クラーク記念国際高校は1992年に広域通信制高校として開校されました。学校教育法第一条に定められた高等学校で、卒業資格は一般的な全日制高校、定時制高校とまったく同等です。

通信制でありながら毎日通学して学ぶ「全日型教育」という独自の形式。制服着用も基本です。「キャンパスに来て学ぶ」というスタイルのため、友達や先生とコミュニケーションを取る機会や、行事・部活・課外活動も多くなります。現在、全国の50を超えるキャンパスで生徒1万人以上が学んでいます。

来春開校する「CLARK NEXT TOKYO」

2021年春に東京・板橋に開校するのは、専門設備を備えた「CLARK NEXT TOKYO」です。ゲーミングスキルの向上を目指す「eスポーツコース」、発想力豊かなクリエーターを目指す「ゲーム/アプリコース」、ロボットの基礎をゼロから学ぶ「ロボティクスコース」の3つのコースが設立されます。名誉学長として、ロボットの社会実装の第一人者である東京大学名誉教授の佐藤知正氏が就任します。

10階建ての校舎には、レーザー加工機や3Dプリンターなど配備したロボティクスフロア、ゲームを使いながら体を鍛えるeアスレチックルーム(仮称)などを設置。eスポーツ専用回線を引いたフロアも複数あり、学内でeスポーツ大会を開催できる「eスポーツアリーナ」もあります。大会の動画配信を想定した会場作りをすることで、全国規模の大会開催も可能となります。

eスポーツアリーナのイメージ(クラーク高校提供)

また1階の職員室はショールーム的機能を備えたフリーアドレス制で、将来的には地域の人々や社会人らを受け入れるために24時間稼働を目指しています。生徒の学習成果を展示するためのギャラリーも併設することで、地域社会からの評価をさらなる学びに反映させることも狙っています。

eスポーツコースでは、リーグ・オブ・レジェンドをタイトルに採用することが決定しています。今後も新たなタイトル採用を検討していますが、チーム戦にこだわる方針です。

同校秋葉原ITキャンパス長で、「CLARK NEXT TOKYO」開校準備室の土屋正義さんが説明します。「制服を着て毎日通って、周りに仲間がいる。集団のなかで学ぶものに力を入れたいです。学校でeスポーツをやるなら教育効果がなければやるべきではありません。そういうゲームタイトルにこだわりたいと思っています」

「CLARK NEXT TOKYO」の教室のイメージ図(クラーク高校提供)

現在、eスポーツ専攻がある同校秋葉原ITキャンパスは、来春からeスポーツ専攻の募集を取りやめます。同校のeスポーツは「CLARK NEXT TOKYO」に集約されることとなり、移行期間は秋葉原のeスポーツ専攻の現在1、2年生も、eスポーツの授業は板橋で受けることになります。

eスポーツ専攻設置から2年の秋葉原には、保護者から「親に感謝することのなかった子が毎日学校に休まず通い、親子関係にも変化があった」「宿題をやっていないという注意に、ちゃんとやるよと。成長した」などの声が寄せられているといいます。

土屋さんも「間違いなく生徒のコミュニケーション能力は高まっています。自分も役に立っているという自己肯定感も高まり自信につながることで、生き生きとしてきます。それが家庭からも応援してもらえる変化にもつながっています」と手応えを口にします。

日本ではeスポーツに関わる人材はまだまだ不足しています。プレーヤーだけではなく、運営や実況、配信などの支える側まで考えると、高校卒業後の進路の幅も大きく広がってきそうです。

それだけに、テクノロジー分野に特化した「CLARK NEXT TOKYO」の果たす役割は大きくなりそうです。土屋さんも「全国のeスポーツ部の生徒がやってきても、すごい環境と言ってもらえるはず。板橋がクラークのeスポーツの拠点ということになります」と期待しています。

eスポーツを学べる主な高校

クラーク記念国際高校のほかにも、eスポーツを学べる学校は各地にあります。

・ルネサンス高等学校(eスポーツコース)
 日本で初めて高等学校でeスポーツコースを開設
・N高等学校(eスポーツ部)
 プロゲーマーを中心とした特別顧問から直接指導
・バンタンゲームアカデミー高等部(eスポーツ専攻)
 現役のプロから最先端の指導
・ヒューマンキャンパス高等学校(専門分野)
 プロeスポーツリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」に参入している横浜F・マリノスと教育提携
・第一学院高等学校(eスポーツコース)
 コナミグループが運営する「esports 銀座 school」と連携
・北海道芸術高等学校福岡サテライトキャンパス(eスポーツコース)
・興譲館高等学校通信制課程(eスポーツ部)
・明聖高等学校(eスポーツ部)