お前はカニに支配されている カニ世代eスポーツ「カニノケンカ」で真のカニを目指そう

サイボーグVTuber「マシーナリーとも子」さんが様々なeスポーツタイトルなどを取り上げるコラム「マシーナリーとも子とeスポーツの浅瀬から」。連載3回目のテーマは「カニノケンカ -Fight Crab-」です。
サイボーグVTuber「マシーナリーとも子」さんが様々なeスポーツタイトルなどを取り上げるコラム「マシーナリーとも子とeスポーツの浅瀬から」。連載3回目のテーマは「カニノケンカ -Fight Crab-」です。
みんな、「カニノケンカ -Fight Crab-」(以下、カニノケンカ)やった???? こないだ期間限定で最新の体験版遊べたんだけどさ。やってない? じゃあ7月30日にSteam版が発売されるから買いなさい。ゲーミングPCを持ってない? じゃあ8月20日にNintendo Switch版が発売されるから買いなさい。わかったか。
「カニノケンカ」はカニが武器を持って争うというそのシュールすぎる世界設定や、「ファイト・クラブって言いたいだけだろ!!!」ってタイトル、カッコいいのによく聞くとあまりにも脱力系な歌詞に脱皮してしまいそうになる主題歌といった要素で、これまでもアーリーアクセス版やPVなどで話題になってきた作品。私もカニは見るのも食うのも大好きなので、先日の体験版を機にやってみたのよ。いやー最高だった。絶対楽しいからみんな遊んでくれ。カニを消費しろ。
本作はカニを操作して戦う3D格闘アクションゲームだが、同時に「カニ・シミュレーター」とも言える。ゲームパッドに最適化されたカニ操作性は、(リアルかどうかは置いといて)カニとの一体感を存分に楽しめる。大まかな操作方法は左右のスティックで腕の上下左右移動、LT/RTでカニパンチ、LT/LBでハサミを閉じる、十字キー上下左右で移動、2本のスティックを倒した方向に向けて旋回、といった具合だ。
この2本のスティックとカニの腕が連動した操作がはちゃめちゃに楽しい。実際は「カニっぽい動き」というより物理演算モリモリ系ゲームにありがちなフニャフニャ関節のシュールな動きなんだが、カニ自体のモデリングがリアルなおかげで「俺はカニだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」って気持ちになってくる。
ワタリガニ、タカアシガニ、ヤシガニ、トラフカラッパといった豊富なプレイアブルカニもカニへの思い入れを高めてくれる。オオホモラなどはまったく存在を知らなかったので「そんなカニもいるんだ!」と関心した。
さらにカニは豊富な武器を持つことができる。カニはハサミでものを掴めるので当然だな。武器はナイフやロングソード、ヌンチャクなどの近接武器、リボルバー、ショットガンなどの銃器、手裏剣や盾などの投擲武器など多種多様。なかにはジェットやバイクなどの変わり種もあってどれも楽しい。
私のオススメはなんといってもジェットだな。仮面ライダーフォーゼのごとくカニが宙を舞う姿の美しさは筆舌に尽くしがたい。リングアウトしやすいのが玉に瑕だが、カニが空を飛ぶことの素晴らしさに比べたら試合の勝ち負けなど小さなことだ。試合に負けて勝負に勝ったという言葉があるが、あれは空を飛んでリングアウトするカニのためにあるような言葉だと今なら思える。ぜひみんなにも空を飛んで見て欲しい。楽しいから。
本作のルールはひとつ。相手カニをひっくり返すこと。ハサミや武器で殴るとダメージが蓄積されていき、数字が増えれば増えるほどダウンしやすく、起き上がりにくくなる。ひっくり返って3カウントで勝敗が決する。「スマッシュブラザーズ」シリーズみたいなのが近いかな〜。
このルールと、先述の2本のスティックがハサミと連動するという操作性が結びつき、対人戦はとにかく楽しい。よく「ゲームをテキトーに操作する」という状態を「ガチャガチャ」「ガチャゲー」と形容するけど(前連載の記事でも書きましたね)、マジでこのゲームの対戦は一刻も早く敵をひっくり返したくて死ぬほどガチャガチャとスティックを動かし、トリガーを押しまくる駄々っ子のようなガチャゲーをする羽目になる。声が出る。これが楽しい。
もちろん、ただ殴ってダメージを蓄積させるのが目的というわけではなく、LB/RB押しっぱなしでパンチをガードする、そのガードをLB/RBで出せる掴みで破る、相手の武器を掴んで奪う、武器を捨ててフィールド上の車やヤシの木などを掴んで攻撃に用いる、左右移動と旋回を組み合わせて敵の背後に回り込む……といったテクい駆け引きもある。あるんだが、それ以上にやっぱりボコボコ殴り合い、カニがひっくり返るのが楽しい。ゆかいだ。かわいい。
ハンバーザムカニ対戦 pic.twitter.com/yp6Oe54cLW
— マシーナリーとも子@サイボーグVTuber (@barzam154__) June 19, 2020
そして、さらに面白い機能としてピクシブが手がける「Vroid」との連動機能がある。「Vroid」は3DCGのキャラクター作成や、登録したキャラクターをいろんなコンテンツと連動させられるサービスなんだが、これを利用して「カニノケンカ」では自分のアバターをカニに乗せることができるんだ。これは楽しい!!!! さっきからカニの上に小さいマシーナリーとも子が乗ってたのは、この機能を利用したものです。かわいいでしょ?
「カニノケンカ」はマジでeスポーツとして流行ると思うんだよな……。初心者でもテキトーに雰囲気で遊べるガチャガチャ感は、やってる方はもちろん見てる方も盛り上がるので、実況や配信向けだ。アバターを使えば自分自身の姿もアピールできるし、どうしてもどこかバカバカしさ漂う絵面は圧倒的にキャッチーだ。
そしてなんといってもカニだ。カニはみんなが好きな生き物だ。美味しいし、カッコいいし、食べると日々を過ごしたことへのご褒美感があるし。君たち人類の遺伝子には「カニっていいな」という本能レベルの情報が刻まれているから、カニを見るだけでテンションは爆上がりするはずだ。「カニノケンカ」は遺伝子レベルで強い。「カニノケンカ」大会をやってさ、優勝商品がカニだったらめちゃめちゃ盛り上がると思わない? しかも作品の文脈にはぴったりすぎるほどフィットしてるんだよな。強すぎる。
あと、完全に個人的な話なんだけど、私はトラフカラッパが大好きだ。最近ではバンダイからカプセルトイが発売されて話題になったカニだが、私はアイツのことを21世紀こども百科ではじめて見たときから好きだった。トラフカラッパは非常にユニークなカニで、ハサミの側面が非常に広く、なだらかで盾のような形状になっている。ハサミを閉じると甲羅とぴったりとラインが合い、半球状になるんだ。まるでトランスフォーマーみたいに変形するんだよ防御するために! 似たような生き物だとアルマジロがいるがすごいよな。
こんなゲームのキャラクターみたいな造形が自然の産物として存在するんだよ。しかもその姿はどこか愛嬌がある。すばらしい。地球の生物のなかでもベスト機能美賞を狙えるデザインだよ。そんなトラフカラッパを自分の手足のように扱えるというだけでもこのゲームはすばらしい。みんなも「カニノケンカ」でトラフカラッパのすばらしさに触れて欲しい。ほんとたまらんぜ。
(C) 2020 Calappa Games