10~20代の若手が次々と現れるプロゲーマーの世界で、40歳を超えてなお戦い続けているのが、カプコンプロツアー(CPT)初代王者sako選手(41)です。マネジャーを務める奥様のakikiさんと二人三脚で歩んで来たこれまでのゲーマーライフや今後の展望を聞きました。※インタビューは今春に実施したものです。

情報戦が求められる時代になった

――長く対戦格闘ゲームをプレイされていますが、今と昔で違うことは何でしょうか。

sako:昔とは違って今は情報戦が大事になっています。

――昔はインターネットがなかったので、ゲームセンターや個人ごとに隠し技があったりしましたからね。

sako:最近では有名プレイヤーが配信をして手の内を明かしてくれているので、「こういう動きをするんやったらどう対策を取ろうかな」と考えやすくなりましたね。

――逆に言えば、それをやらないと勝てなくなってしまったと。

sako:もともとは自分で考えて戦略を組むのが好きなんです。でも、他の人が見ているのに自分が見ないのはマイナスやな、ということはあります。格闘ゲームもそうやけど、RPGとか他のゲームも、攻略本を読んで道順通りに進むというよりは、自分で本を作るようなスタンスでゲームをやってきたんです。

ただ、いつまでも昔のままではいられないので、新しい攻略の形に進んでいますね。

――40歳を超えて、体に何か変化は生じていますか?

sako:CPTで年に20回近く海外に行ったのですけど、やっぱり一昨年より昨年の方がキツかったです。

体力自体はけっこうあるんですけど、毎週のようにあちこちの国で大会があって、時差がきつくて安定して寝られないこともありました。時差ボケを直す暇もなく、次の大会に飛ばなきゃいけないんで難しいですね。

※今年のCPTは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オンライン形式となりました。

――体を鍛えることは?

sako:たまにストレッチはしますが、定期的な運動はまったくしていないですね。

akiki:元々はスポーツもやっていたんですけどね。

――どんなスポーツをしていたのでしょうか?

sako:もともと体を動かすのが好きで、小中学生のころは体動かしてばっかりでした。空手、野球、サッカー、あとは器械体操もやっていましたね。体力はもともとついていたんで、それもあってあんまり疲れを感じることはなかったんですよ。

akiki:コアゲーマーでは珍しく、生活サイクルがもともと規則的なんですよ。お昼寝もしますし。昔の仕事も体を使う系だったんで、体力はそこでついたんだろうと思います。

sako:基礎体力はそこでついたんでしょうね。

akiki:だんだん貯金が切れてきたんだと感じています(笑)。

sako:貯金はもうないな(笑)。

――鍛えなおしたりはしないのでしょうか?

sako:今年はやろうかなって思ってます。ゲーム感覚で誰かと競えるものをやったほうが面白いんで、そういう企画を進めています。

ナウマン選手との逆転負けの裏には何が

sako選手(左)とakikiさん(右)

――今年1月に開催された「EVO Japan 2020」ストリートファイターⅤアーケードエディションでは3位に入賞しました。このとき優勝したナウマン選手とウィナーズファイナルで対戦し、スイープ(逆転負け)を喫しています。序盤優勢な状況から、なぜ逆転を許してしまったのでしょうか。

sako:最初はナウマン君がいつも通りの動きだったんで、横から来たらこう返して、上から来るんやったらこう落として、という感じで対処して普通に勝てていたんです。

でも、途中からナウマン君が「中間距離でウロウロしてても絶対に勝てない、やるしかない」と吹っ切れたみたいなんですよ。さばいてもさばいてもどんどん横から上から攻めてくるので重圧を感じるようになって、そのまま処理が追いつかずに押され始めて、ずるっと負けちゃったんです。

ナウマン君ってわりと真面目にプレーするタイプで、戦いの切り替え方もそんな器用な感じじゃなかったんですよ。こんな戦い方できるんや、吹っ切れた戦い方をできるようになったんやなと感じました。

――その後も何度か大会で対戦し、一度はリベンジも果たしています。

sako:「TOPANGA CHAMPIONSHIP」のときは最初に2本取られてから俺が対応して、逆に3タテしたんですよ。でもその次の「FAV gaming CUP」では攻略面で完全に負けたと感じました。

ずっとさくらを使っているだけあって、練度もすごく高いしとっさの判断も優れている上に、ただ横から押してくるだけじゃなくて、押し引きが追加されて進化しているなと。
短期間で戦い方の幅がすごく増えているので、「これが若さか!」と成長スピードに驚いています(笑)。

複数キャラで違ったsakoを見せたい

練習に余念が無い

――今年の意気込みを教えてください。

sako:去年までメナトばっかり使っていたのですが、今年は複数のキャラを使って、また違ったsakoを見せていこうかと頑張っています。

――メナト以外ではカゲをよく使われていたと思います。

sako:カゲは強くなったのでモチベーションがない(笑)。ある程度バランスが悪いと「このキャラどうやって勝つんやろ」って戦略を練る楽しみがあるんですけど、こういう場面ではこうしたらいいっていう方向性が見えるとやる気が無くなっちゃうんですよね(笑)。なので、違うキャラを模索しています。

――配信などで使用されている新キャラ「セス」でしょうか。

sako:そうですね、今かなり面白くて。

――メナトとセスの2本立てでいくわけですね!

sako:今練習しているところですが、メナトとセスでちょうどお互いの苦手キャラをカバーできる形にできたらと思っています。

sako

世界有数のテクニックを持つ技巧派プロプレーヤー。現在はプロチーム「FAV gaming」に所属。国内外の数々の大会で好成績をおさめ、2013年にはCAPCOM公式世界大会「CAPCOM CUP」を制し、初代世界王者の座に輝く。「ストリートファイターV アーケードエディション」ジャパン・eスポーツ・プロライセンス保有。41歳の国内最年長プロゲーマーで、2月に開催された「EVO JAPAN 2020」では3位に入賞するなど、技量にますます磨きをかけている。

akiki

sako選手の妻で、マネジャーも務める。Twitterでsako選手の動向や対戦格闘ゲーム界隈の情報を発信し、ファンと交流。Twitchでの動画配信にも積極的で、sako選手が参戦している大会の応援配信もする。長く活動してきた経験から、後輩たちの相談に乗ることも。

「ストリートファイターV」について

「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の「ストリートファイターII」において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計 4,400万本(2019年12月末日時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStation®4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。
最新作は2020年2月14日発売の「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」(PS4/PC)になります。http://www.capcom.co.jp/sfv/