九州のeスポーツ界が「てげ熱い」! プロもアマも地域に根ざした宮崎に注目を

eスポーツは地域を選ばないことが魅力の一つです。2019年の茨城国体の文化プログラムではeスポーツ大会が開かれ、全国から選手が参加しました。今年は新型コロナウイルスの影響を受けていますが、今後は各地で盛り上がりが期待されます。九州もその一つです。宮崎を拠点にeスポーツイベントの開催などに関わる大学生、吉松大志さん(21)が「九州のeスポーツの熱さ」を報告します。
eスポーツは地域を選ばないことが魅力の一つです。2019年の茨城国体の文化プログラムではeスポーツ大会が開かれ、全国から選手が参加しました。今年は新型コロナウイルスの影響を受けていますが、今後は各地で盛り上がりが期待されます。九州もその一つです。宮崎を拠点にeスポーツイベントの開催などに関わる大学生、吉松大志さん(21)が「九州のeスポーツの熱さ」を報告します。
eスポーツのイベントやプロゲーマーの話題になると、どうしても東京や大阪といった都会に目を向けがちではないでしょうか。しかし、九州はeスポーツ界でも屈指の注目エリアになっていると言えます。
福岡は2019年1月に開かれた格闘ゲームの祭典「EVO JAPAN 2019」の会場となり、多くの格闘ゲーマーが福岡に集結しました。プロゲーミングチーム「福岡ソフトバンクホークス ゲーミング」や「Sengoku Gaming」は福岡を拠点にしています。
また、昨年の第2回全国高校eスポーツ選手権「ロケットリーグ」部門の優勝校は、大分・鶴崎工業高校でした。優勝賞品であるカップラーメン1年分を手にした彼らは、カップラーメンで腹を満たしつつ、きっと第3回大会に向けた準備を進めていることでしょう。
鹿児島では、今年は国体が予定され、茨城に続いて文化プログラムとしてeスポーツ大会が計画されていました。新型コロナウイルスの影響で、国体文化プログラムとしては中止になりましたが、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」として引き続き開催準備が進められています。
さて、そんな九州の中で、私が暮らす宮崎もeスポーツが徐々に盛んになってきています。宮崎に拠点を置くマルチプロゲーミングチーム「Fiveness esports」(以下、FVS)は主に「レインボーシックス シージ」(R6S)に力を入れて活動しています。
2020年1月には、FVS主催のR6Sオンライン大会「Fiveness JAPAN CUP」が開かれました。総勢96チームがエントリーし、中には「CYCLOPS athlete gaming」や「Unsold Stuff Gaming」といったプロチームも参戦しています。私自身、eスポーツ大会を開催したことがありますが、この規模になると、よほどの行動力と熱量がなければ成し遂げられません。
さらに、6月にはVALORANTオンライン大会も開催され、こちらも「AKIHABARA ENCOUNT」や「JUPITER」といった名だたるプロチームが参戦しています。賞品には宮崎ならではの特産品を提供することでチームのPRを行ってきており、地域に根ざしたマルチプロゲーミングチームなのも特徴です。
プロチームによる宮崎eスポーツ界の盛り上げがある一方で、アマチュアによる地元発のeスポーツコミュニティーにも注目しています。
宮崎には「てげてげスマッシュブラザーズ」、略して「てげブラ」という、大乱闘スマッシュブラザーズのコミュニティー大会を開催する団体があります。「てげ」とは宮崎弁で「とても」という意味です。
2018年に宮崎大学で学生主催のスマブラ大会が行われました。それをきっかけに社会人も運営に参加し、いまでは50人以上が集まるようになっています。てげブラが主催する大会には、スマブラ専門SNS「スマメイト」で上位ランカーを走るプレーヤーも参加したことがあります。
しかし、新型コロナウイルスの影響でオフラインのイベントは開催できなくなりました。それでも、不定期ではありますが「てげブラ」はオンライン大会を開催し、これまでのつながりを保ち続けています。
宮崎のeスポーツ界は、常にベースにコミュニティー作りが意識されている印象を受けます。eスポーツ自体、コミュニティーが無ければ成り立たないカルチャーではありますが、特に宮崎では、人とのつながりを大事にしながら成長していると感じます。
宮崎も含め、九州におけるeスポーツの発展にこれからも注目をしていきたいと思います。
1999年生まれ。宮崎大学の学生だが、地方からeスポーツを推進するために休学中。大学1年から自らeスポーツ大会を企画・開催してきた。好きなゲームジャンルはFPS。最近はOVERWATCHとVALORANTにハマっている。エイムを磨くためaim labで練習するも、その実力の無さに落胆する日々を送る。