V3は2017年に発足したチームで、2部リーグ「LJL Challenger Series(LJL CS)」からスタートしました。2018年には1部リーグに所属していたBurning Coreに入れ替え戦で勝利を収め、LJLへ昇格。2019年、リーグの仕様変更で1部制になった後もチームは残り、同年のSummer Splitでプレーオフ2位と大躍進を遂げます。

しかし、絶対王者・Detonation FocusMe(DFM)に優勝を阻まれ、2019年夏、2020年春と2期連続で苦汁を飲まされました。迎えた今年のSummer Split。圧倒的な成長を遂げたV3はレギュラーシーズン12勝2敗の成績で1位通過。プレーオフ決勝では因縁の相手DFMを破り、見事LJL初優勝を成し遂げたのです。

日韓の融合が生み出すチーム力

V3 Esportsの選手たち

そんなV3のメンバーを紹介します。TOP・Paz選手、JUNGLE・Bugi選手、MID・Ace選手、ADC・Archer選手、SUPPORT・Raina選手、以上がSummer Splitを戦い抜いた5人の選手です。Spring Splitからの選手変更はなく、1年を通して同じメンバーで戦ってきました。

Paz選手は安定したレーニングが持ち味。プレーオフではサイオンを使い「スワップ戦術」で相手BOTレーンと対峙しましたが、大きな不利を背負わずに集団戦で存在感を出しました。チーム内唯一のLJL優勝経験者で、精神的支柱として他の選手を支えています。

Bugi選手は韓国人選手で、ダメージを出すキャリータイプのチャンピオンを選択する試合が多いです。プレーオフではリリアのEを的確に当てるなど、スキル精度の高さも特徴です。

Ace選手はメイジからアサシンまで、幅広いチャンピオンプールを持ちます。レーンを有利に進めることで、Bugi選手が動きやすい環境作りをサポートします。

Archer選手はBugi選手と同じ韓国人選手です。カリスタやアッシュを得意とする選手で、エンゲージを得意とするRaina選手との相性は抜群です。

Raina選手はエンゲージが得意です。スレッシュやノーチラスといったフック系サポートから、セトやパンテオンといったファイター系サポートまで多彩なチャンピオンで相手をキャッチします。

Bugi選手、Archer選手、Raina選手は今年加入しており、メンバーだけで見るとまだ新しいチームと言えるでしょう。チームの特徴としては、Bugi選手を起点にオブジェクト獲得やキルを狙うことで、序盤から相手とのゴールド・経験値差を付けて試合を有利に運びます。プレーオフではTOPとBOTでの「スワップ」を見せるなど、新しい戦術も取り入れて戦うことのできる柔軟性も持ち合わせています。

「言いたいことを言える環境」が強さにつながる

V3 EsportsのPaz選手

Summer Splitを通して圧倒的な力を見せたV3ですが、メンバー間の考えの行き違いから試合後には口論が起きてしまったこともありました。しかし、Paz選手は「優勝できたのはレギュラーシーズン1位通過できたからで、プレーオフで対策を立てやすかった。口論が起きても気持ちを切らさないで積み重ねで勝てたのが大きかった」と振り返ります。

同時に、優勝につながったチームの個性として「良いことも悪いこともなんでも言いあうことができる。変に気を使い合わない仲だから思ったことをストレートに言える。他のチームにはないのかな」とPaz選手。チーム内で口論が起きたとしても前向きにとらえ、着実に勝利を重ねていったV3はアツさと冷静さを兼ね備えたチームとも言えるでしょう。

レギュラーシーズンを3位で終えたSpring Splitとの違いについて、Ace選手は「(シーズン序盤に)負けなかった。かえって負けたくない気持ちが強くなった」。Raina選手は「自分達の強さを夏になってからどんどん押し出せるようになった。JUNGLEを中心として、レーナーがサポートしていくという形ができた」。

Paz選手は「お互いを理解しあえた、韓国人選手も日本語が上達したのもあってチームとして一丸になれた」と、時間が経つことでチームとしての「若さ」が払拭されて、精神面からプレーまで総合的に成長したことがうかがえます。試合や練習以外の場面では、新型コロナウイルス感染症の影響から、チームでそろって遊びに行くことなどはできなかったものの、韓国人選手のBugi選手やArcher選手も一緒に全員で韓国料理を食べに行くことも。こうした日常生活でのコミュニケーションも優勝の要因として言えるでしょう。

厚い信頼関係で誓う世界での躍進

V3 EsportsのAce選手

チームの雰囲気について、Raina選手は「上級生と下級生」と話してくれました。大人っぽさと子どもっぽさで分けたときに、上級生はPaz選手で、下級生はBugi選手、Ace選手、Archer選手、Raina選手となるそうです。

また、Paz選手とAce選手は「一人一人が個性的」。そう感じる瞬間については、大きいミスがあったとしても試合後にはプレーをいじりあう空気を挙げました。いじられることが多いAce選手は、「好きな人だからあまり気にならない」とコメント。こうした信頼関係の厚さがチームの武器と言えそうです。

Worldsでの目標について、Paz選手は「後悔ないプレーをしたい。そういうプレーが結果につながると思う」と話します。Ace選手やRaina選手も「一戦一戦を大切にして、まずはレーンで勝ちたい」とコメント。LJL覇者に満足することなく、V3 Esportsは「挑戦者」として世界の強豪と対峙します。

Worldsへ向けて

10月31日にFinalsが行われる予定の浦東足球場(Pudong Soccer Stadium)

TOP・Paz選手

「今回世界大会に出ることができたのは、プレースタイルを崩さずアグレッシブにプレーを続けた結果が実ったと思っているので、世界大会でも引き続きできたら理想と思います。V3が出ていないときから応援してくださった方や、結果が出てから興味を持ってくれた方、個人を応援してくださっている方など、色々なファンがいると思いますが、いつも感謝しています。世界大会で結果を残せるように頑張ります」

JUNGLE・Bugi選手

「世界大会でグループステージを必ず突破してみせます」

V3 Esportsのロゴマーク

MID・Ace選手

「世界に挑戦するのが初めてで、ワクワクしているので、良い成績を残せるように頑張るので応援よろしくお願いします。V3や自分のことを応援してくれている人や、Twitterなどで励ましてくれている人、いつも力になっています」

ADC・Archer選手

「グループステージで、マイナーリーグの1つであるLJLが弱くないということを証明したいと思います」

SUPPORT・Raina選手

「Aceと一緒で、世界大会は初めてなので、今回は日本を背負って戦うので緊張すると思いますが、あまり気負わずに『V3らしさ』で戦っていきたいです。ファンの皆さまの応援がなければここまでは来られていないと思います。世界戦も頑張ります」

(澤部衛)