高校生のチームで日本一を争う高校対抗eスポーツ大会「STAGE:0」(ステージゼロ)の頂点を決める決勝大会が19~22日に開かれます。5対5の対戦型PCゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)部門で、関東ブロックの代表になったのはクラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパス「Yuki飯食べ隊」と、東京都立国際高校「Team Alt+F4」の2チーム。クラーク記念国際はもう1チームが決勝に進みましたが、同時出場とはなりませんでした。

関東ブロックは出場チーム数が多いため、決勝大会出場枠は2枠用意されています。トーナメントのブロックも2つに分かれており、ブロックごとに代表決定戦が行われました。20~21日に予定されるLoL部門の全国の舞台の決戦を前に、強豪チームがしのぎを削った戦いを解説します。

「運命の調律」が決め手 クラーク記念国際高校の勝ち筋

関東①ブロック 代表決定戦

勝利 クラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパス「Yuki飯食べ隊」
敗退 ルネサンス高校「野菜鶏檸檬味」

関東①ブロックの代表決定戦は、ルネサンス高校「野菜鶏檸檬味」と、昨冬の全国高校eスポーツ選手権の準優勝校であるクラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパスのAチーム「Yuki飯食べ隊」が対戦。実は、ルネサンス高校のエース・がんばるゾーイ選手は元チームメイト。「Yuki飯食べ隊」を知り尽くした選手によって、全国準優勝校と言えどそう簡単には勝たせてくれないでしょう。

対するクラーク記念国際高校は、昨年の同大会ブロック代表決定戦で敗退。今年は敗れた相手にリベンジを果たしての決勝進出と、優勝への思いも実力も申し分ないチームです。

関東①ブロック代表決定戦のバンピック

クラーク記念国際高校は守備的なチャンピオンで構成を組みました。Bo1(1試合先取)という性質上、一つのミスが命取りとなります。セナやガリオといった、窮地に陥っても遠距離からサポートできるチャンピオンをピックすることで、ミスしても補いやすい構成を選択しました。不足しているエンゲージ力はバードで、ダメージの低さも継続戦闘力の高いエイトロックスやグレイブスでカバーしました。

対するルネサンス高校は超攻撃的なチャンピオンであるヤスオをピック。加えて、強烈な行動不能スキルを持つチャンピオンで固めることでどこからでも相手を捕まえ、集団戦ではヤスオがダメージを出せるような環境を整えられる構成を組みました。

一進一退の攻防が続いたものの、均衡を破ったのはクラーク記念国際高校でした。ダメージディールを担うヤスオとアッシュにゴールドを集めたいルネサンス高校に、クラーク記念国際高校・siroshi15選手(鬼島至雄君)が扱うバードのRスキル「運命の調律」が襲います。

「運命の調律」は、スキル範囲内の味方・相手・オブジェクト全ての動きを止める行動妨害スキル。離れた場所からも的確に当て、何度もキャッチに成功します。人数差ができた後はドラゴンやタワー、バロンなどのオブジェクトを獲得し徐々に差を広げました。

教えてくれたコーチに恩返しをしたい

最後の集団戦、ルネサンス高校のアッシュとヤスオを止め続けたクラーク記念国際高校が勝ち切った

最後は総力戦でした。強力なバフを得られるエルダードラゴンをめぐり、両チームとも睨み合いが続きます。その間にクラーク記念国際高校・ponkotu23選手(山田捷斗君)はTOPのインヒビターを破壊。耐えかねたルネサンス高校がドラゴンを攻撃し始めたため、ponkotu23選手もテレポートで寄り、5対5の集団戦が始まりました。

集団戦はクラーク記念国際高校が一枚上手でした。siroshi15選手のバードによる「運命の調律」とイグゾースト、ガリオの行動妨害スキルで徹底的にヤスオとアッシュを止め、ルネサンス高校によるダメージ量を減らすことに成功。セナによる回復やシールドの影響もあり、4人が生き残る結果となりました。そのままルネサンス高校のネクサスを破壊して、クラーク記念国際高校の勝利となりました。

試合後のインタビューで、リーダー・Funahwi選手(大村尚君)は、決勝大会に向けて「夏休みを無駄にしないという気持ちを持って、教えてくれたコーチの方々にお礼をするつもりで取り組みたい」とコメントしました。

決勝大会を目前に、改めて意気込みを聞くと、「冬の選手権に続き全国大会に駒を進めることができました。今回の関東ブロックは去年勝つことができなかった朋優学院や元チームメイトのいるルネサンス高校など、僕たちと関りのある学校が多かったので様々な想いを持って試合に臨みました。一試合一試合を通じて自分たちがとても成長しているように思います。今回の全国大会出場は僕らの想いだけでなく関東ブロックで敗れてしまったチームの分も背負って戦いたいと思います。皆様応援よろしくお願いします」と話しています。

これぞプロテクトADC! 都立国際の作戦

関東②ブロック代表決定戦

勝利 東京都立国際高等学校「Team Alt+F4」
敗退 クラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパス「Sesa飯食べ隊」

関東②ブロックの代表決定戦は、クラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパス「Sesa飯食べ隊」と、東京都立国際高等学校「Team Alt+F4」が対戦しました。「Sesa飯食べ隊」は、クラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパスのBチームで、今年の2月からLoLを始めたibukinex選手(知久伊吹君)や大会初出場の選手など、新進気鋭のメンバーが揃っています。対する都立国際高校は、エース・KobiTo選手が作ったLoLの紹介動画を見て始めたメンバーで構成されており、KobiTo選手のリーダーシップが求められます。

関東②ブロック代表決定戦のバンピック

チーム構成について都立国際高校は「プロテクトADC」構成を選択しました。エースのKobiTo選手が扱うヴェインは、チャンピオンが150体いるLoLの中でも随一のダメージキャリーです。同時に操作難易度が高いことでも知られています。他に前衛を担えるサイオンとセト、シールドや回復によってサポートできるバードとカルマを選択することで、ヴェインを徹底的に守り、支える構成となりました。

対するクラーク記念国際高校は、前衛を2人、ダメージを出すチャンピオンを2人、サポート1人としたオーソドックスな構成を選択。都立国際高校のKobiTo選手が扱うヴェインをいかに止められるかが鍵となる構図でした。

都立国際高校の「スワップ」戦術

試合開始早々、都立国際高校が動きます。都立国際高校のBOTレーンは射程の短さから序盤に弱いヴェインと、行動妨害スキルの使用が難しいバード。対してクラーク記念国際高校のBOTレーンは、マークスマンで一番射程が長く序盤に強いケイトリンと、プッシュ力と行動妨害スキルが強力なモルガナの最強コンビです。

まともに戦えば不利を背負うマッチアップを避け、都立国際高校は初めからTOPとBOTでレーンを入れ替えました。作戦は功を奏し、クラーク記念国際高校のTOP・レネクトンを2度キルすることに成功。6分時点でヴェインが2キルを持ち、TOPレーンの有利からリフトヘラルドの獲得に繋げました。リフトヘラルドをTOPタワーにぶつけることでエース・KobiTo選手のヴェインに更にゴールドを集めます。

開始から17分、迎えた初の集団戦で「プロテクトADC」構成が猛威を振るいます。サイオンとセトがクラーク記念国際高校の後衛チャンピオンの気を引き、ダメージを出させないようにゾーニング。その間にカルマとバードにサポートされながらヴェインがダメージを出し続けてトリプルキルを獲得しました。ヴェインの成長を加速させるという、都立国際高校の思惑通りに試合が進みます。

全国でも奇抜な攻めを見せたい

最後の集団戦、都立国際高校・KobiTo選手のヴェインは最後までダメージを出し続けた

その後の集団戦においても、クラーク記念国際高校の攻撃は前衛2人とサポート2人に阻まれてヴェインに届くことはありませんでした。最後の集団戦では、都立国際高校・Kaochin選手が扱うバードのRスキル「運命の調律」でクラーク記念国際高校のネクサスタワーを停止させ、セトとサイオンがエンゲージ。KobiTo選手のヴェインがダメージを出し切って都立国際高校「Team Alt+F4」の勝利となりました。

試合後のインタビューで、KobiTo選手は勝因について「Bo1という試合形式において、作戦勝ちです。(全国大会でも)このまま奇抜なことをやっていきたいです」と語りました。
KobiTo選手がデスすればダメージ不足で負ける諸刃の剣ともとれる構成で、お互いを信じて試合を勝ち切った都立国際高校。全国の舞台でも、セオリー通りではない相手をかく乱する試合運びを見せてくれるでしょう。

LoL決勝大会は20、21日

「STAGE:0 2020 決勝大会」では、19日にフォートナイト部門、20日と21日にLoL部門、22日にクラッシュ・ロワイヤル部門の試合を行います。配信チャンネルは以下の通りです。

「TOKYO eSPORTS HIGH!」YouTubeチャンネル

「有吉ぃぃeeeee!」YouTubeチャンネル

「STAGE:0」公式Twitter

「テレビ東京」公式Twitch

「スポーツブル」

「STAGE:0」

同じ高校内のチームで日本一を争う、高校対抗eスポーツ大会。クラッシュ・ロワイヤル、フォートナイト、リーグ・オブ・レジェンドの3部門がある。昨年の第1回大会は、全国の高校1475校から1780チーム・4716人が参加。配信視聴者数は約136万人だった。第2回大会の今年はオンライン形式での開催。8月のブロック代表決定戦、9月19〜22日の決勝大会で、日本一を決定する。今年は1779校から2158チーム・5555人がエントリーした。

(澤部衛)