パズドラプロリーグ出場の高校生プロゆわ「賞金よりも試合を楽しむことを大切にしたい」 TGSにも登場
TGS2019で行われた「パズドラチャンピオンズカップ」にも出場していたゆわ選手
23日からオンラインで始まった「東京ゲームショウ 2020 オンライン」(TGS2020 ONLINE)。26日午後6時から配信される「e-Sports X」では、「パズドラ」のプロ選手による大会「パズドラチャンピオンズカップ TOKYO GAME SHOW 2020 ONLINE」が開かれます。出場者の一人として注目を集める高校生プロのゆわ選手。ゲームとの出会いやプロ活動などについて聞きました。
「パズドラ」に触れて半年で大会出場
――まず、ゆわ選手のプレーヤー名の由来を教えてください。
本名です。小学生のときにムラコさん(パズドラ公式広報)のツイートを見るために、お父さんに「ゆわ」という名前でTwitterアカウントを作ってもらいました。最初は漢字だったんですけど、途中からひらがなに変えたんです。
――小学生の頃から「パズドラ」にハマっていたんですね。ちなみに、最初にプレーしたゲームは何ですか?
「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」だったと思います。幼稚園の時に家族でポケモンをプレーしていたんです。その他はジャンルを問わず、YouTubeなどを見て興味を持ったゲームをプレーしていました。家庭用ゲームが中心でしたね。
――「パズドラ」を始めたきっかけはなんでしょうか?
「パズドラZ」(※)を友達が持っていたので、プレーさせてもらったら面白かったんです。友達に「一緒にやってみない?」と言われたのですが、その時は「考えてみる」って言って帰りました。気になって「パズドラ」で検索したら、スマホ版が見つかったんです。スマホを持っていましたし、基本無料でプレーできるということで「パズドラ」をインストールしました。
※ニンテンドー3DS向けソフト。スマホ向けの「パズドラ」がもとになっている。
――「パズドラ」で好きなキャラクターを教えてください。
サクヤですかね。すごく好きというキャラがいるわけではないのですが、最初に入手したキャラで、ずっと使っていたこともあって選ぶならサクヤだと思います。「パズドラ名刺」も本当はサクヤを選びたかったのですが、すでに誰かが取っていたみたいでクシナダヒメにしています。
――大会に出ようと思ったきっかけは何でしたか?
最初に大会に出たのは、「パズドラ」をプレーし始めてから6カ月ほど経った頃でした。当時はタイムアタックなどができる「パズドラチャレンジ」も出ていました。
もともとは、「ガンホーフェスティバル」というイベント自体に行きたいと思っていたんです。お父さんが連れて行ってくれることになったのですが、イベントで大会も開催されるということを知ってせっかくだから出てみようと。そこから、大会に出場するようになりましたね。
――バスケで怪我をした状態で「パズドラ」の大会に出たこともあると聞きましたが……?
はい、怪我が治って2日ほどで大会に出たことがあります。治ったと言っても痛みはありましたし、やっと動かせるくらいでしたが……普段怪我することがなかったのでプロになってからもバスケを続けていたのですが、運が悪かったですね(苦笑)。
「焦っても仕方がない」冷静なプレーの裏側
TGS2019の大会では中学生ながら落ち着いたプレーを見せた
――普段はどのくらい練習していますか?
1日1時間するかしないか、くらいですね。「パズドラバトル」はもちろん、通常の「パズドラ」もプレーします。
――どのような練習をするのでしょうか?
パズル自体の練習はあまりせず、編成を考えることに時間を割いています。お父さんに作ってもらったシステムにデータを打ち込んで、そのシートをもとに編成を練っています。
プレーの練習を意識してやることはあまり無いですが、プレーの際は可能な限り大会の環境に合わせるようにしています。本当は、スマホも大会で使っている機種を用意したいのですが……画面の保護シートは大会のものと合わせています。タッチペンは使っていませんね。試したことはありますが、速度が落ちてしまうので指でプレーしています。
――環境を合わせて練習するということは、家でも立ってプレーしていたり……?
いえ、全然そんなことないです。逆に、大会中に座らせて欲しいなと思っています(笑)。軽くプレーする時は、横になったりもしますね。立ってプレーするのは大会くらいなので、寒さのせいなのか緊張のせいなのか分かりませんが、足が震えるときがあります。
――とはいえ、試合中の脈拍を見ていると非常に落ち着いているように見えます。
深呼吸をするようにはしています。多くの方に見られている場ですし、荒ぶらないように心がけています。
――反対に、焦りを感じる場面はありますか?
「パズドラ」は自分がミスをしないことが最善ではありますが、もちろんミスを起こしてしまうことはあります。ただ、焦ってミスをしてしまうよりも落ち着いて自分のやるべきことをやって、それで負けたら仕方ないと思ってプレーしています。試合中に勝負が決まるタイミングでは相手のミスを誘わないといけない「運要素」が強いこともあり、焦っても仕方がないと思っています。
――プロ活動についてですが、4月から高校に進学し、「ジュニアライセンス(※)」ではなく「JeSU(日本eスポーツ連合)公認プロライセンス」保持者となりました。活動を続ける上で、大きく変わったことはありますか?
※13~15歳かつ義務教育課程を修了していないプレーヤーを対象として、JeSUが発行するライセンス。
一番大きいのは、賞金がもらえるようになる部分なのですが、「とにかく試合を楽しみたい」と思っているのと学生であることもあって、あまり気にはしていません。それよりも、高校生になったのでお父さんとの関係が大きく変わるんじゃないかと思います。今まではイベントに同行してくれたり、ゲームプレー面での相談にも乗ってくれたりしたのですが、これからは頼らなくても大丈夫なようになりたいので。
大会よりも喋りと写真撮影が苦手?
TGS2019で開かれた大会で優勝し、話題となった
――将来の夢を聞かせてください。
ゲームに携わる仕事がしたいですね。「パズドラ」を小学生の頃からプレーしていて、ジュニアライセンスを頂いてプロとして活動してきたという貴重な経験があるので、今後も何かしらの形で関わりたいです。このまま選手活動を続けるのか、ゲームを作る側に回るのか、まだ決めてはいませんが。
――配信や実況解説などにも興味はありますか?
あるのですが、喋ることがあまり得意ではなくて……喋るのと写真撮影だけは本当苦手なんです。パズドラで対戦している時よりも、話しているときや写真撮っているときの方が緊張しているかもしれません(笑)。「パズドラ」のプレーは得意だから緊張しないのかもしれないですね。
――最後に、改めて「パズドラ」の魅力を教えてください。
「パズドラ」にはたくさんの要素があって、一概に「こういう人がすごい」と言えないのが面白いと思っています。パズル、チーム編成、編成の出し合い、スピード、スコアなど様々な要素があるので、色んな人が色んな楽しみ方を見つけられるゲームです。それぞれの要素の奥が深いので、考えることが好きな人はハマりやすいんじゃないでしょうか。