はじめまして、プロゲーミングチームSunSisterのVALORANT部門「SunSisterDive」に所属しているA1tmaN(@A1tmaN4REAL)=あるとまん=です。少しでも色んな人に自分がプレーしている「VALORANT」の良さや楽しさを共有できたらと思い、記事を書きました。

「VALORANT」は様々なエージェントを操作するFPSですが、最近少し変わったルールのリーグが開催されました。その名も「A.W EXTREME MASTERS Pro Invitational」。国内強豪の16チームが招待されて行われている「VALORANT」の大会で、上位4チームは賞金とともに「A.W EXTREME MASTERS」アジア大会への参戦枠を獲得できます。

この大会の大きな特徴が「エージェントのBAN制度」です。このルールが戦略にどのような影響を与えるのか、そして大会の見どころはどこなのか、紹介したいと思います。

「エージェントBAN制度」で生まれる試合前の駆け引き

「Ban(ばん)」は英語で「禁止する」などの意味があります。エージェントBAN制度は、特定のエージェントを禁止する、つまり使えないようにするルールのことです。

「VALORANT」の大会ではMAPと先行後攻の選択権をかけたナイフラウンドを行います。「A.W EXTREME MASTERS」では、ナイフラウンドの後にそれぞれのチームが「BANするエージェント」を1体ずつ選択するのです。ポイントとなるのは、選ばれた2体のエージェントが両チームとも使用不可になることです。

ここでの駆け引きがBAN制度の大きな魅力です。例えば、オーメンはどのチームでもよく使用されているのでBANすれば相手の戦略を崩せるかもしれませんが、自分たちのチームも使い勝手のいいエージェントを欠いた戦略を立てる必要が出てきます。

相手チームのエースプレーヤーが得意とする、もしくは相手の作戦の軸になるエージェントの中から、自チームでは使っていなかったり、いなくても作戦に影響が少ないエージェントをBANしなくてはなりません。

手札が封じられる前提で戦略を練る

使用率が一番低いヴァイパーのUltを使って待ち構えるSkyfull選手

今のEpisode Act2だと「VALORANT」にはエージェントが12体存在し、その中からチームのスタイルや作戦に合わせて5体のエージェントを選ぶことになります。クラス(ロールとも)の異なるエージェント毎に様々な特殊能力「アビリティ」があるので、攻撃や防御などのバランスが取れた構成で試合に臨みます。

ただBAN制度があると、普段自分たちがよく使うエージェントがBANされることを想定して練習しなくてはなりません。

例えば「ソーヴァ」というエージェント。

ソーヴァは「リコンボルト」などで敵の位置を特定できるので、サイトなどに攻め入るときにチームメンバーが有利に撃ち合えます。つまり、より安全にエリアを確保できるようになるのです。サポートに特化したアビリティばかりですが、「スプリット」というマップ以外ではピック率が6割以上と高めのエージェントです。

よく使われるソーヴァがBANされたとき、実際にどのような駆け引きが生じるのか、こちらの試合のワンシーンを観てみましょう。

A.W EXTREME MASTERS ROUND2 Day10、SCARZZ vs. Absolute JUPITERの試合

バインドのBウィンドウはよくリコンボルトで索敵されるポイント。しかしこの試合ではソーヴァがBANされているので、隠れていても見つかる心配はありません。奇襲がしやすい状態でのショットガンはとても強力で、Bウィンドウ内に入ってきた敵を壊滅させることも可能です。

箱の裏でジャッジを持って身をひそめるSCARZのryota-選手。隣のサイファー(Npoint選手)が囮となり、ウィンドウに入ってきた敵を倒す作戦なのでしょう。

しかしJUPITERにオーメンのパラノイアで視界を奪われ、ジェットのテイルウィンドで入り込まれます。こうなると、SCARZ側が盾にできるのは木の箱のみ。アサルトライフルで箱を抜かれ、為す術もなく倒されてしまいます。

ショットガンでの待ち伏せは、ソーヴァが居ないことを前提にした作戦でした。しかし索敵できない状態でどうBウィンドウを取るか、JUPITERが一歩踏み込んだ作戦を用意していた強さを感じられる場面でした。

海外チームの戦略に適応できるのか!?

このように、「A.W EXTREME MASTERS Pro Invitational」では使えなくなったエージェントの穴をどう突くか、他のエージェントを使ってその穴をどう埋めるのか、BAN制度があるからこその駆け引きが発生します。使用できるエージェントの制限を受けながら、選手たちはどう戦っていくのかが、この大会の一番の見どころです!

大会に興味を持ってくださった方は、公式のYouTubeまたはTwitchチャンネルから配信のアーカイブを視聴できます。普段はBAN制度無しの大会を観ているという方も、面白い発見があるかもしれません。

そして、10月9日から「A.W EXTREME MASTERS」アジア大会のグループステージが始まります。国内トップ4チームがアジア各国の強豪チームと対戦するので、ハイレベルな戦いになることは間違いありません。

海外チームはプレースタイルが日本と全然違ったりするので、国内チームがその差にどこまで適応できるのか。また、日本トップチームのプレースタイルが海外チームにどこまで通用するのか! 日本と海外のチームが大会で相まみえる機会はあまりなかったので、どんな展開になるか僕も楽しみです!

A1tmaN

プロゲーミングチームSunSisterの「VALORANT」部門、SunSisterDive所属。IGL(インゲームリーダー)を務めている。「VALORANT」ではブリーチやオーメンなどのサポート系のエージェントを使うことが多い。

■「VALORANT」実績
BoG VALORANT TOURNAMENT 優勝
VALORANT Xross Cup 3 優勝