし、DFからすればドリブルかパスしかしてこないので、ゴール前も守りやすい仕様だったのです。
今作ではクロスが強化されたのでクロスからのゴールも狙えるようになり、前作よりも攻めやすい仕様になりました。この仕様変更は1on1よりも、以前紹介した「プロクラブモード(11on11)」のようにプレーヤー同士の連携が必要になるモードをメインにプレーしている方にとって嬉しい変更だと思います。
他にも細かな仕様の変更はあるのですが、今回は私的に重要だと思った変更点をピックアップして紹介しました。めちゃくちゃ簡単にまとめると「全体的に攻撃が強化されて、守備が難しくなった」ということです。プレーし始めたばかりですが、前作よりも点差が開きやすいゲームになった印象です。
余談ですが、システム面の新たな追加要素としてFUTにCo-op(協力)モードが追加されました。フレンドと何試合か遊んだのですが、FUTモードのCo-opは盛り上がりますし、かなり面白いのでお薦めですよ。Co-opについても、いつか詳しく紹介できればと思います。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました! みなさんも、楽しいFIFAライフを送ってくださいね。
プロゲーミングチーム「CYCLOPS athlete gaming」のFIFA部門所属。「FIFA 10」よりシリーズをプレー。始めてからはクラブモードを中心にプレーし、1on対戦に熱を入れ出したのは「FIFA 16」から。
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