「ストリートファイター」シリーズを中心とした2D格闘ゲームで活躍し、「2D神」とも呼ばれるトッププレーヤー、マゴ選手。かつて青春を捧げたのは、今はなき伝説の格闘ゲーム大会「闘劇」でした。実力はあるはずなのに周りには認められない……。そんな「はぐれ者」が躍進を遂げた「闘劇」の裏側を聞きました。

「闘劇」に人生を踊らされた

――「闘劇」はマゴ選手が一躍有名になった大会ですが、どんな思い入れがありますか?

実は僕が格闘ゲームを始めた頃って、もう格ゲー全盛期ではなかったんです。既に新作が出るペースも落ちていて、公式全国大会の数もかなり少なくなっていました。

そんな中ですごく印象に残っているのが、友達に連れられて見に行った「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」(以下、CVS2)公式全国大会の決勝です。自分はその大会の予選には参加していたものの、当時はまだあまり実力がなく、決勝まで勝ち抜くことができませんでした。

トップ8まで勝ち抜いた選手たちはいずれも有名な選手たちで、オオヌキ選手もいました。試合前に自信満々のコメントをして、いざ試合が始まると早い展開と正確なプレーで相手を圧倒する……。結局その大会はオオヌキ選手が圧倒的な力の差を見せて優勝したのですが、その圧勝ぶりにとても感動したのを覚えています。

インタビューに答えるマゴ選手(撮影・志田彩香)

実は、それもきっかけとなって「新宿モア」(※)に通うようになったんです。自分もいつか大舞台に立ちたいという気持ちだったのですが、「CVS2」の公式大会はあれが最初で最後でした。

※かつて新宿にあった、格闘ゲーマーたちの聖地ともいえるゲームセンター

それから自分にある程度実力もついてきて、力試しをする場所が欲しかったのに、全国大会は開催されない。もどかしい気持ちでいた時に「闘劇」の開催が発表されました。

今振り返ると、本当に「闘劇」に踊らされた人生だと思います。開催発表を見てからというもの、もの凄いモチベーションでひたすら「闘劇」のために練習していましたからね。

インタビューに応じるマゴ選手(撮影・志田彩香)

仲間と共に成し遂げた、初の全国大会優勝

――第2回「闘劇」で優勝されたわけですが、当時はどんな気持ちでしたか?

第1回「闘劇」はシングル戦で、ときど選手が優勝したんです。自分はその大会で思うように実力が出せず「リベンジのため、どうか第2回もあってくれ」と悔しい思いでいっぱいでした。それだけに、第2回が発表された時には相当テンションが上がりましたね。

しかし第2回「闘劇」は3on3のチーム戦に変更され、チーム作りが課題となりました。僕は「新宿モア」の中ではまだまだ新参者でしたから、周りには僕を認めていない人も多かったんです。強いプレーヤーは誰も僕と組もうとしませんでした。

でも、僕は金デヴ選手とサワダ選手に出会いました。二人はそれぞれ愛知、大阪のプレーヤーで、東京に遠征に来ていた時に出会ったんです。二人とも自分と年が近く、自分と同じような悩みを抱えていました。モチベーションも実力もあるのに周りに認められず、チームを組めないでいる。ある意味「はぐれ者」の三人で意気投合して、チームを組むことになったんです。

東京、愛知、大阪の若手プレーヤーがチームを組む。数あるチームの中でも異色だったと思います。

――練習は別々にされていたんですか?

結成が決まってからしばらくは各々の地元で練習して、大会の2ヶ月前から金デヴ選手とサワダ選手が東京に来て共同生活を始めました。

それからは毎日モアに行って対戦して、帰ってくれば家庭用のトレーニングモードで研究する、というサイクルを繰り返していました。がむしゃらに練習していくうちに、気づけば大会前には三人全員がモアでもトップレベルのプレーヤーになっていました。

練習の甲斐もあって、闘劇では見事優勝することができました。これが僕にとって初の全国大会優勝となるわけですが、練習が報われたという気持ちや、仲間と目標を成し遂げたという気持ちで本当に嬉しかったですね。

あの瞬間があったからこそ、僕は今こうしてプロとして活動していると思います。

「ストリートファイターV」について

「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の『ストリートファイターII』において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計4,500万本(2020年6月末時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。。登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStation®4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。

ストリートファイター公式サイト