DetonatioN Gaming Shadowverse部門のSpicies(スパイシーズ)です。チーム「au デトネーション」に所属し、「RAGE Shadowverse Pro League」(RSPL)で戦っています。1999年生まれ、奈良県出身です。現在は上京して東京大学に通いながら活動しています。

学生との兼業ということで、時間的に不利な面はありますが、勉強はなるべく要領よく済ませ、Shadowverseにも集中して取り組むことで量の差を質で埋めることを意識しています。

少年時代は「ゲームは毎日30分」

Spicies選手の配信画面から

小学校の高学年になって自分のゲームを買ってもらえるまでは、ゲームは友達の家に行ったときや、ゲームを持つ親戚がたずねてきたときにだけ遊べるものでした。自分のゲームを手にしてからも、最初は「1日30分」のルールがありました。しかし、その「1日30分」を欠かしたことが一切ないくらいゲームにハマっていた気がします。

高校に進み、自由にゲームをできるようになって最初にやり込んだゲームは「スプラトゥーン」でした。1年間で1000時間以上はプレーし、ここで対戦ゲームにどっぷりハマりました。今では続編の「スプラトゥーン2」をたまに遊ぶ程度ですが、ゲーム内のアイドル「シオカラーズ」が「Spicies」の名前の元になっています。

Shadowverseと出会う

「スプラトゥーン」を1年ほどやりこみ、最高ランクである「S+99」に到達するなど、ある程度は上達したのですが、動画などで見る最上位のプレーヤーと比べると、特にエイム力(瞬間的に敵に照準を合わせる力)が劣っており、読み合いや立ち回りといった他の要素で補うにも限界があると感じていました。

そんなとき、2016年6月にリリースされた「Shadowverse」と出会いました。最初は、たまたま当たった「ダークドラグーン・フォルテ」を軸にした攻撃的なドラゴンクラスのデッキを使うなど「自分で考えたデッキで楽しむ」という遊び方でした。ただ、それ以前に「ハースストーン」をプレーしてカードゲームに慣れていたおかげもあってか、面白いように勝つことができました。

リリースから1週間ほど遅れて開始したのですが、気づけばゲーム内ランキングに載るほどまでやり込んでいました。また、コミュニティー大会出場のためにTwitterを始めると、アマチュアチームに入って情報共有ができるようになりました。この結果、デッキ構築やプレーイングの議論に参加して実力をつけていきました。

「強さ」よりも「上手さ」を求めて

Spicies選手

Shadowverseを続けるうちにある程度自分の名が知れ、強いプレーヤーとして認知されるようになりました。ただ、当時は公式大会である「RAGE Shadowverse」の参加資格が18歳以上だったので出場できず、実戦の機会に恵まれない状態でした。

転機になったのは、2017年4月に非公式マッチングシステム(Ratings for シャドウバース)が登場したことです。数十戦~数百戦単位でBO3(二つの異なるデッキを使用し、両方のデッキで勝利する必要がある2本先取)を行い、レーティングを算出します。数戦で優勝を決める従来の大会では運要素に隠れて見えづらかったような、長期的な勝率を測れるようになりました。

当然自分もやり込んだのですが、ランダムマッチと異なり実力者と多く当たることもあって、最初は思ったよりも勝つことができませんでした。そこで「もっと勝てるようになりたい」と思ったので、より無駄のない構築、期待値の高いプレーイングができるよう努力しました。

その甲斐あってだんだん勝率は向上し、複数期間の順位から算出したポイントの上位16人が参加できる大会(Ratings Final)に出場することもできました。この経験を通して、短期的な勝敗に一喜一憂せず、長い目線で少しでも勝率を高めることを大切にする、「強さ」より「上手さ」を追求する価値観が身に付きました。

大会で実績を積み、プロ入り

RSPL2018セカンドシーズン優勝時にチームのメンバーと (C) RAGE (C) Cygames, Inc.

高校生のうちは、大学受験を控えていたこともあり、「RAGE Shadowverse」への参加は見送りました。大学に進学し、上京してから初の出場となったのですが、運よくファイナリスト(8000人中8人)になることができ、「Grand Final」では3位の結果を残せました。

そして、DetonatioN Gamingに声をかけていただき、チーム「au デトネーション」として、RSPLに2018年のセカンドシーズンから参戦することになりました。その後、チームとしてRSPL2018セカンドシーズン優勝、RSPL19-20ファーストシーズン3位、また、個人としてもRSPL19-20ファーストシーズンで「ベストバトル賞」という実績を残すことができました。

勝利につながるポイントを身につける過程に面白さ

RSPL19-20ファーストシーズンでベストバトル賞を受賞 (C) RAGE (C) Cygames, Inc.

プロゲーマーとして活動するモチベーションとして、「Shadowverseの奥深さを伝えたい」という思いを一貫して持ち続けています。ゲームの性質上、勝敗に運が絡む要素は大きいですが、それでも、深く考えずにいると見落としてしまうような「勝利につながるポイント」がたくさん存在します。それを発見して身につけていく過程にこのゲームの面白さが詰まっています。その面白さを多くの人に知ってほしいです。

だからこそ、RSPLという、数千、数万もの人々に試合を見てもらえる場は最高の舞台といえます。Spiciesというプレーヤーは見なくてもいい。むしろプレーを見てほしいと思っています。それが試合中に過剰なリアクションを取らない理由でもあります。

また、プレー自体を見せることが第一であるがゆえに、なおさらミスは許されないという緊張のもと試合に臨んでいます。勝敗はどうにもならない部分があり、それよりも試合内容にこだわりたい、という考え方ではありますが、それが結局は勝率を最大化し、チームの勝利につながることだと信じているので、今後もより良いプレーが見せられるよう努力していきます。

Spicies(スパイシーズ)

1999年生まれ。2018年9月、DetonatioN Gamingにau デトネーションのメンバーとして加入。現役プロゲーマー東大生として、学業とShadowverse競技シーンでの活動を両立している。その頭脳を活かしたミスの少ない緻密なプレイスタイルが特徴。RSPL19-20ファーストシーズンでは、ベストバトル賞を受賞するなど、チームのエースとしての力を見せた。

Shadowverse

シャドウバース

株式会社Cygames が開発・運営を行うスマートフォンで遊べる対戦型オンラインTCG(Trading Card Game)です。「フォロワー」、「スペル」、「アミュレット」という3種類のカードで40枚のデッキを編成して戦い、相手リーダーキャラクターの体力を0にしたら勝利となります。2020年現在、日本語を含む9言語が世界にリリースされ、累計ダウンロード数は2,200万を突破しています。 競技性の高さを生かし、優勝賞金1億1,000万円の世界大会開催やプロリーグ設立など、eスポーツシーンにも参入しています。