「STAGE:0」全国決勝に臨む大友美有さん モデルと両立でめざすN高のLoL連覇
N高校のユニフォームを着た大友美有さん
高校生のチームで日本一を争う高校対抗eスポーツ大会「STAGE:0」(ステージゼロ)の全国大会である「決勝大会」が19~22日にオンラインで開かれます。5対5の対戦型PCゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)部門で、九州・沖縄ブロック代表はN高校(沖縄)。この大会の初代王者であり、昨冬の第2回全国高校eスポーツ選手権でも優勝した強豪です。そのチーム核となる選手が3年生の大友美有さん(18)。モデルとしても活動するバイタリティーの持ち主です。決戦を前に、意気込みを聞きました。
――ゲームとの出会いはいつごろですか?
母がゲーマーだったので、5歳か6歳のときにPCのゲームに触れたのが最初です。タイトルは「ラグナロクオンライン」だったと思います。
――LoLを始めたきっかけを教えてください。
中学2年のとき、気になる人がLoLをやっていて、やろうよって誘われて始めました。でも、もうその人はLoLはやっていないと思います。
――プレーヤーネームのShakeSpeare(シェイクスピア)の由来は?
格好いい感じの名前が好きなので、「偉人 格好いい名前」で検索したら、シェイクスピアさんが出てきて。「ロミオとジュリエット」などの作品も知っていたので、名前をお借りしました。
身長163センチですらっとしたスタイルの大友美有さん
転校すれば優勝できると思った
――N高に転校したのはLoLが理由だったのですか?
高校生大会にどうしても出たくて。大会の存在を知ったのが高校1年生のときで、同じ高校から5人集めないと出場できなかったのです。
それを知ったときは、N高はまだ優勝していなかったのですが、私が入ったら絶対優勝できるんじゃないかな、と思って高校2年生のときに行きました。
――では、昨冬の全国高校eスポーツ選手権での優勝は格別だったのでは?
決勝の1試合しか出ていないのですが、すごくうれしかったです。でも、心の中では慢心していたというか、戦う前までは、気持ち的に余裕かましてたんですよ。
でも実際は思ったよりも余裕がなく、ギリギリの戦いをしちゃうとは思っていなくて。焦っていた部分もあったので、優勝できたのは本当にうれしかったです。
――優勝して、周囲の反応は変わりましたか?
母や父がもっとLoLに興味を持ってくれたのと、周りからは普通に「すごい」とほめられて。LINEがたくさん来ました。
インタビューに応じる大友美有さん
頑張らないと後輩に示しがつかない
――stage:0の九州・沖縄ブロック代表決定戦決勝戦では大活躍でしたね。
配信で見たら、意外と活躍していました(笑)。
――大友さんの得意なチャンピオンばかりバンされていましたが、警戒されていると思いましたか?
N高のリーダーぷりも選手が警戒されていると思っていて、自分の得意なキャラクターがバンされるなんて思ってもいませんでした。3体もバンされたときには本当にビックリして、「え、何このバン?」って思っていました。
――序盤から積極的に仕掛けていたのは、作戦だったのですか?
他のレーンに比べるとBOTレーンはランクの差があったので、BOTで有利を作っていこうと思って仕掛けていきました。
――得意なチャンピオンを隠していたのですか?
隠していたというより、頑張って広げたという方が近いと思います。バンされた得意なキャラクターは、味方を援護するキャラクターでした。これまで、他のキャラクターは一切使えなかったのですが、大会に向けて、新しく後輩が入って来たりみんなも頑張っていたりするなか、自分も頑張っていないと後輩に示しがつかないなと思って。
頑張ってチャンピオンの幅を広げました。成長したと自分でも思っています。
――ブロックを制してどんな気持ちでしたか?
決勝前に手が震えていて、バンのときに震えすぎて選べなくて。思っていたのと違うキャラをバンしてしまいました(笑)。そういうレベルで緊張していたので、勝てて安心しました。
――クラッシュ・ロワイヤル部門でもN高が決勝大会に進出しています。刺激になっていますか?
なります。N高は他の通信制高校と比べると、自由時間が多いと思うんです。その分、自分のやりたいことに時間を注いで結果を残すことが出来ています。自分も、今回も優勝しないとなという気持ちになります。
女子の一番であり続けるために 狙う優勝
モデルとしても活動する大友美有さん
――楽しそうに試合をしているのが印象的です。N高のメンバーと一緒に試合をするのは楽しいですか?
全員、仲がいいので。でもその分、試合中にふざけちゃったりして、言いたいことを話しきれないこともあります(笑)。
――モデルと二足のわらじの生活です。大変なことは?
練習もしたいけど、取材を入れてもらっていたりしますし。チームでリアルに同じ場所に集まって練習する機会があるのですが、個人的には化粧をする時間とか身支度をする時間とか、全部ゲームに回したいんです。集まって練習するのはうれしいんですけど、身支度がちょっとやだなあ、という気持ちがあります。
――決勝大会に向けて意気込みを聞かせてください。
配信を見ていたら、「魔王」と呼ばれていました(笑)。「魔王」の座を譲らないためにも、女子の一番で居続けるためにも今回のstage:0で優勝するので、応援よろしくお願いします!
(撮影・斎藤恵祐)
大友美有
おおとも・みゆう 2002年8月生まれ、埼玉県出身。スターダストプロモーション・ゲーム事業部に所属。「女子高生ミスコン2019」でファイナリストに選ばれ、モデル活動とともにeスポーツに力を入れる。第2回全国高校eスポーツ選手権のLoL部門で優勝し、プロゲーミングチーム「Rascal Jester」に練習生として加わっている。
「STAGE:0」
同じ高校内のチームで日本一を争う、高校対抗eスポーツ大会。クラッシュ・ロワイヤル、フォートナイト、LoLの3部門がある。昨年の第1回大会は、全国の高校1475校から1780チーム・4716人が参加。配信視聴者数は約136万人だった。第2回大会の今年はオンライン形式での開催。8月のブロック代表決定戦、9月19〜22日の決勝大会で、日本一を決定する。今年は1779校から2158チーム・5555人がエントリーした。
大友美有さんが語る