R6Sの銀河系軍団「G2 Esports」は新たな伝説を作れるのか? キャスターともぞうが海外チームの魅力に迫る

「レインボーシックス シージ」の大会で公式キャスターを務めるともぞうさんが、海外の人気プロチームの魅力をわかりやすく解説。「銀河系軍団」とも呼べるチーム「G2 Esports」についてたっぷりと語ります。
「レインボーシックス シージ」の大会で公式キャスターを務めるともぞうさんが、海外の人気プロチームの魅力をわかりやすく解説。「銀河系軍団」とも呼べるチーム「G2 Esports」についてたっぷりと語ります。
はじめまして、ともぞうと申します。普段は「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)の公式キャスターとして、大会実況を担当しています。
元々いちファンから実況キャスターになるほど、私が愛してやまないR6S。2015年のリリースから既に5年近くが経過し、現在では世界中で延べプレーヤーが5千万人を超え、数あるFPSの中でも長く愛されているタイトルのひとつとなりました。
ゲームプレーの面白さを語れば3日くらいは止まらないと思いますが、このコラムではR6Sのもう一つの魅力である「eスポーツの世界」、それも海外で活躍するチームを紹介したいと思います。
R6Sをプレーしたことはあるけど、プロの試合や大会は見たことがない? なるほど。でも、ゲームをプレーしていて、このような武器スキンを見たことはありませんか?
LADIES AND GENTLEMEN.
— Pengu (@G2Pengu) March 10, 2020
The dream of dreams is LIVE.
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R6Sでは自分の好みに合わせて武器のデザインを変更できるスキンが無数に(それこそ、どれをつけたら良いのか悩むくらい)登場していますが、実はその中にはプロeスポーツチームのデザインをあしらったものが存在します。
これは、「パイロットプログラム」と呼ばれるR6Sの中でも重要なシステムで、各チームのスキンの売上の一部がチームに還元される仕組みになっています。つまり、プロチームのファンであれば、ゲーム内のスキンを買うことでチームの活動が支援でき、さらにお気に入りのチームのデザインでプレーすることもできるという、まさに一石二鳥の仕組みなのです。
「パイロットプログラム」は最初からゲームに実装されていたわけではありません。競技としてR6Sが盛り上がると共に始動し、徐々にその規模は拡大。現在では日本チームのスキンも存在します。
これは、今なお勢いづくR6Sというゲームにおいて、競技シーンがその人気に大いに貢献していることを示しているとも言えるでしょう。
とはいえ、ゲームを「競技として見る」ことに首をかしげる方も多いと思います。公式キャスターという立場としても、どう魅力を説くべきかは毎回頭を悩ませるポイントです。
そこでこのコラムでは、魅力的なプロチームを紹介します。
現在、世界中で多くのプロスポーツが存在し、最近では日本に住んでいてもリアルタイムでそれらの試合、大会を見ることができますよね。特に私はサッカーが大好きで、世界中の試合のハイライトを隈なくチェックするたちなのですが、サッカーがそれほど詳しくない人でもスペインの強豪チーム「レアル・マドリード」や「FCバルセロナ」の名前は1度くらい聞いたことがあるはずです。
あるいは、国内のプロ野球での「読売ジャイアンツ」の名前は、試合を観戦する習慣がない方でも知らない人の方が少ないと思います。
R6Sの競技シーンにおいても、「レアル・マドリード」や「読売ジャイアンツ」のような分かりやすい強豪チームがいれば、競技シーンを見たことが無い方にも楽しんでもらえるのでは……と考えてみました。
そう、R6Sにも超有名な強豪チームが存在します。それが、ドイツを拠点とする「G2 Esports」です。
まずは、G2 Esportsの実績を並べてみましょう。
Six Invitational 2018 優勝 ※チームがG2に移籍する前の実績
Six Major Paris 2018 優勝
Pro League Season8 Europe 優勝
Pro League Season8 Final 優勝
Six Invitational 2019 優勝
Six Major Raleigh 準優勝
大会名がいくつか出てきましたが、グローバルの競技シーンにおいて核となるのは、Six Invitationalです。毎年2月に開催されるR6S競技シーンで最大規模の大会で、世界各地から強豪16チームが集まり、約1週間かけて優勝を争います。その次に大きな大会がSix Majorです。
18年、19年シーズンでG2 Esportsはこれらの大会で快進撃を見せます。大規模大会の合間に開催されるリーグ戦「Pro League」ヨーロッパエリアのチャンピオンにも輝けば、各エリアの代表8チームで争われる優勝決定戦「Final」でも勝ち切っています。
現在のR6S競技シーンにおいて、ここまでの実績を残したチームは他にありません。加えて、試合の内容的にもファンを魅了するプレーを次々に披露。人気を不動のものにしました。
名実ともに世界中のファンから認められ、既にG2 EsportsはR6S競技シーンの中で伝説の存在となりつつあります。
さて、そんな伝説のG2 Esportsに所属する選手を紹介しておきたいと思います。
このチームを語る上で真っ先に紹介しないといけない選手、それがPengu。
also we were looking at BANGERS from the past before the game started.
— Pengu (@G2Pengu) July 15, 2020
this is mine. pic.twitter.com/fRTwuYIP9h
R6S史上最高の選手であり、「Mr.R6S」と言っても過言ではありません。
FPSの競技シーンにおける見所は、相手をキルする派手なガンファイトシーンにあります。しかし、R6Sは「タクティカルシューティング」と銘打たれているように、ガンファイトに強いだけでは、試合に勝つことはできません。
ガジェットの使い方、マップ理解、相手の心理を読んだ立ち回りなどなど……。あらゆる要素で相手を上回ることができて、始めて勝利を掴むことができます。
Pengu選手は、それら全ての要素を高水準でこなすことができます。チームがピンチを迎えた状況の中で彼が見せた数々のプレーは、既にファンの間では語り草になっています。
#NewProfilePic pic.twitter.com/jNsO6SYrgO
— Juhani Toivonen (@G2Kantoraketti) June 29, 2020
実は現在G2がタイトルを総なめにした時代のメンバーはPengu選手以外ほとんどいません。新メンバーの中でもPengu選手と最も長く苦楽を共にしているのが、このKantoraketti選手。
普段は物静かな好青年ですが、プレーでは対照的に激しいガンファイトを好みます。彼のとんでもない撃ち合いの強さに、私は何度も絶叫させられました。
hello I am uuno and I am sitting on a @secretlabchairs pic.twitter.com/GaF4RkDNIM
— UUNOMEISTER (@G2UUNO) June 15, 2020
R6Sがガンファイトだけではなく、多くの要素を理解した上でプレーしないといけないタイトルであることは先に触れた通りです。UUNO選手もPengu選手同様、それらタスクをハイスタンダードにこなせる選手の1人。
戦術理解度が高く、マップによってプレースタイルを柔軟に変えることができます。
そして、何よりイ・ケ・メ・ン。
#NewProfilePic pic.twitter.com/EDnICsuGiX
— G2 CTZN (@CTZNr6) April 1, 2020
R6Sの競技シーンにおいて、多くの要素が求められることは再三触れましたが、かといって純粋なガンファイトの一点のみが輝く場面も存在します。いくら地理的に不利でも、心理的に追い詰められていても、リスクを背負って撃ち勝ちに行かなくてはならない局面は絶対に訪れます。
純粋なガンファイト対決でことごとく撃ち勝ち、名を上げたのがCTZN選手その人です。欧州で最強のガンファイターの1人と評されるべき選手でしょう。
Hello this is Virtue and I'm also sitting on a @secretlabchairs pic.twitter.com/uY0LR4ZCe0
— G2 Virtue (@Virtue_R6) June 15, 2020
競技シーンが5年目を迎えたこともあり、現在ではエリア(トップリーグでは世界を大きく4つのエリアに分けています)をまたいだ選手の移籍も幾つか発生しています。
Virtueも海を越えた1人。元々はオーストラリアのチームに所属していましたが、G2 Esportsへ移籍しました。(ちなみにオーストラリアは、日本と同じAPACエリア)
現在競技シーンを引っ張っているのは欧州エリアと言われているため、この移籍は間違いなくステップアップといえるでしょう。また、彼は移籍希望を出していたわけでもありませんでした。G2側が引き抜き交渉を持ちかけたと見られており、彼の実力が間違いなく世界トップクラスという証明でもあります。
「eスポーツのチームにコーチがいるの!?」と、驚かれている方もいるかもしれませんが、R6Sの競技シーンにおいて、コーチの存在は当たり前になっています。
競技シーンが続くにつれて、戦術は複雑化してきました。試合数も多いことから、選手だけでは対戦相手の分析を行うことは難しく、コーチの存在がより重要になっているとも言えます。
G2が人気な理由の一つは、誰にも想像がつかないような新しい戦術やアプローチを競技シーンに持ち込むことにあります。そして、それらG2の戦術の多くを考案しているのが、SHAS氏だと言われているのです。
競技シーンの魅力は選手だけではなく、コーチがどういった戦術を準備してきているかというところにもあります。
さて、ここまでG2 Esportsの凄さに触れてきましたが、実は現在チームの成績は芳しくありません。先程18~19年の実績を掲載しましたが、直近の成績は以下のとおり。
Pro League Season10 3位
Six Invitational 2020 決勝トーナメント敗退
Pro League Season11 2位
R6Sは3ヶ月おきにゲームがアップデートされ、オペレーターのメタやマップの仕様が次々と変化していきます。また、競技シーンの仕組みも調整が施されるため、プロチームは様々な面での変化に柔軟に対応しなくてはなりません。
適応力を求められる点で、当然ながら伝説のチームも例外ではありません。
G2 Esportsは18~19年に輝かしい実績を残しましたが、逆に成績が抜きん出ていたために、メンバーが固定されてしまいました。だからか、ゲームや競技シーンの変化に上手く対応できず、チームはトロフィーから遠ざかってしまったのです。
そして、伝説のチームと呼ばれた時のメンバーが、一人、また一人とチームから去ることとなります。既にG2 Esportsの伝説は過去のものになりつつあります。
しかし、G2 Esportsはこのまま終わるつもりも無いようです。
優勝経験者は、Pengu選手とKantoraketti選手のみとなりましたが、Pro League Season10において優勝したチームのエースだったCTZN選手を獲得。そして、APACのチームとしてSix Invitational 2020で大躍進したチームからVirtue選手も参戦し、G2 Esportsは再び覇権を握るための準備は整いつつあります。
新メンバーで後半戦を戦ったPro League Season11こそ2位という結果で終わりましたが、チームの再構築を図った上での2位フィニッシュは、G2 Esportsの今後に光を残したと言えるでしょう。
さて、そんなG2の近況ですが、6月から新フォーマットとなったヨーロッパのトップリーグに参戦しています。現在(2020/07/13時点)で、2勝3分1敗と満足な結果とは言えないスタートを切りましたが……。
G2 Esportsが新しい伝説の1ページをめくることができるのでしょうか?
R6S競技シーンをチェックするには、以下の視聴・閲覧をオススメします。
主に国内大会を中心にお届けしている日本語版公式YouTubeチャンネルです。私もキャスターとして出演しています!
まずはここを見てもらえれば、「競技としてのR6S」の何たるかがが分かりやすいと思います。Six Invitationalなどの海外の大規模大会も、日本語での実況解説をお届けしています。
競技シーンの情報だけではなく、R6Sに関する全ての情報を提供してくれる公式Twitterアカウントです。R6Sをプレーしている方のフォローは必須ですね。
実は、海外の情報を総合的に取り扱っているメディアやTwitterアカウントはあまり見かけません。手前味噌ながら私のTwitterアカウントでは、不定期ではありますが国内・海外問わず、選手の移籍情報や試合結果をつぶやいていますので、一度覗いてみてください。
海外のトップリーグの大会を視聴できる英語版の公式YouTubeチャンネルです。実況が英語ですので、英語が聞き取れる方でないと、プレー内容などは理解しづらいかも知れません。
ぜひ、興味が湧いた方は「競技としてのR6Sの世界」を一度覗いてみたください!
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