「マイクラ」でバドミントンができる! リアルと融合した新機軸eスポーツ大会が盛況

3Dブロックで構成された世界の中で、ものづくりや冒険が楽しめるゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を使ったバドミントン大会が開かれました。運営したVTuber「あぅつざぁ」さんがユニークなeスポーツの魅力を紹介します。
3Dブロックで構成された世界の中で、ものづくりや冒険が楽しめるゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を使ったバドミントン大会が開かれました。運営したVTuber「あぅつざぁ」さんがユニークなeスポーツの魅力を紹介します。
世代を問わず世界中で愛される「マインクラフト」でバドミントン――。こんなコンセプトで総勢58人のプレーヤーが参加して行われたeスポーツ大会「MBGP2020 サマーカップ」が6月13日に実施されました。MBGPは「マイクラバドミントングランプリ」の略です。
2019年秋からこの「マイクラバドミントングランプリ」を始めましたが、今回のサマーカップはシーズン最後の大会ということもあり、VTuberや海外のeスポーツプレーヤーなど腕に覚えのある選手が参加。ゲーマーチームのC-clanより賞金、ZONeよりエナジードリンクZONeが提供されました。
マイクラバドミントンはその名の通り、「マイクラ」内でプレーするバドミントンのこと。プレーヤーの思うままに好きなモノをクラフトできる「マイクラ」で作られた「ゲーム内ゲーム」です。ネットを挟んで左右に分かれたプレーヤーが、放物線を描いて飛んでくるシャトルを打ち返し合うシステムで、「リアルなバドミントンそのもの」とも言えます。
シンプルかつカジュアルなeスポーツでありながら競技性が高く、さまざまな駆け引き、戦略の要素も色濃いです。プレーヤー、観客ともに大いに盛り上がれるのが最大の特徴となっています。
マイクラバドミントンはもともとゲームの機能として存在していたものではありません。実は、マイクラ好きの一人の高校生が、友達からバドミントンのスマホゲームをすすめられたことに端を発します。その高校生がゲームにはまり、マインクラフトで独自に再現してSNSに投稿。それを偶然にもバドミントン好きのVTuber、つまり筆者である私が見つけ、19年夏にゲーム大会を企画するに至りました。
大会を終えた後、参加者から「もっと多くの人にマイクラバドミントンが広がってほしい」という声が上がり、eスポーツとして本格的に展開することになりました。その後、SNSを通じてマイクラとバドミントンのノウハウをさらに集め、ゲーム、大会ともにブラッシュアップを進めました。そういう意味では、SNSあってこそのゲームと言えるかもしれません。
また、魅力として、実際のバドミントンとゲームならではの要素が絶妙に合致していることが挙げられるでしょう。たとえば、バーチャルの会場内では、選手がラケットで素振りをして気合を表現したり、しゃがむことで対戦相手に挨拶をしたりと、リアルスポーツさながらの風景を見せてくれます。視聴している観客にも、選手同士のライバル心やリスペクトする姿勢が伝わってくるのも、リアルスポーツとeスポーツが融合したマイクラバドミントンならではと言えそうです。
パソコンで操作をするゲームですが、操作自体は決して難しいものではありません。マウスとキーボードを使うだけなのでむしろ非常に簡単で、前後左右の移動とクリック、スマッシュを打つ際のジャンプする操作しかないのです。シャトルもプレーヤーの向いている方向に飛んでいくので、慣れれば長時間のラリーをすることも容易です。
でも、打つタイミングや位置を変えることで多彩なショットを打ち分けることが可能です。上級者の対戦ともなると、実際の試合さながらの戦略性が出てくるのがおもしろいところです。今回の大会でも、ドロップショットやクリアを使い分けて相手を前後に揺さぶるなど、じつに多彩な試合が見られました。
そんな大会のシングルスを制したのは「おるか選手」です。実況者から「おるかドロップ」との異名を付けられるほどのドロップショットの名手で、対戦相手がその処理に苦慮しているのが印象的でした。
このおるか選手に代表されますが、選手それぞれでプレースタイルが異なり、攻撃中心のプレーヤー、鉄壁の守りを誇るプレーヤーと多種多彩なのがおもしろいポイント。これにより、出てきた選手によって見どころが変わってくるので、長時間の視聴でも飽きがこないのもマイクラバドミントンならではの魅力と言えます。
大会の模様は、実況中継付きのインターネット生放送で配信されました。実況を務めてくれたのは、数々のゲーム大会で知られるeスポーツキャスターのシンイチロォさん(@shinichi_rooo)。特別出演として大会を大いに盛り上げてくれました。
マイクラを持っていなくても配信を見れば盛り上がることができるので、この記事を読んでマイクラバドミントンに興味を持った方は、ぜひインターネット観戦から入ってもらえればと思います。
プレーヤー視点の配信もあります。別の角度からも楽しみたい方はそちらもチェックしてください。
今回のサマーカップはシーズン最後の大会となりましたが、マイクラバドミントングランプリの頂上決戦として8月8日にチャンピオンシップを開催します。チャンピオンシップでは実際のバドミントンと同じスコアルールで試合を行ったり、より本格的な形式で大会を行う予定です。
また出場者のインタビューや観客席の一般公募も行う予定なので、ぜひ実際の会場で白熱した試合を見てみたい方は観戦者として参加してみてはいかがでしょうか? 観戦登録は8月2日まで。詳細はマイクラバドミントン公式Twitter(@mc_badminton)でお知らせしています。少しでもマイクラバドミントンに興味を持って頂けたらうれしいです!