2020年1月に開催された「EVO JAPAN 2020」(以下、EVO Japan)ストリートファイターV部門で優勝したナウマン選手(24)にとってターニングポイントとなったのが、ウィナーズファイナルでの逆転勝利だった。

「ストリートファイターV」で無双のテクニックを誇る強豪sako選手を相手に一時0-2と引き離されながらも、なぜナウマン選手は逆転勝利を果たし大きな飛躍を遂げられたのか。本人インタビューを交えて検証する。

「どうせ勝てないなら」と思い切ったプレーに

2020年1月26日、3日間に渡り開催されたEVO Japanの最終日、ストリートファイターV部門のグランドファイナルへの出場権をかけたウィナーズファイナルで激突したナウマン選手(さくら)とsako選手(メナト)の試合は、序盤はsako選手が年季の入った強さを見せつける展開となった。

さくらの強力なジャンプ攻撃をしのぎつつ、VトリガーII「ジェフティの預言」を絡めた多彩な技で出足をくじいては、巧みな駆け引きで接戦を制し2本を連取。ナウマン選手は敗北寸前まで追い詰められてしまう。

スコアナウマン:0-2 sako

――ウィナーズセミファイナルで、ナウマン選手はsako選手相手に一時0-2とされました。そこから反撃が開始されるのですが、このときナウマン選手の中で、どのような変化があったのでしょうか。

僕は相手から来るのを待って、迎え撃つプレースタイルです。地力で上回っている相手には安定して通用するんですが、今の先輩方は僕より地力が数段高い人ばかりなので、そのスタイルだけでは大会で勝てないんです。 あの試合でも2本取られて、このままいったら地力で負ける流れだったので、どうせ勝てないならと、ブレーキを外して動きを変えてみました。

事実、この言葉通り3本目からはナウマン選手の動きが明らかに変化した。

ここまではジャンプ攻撃を返されたあとは中距離~遠距離での攻防をメインとし、接近した際には強烈な攻撃力を見せるものの、最後の一撃を加えられずsako選手の技巧の前に屈していた。

しかし3本目以降はより積極的なジャンプ攻撃や前ステップ、さくら落とし、EX春風脚などで強引に間合いを詰める動きを見せ、遂に1ラウンドを奪うことに成功する。

続く第2ラウンドは、開幕と同時に放った強春風脚をsako選手が空中投げで返すなど鋭い動きを見せて取り返し、ナウマン選手はあと1ラウンドを落としたら敗北するという瀬戸際にまで追い込まれてしまう。

EVO Japan 2020「ストリートファイターV」のウィナーズファイナル

「練習通り」から外れたプレーが功を奏す

運命の第3ラウンド、ここでナウマン選手はまったくひるむ様子を見せず、波動拳と斜め上へ放たれる天仰波動拳を織り交ぜ反撃をしのぎつつ、前ステップからの投げや波動拳を盾にしたさくら落としなどで強引に攻め切り、ついに1本を取り返すことに成功する。

スコア:ナウマン 1-2 sako

4本目、ナウマン選手の猛攻の前に、ここまで鉄壁の防御を見せていた難攻不落の要塞、sako選手のペースが遂に乱れ始める。1ラウンド目はナウマン選手がパーフェクトで勝利。2ラウンド目も激しい打撃戦の末に、最後はナウマン選手がこの試合初となるクリティカルアーツ「桜の雨」を決めてついに2-2と星を五分に戻した。

スコア:ナウマン 2-2 sako

そして最終戦第1ラウンド、ナウマン選手はVトリガーをIに切り替えたsako選手の巧みな返し技とコンボの前に、大きく体力を削られてしまう。しかし、まったくひるまずに接近戦を挑んでVトリガー発動から画面端への追い込みを見せ一気に倒し切り、ついにマッチポイントを迎える。

第2ラウンドもナウマン選手が思い切った飛び込みから完全にペースを握り、再び画面端の攻防を制して見事な逆転勝利を決め、グランドファイナルへと駒を進める結果となった。

スコア:ナウマン(勝利) 3-2 sako

――ナウマン選手と言えば、丁寧なプレーが持ち味とされていましたが、この試合ではリスクを織り込んだ、割り切った動きが多く見られました。

それまでの僕は練習通りにプレーするのがベストだと思っていたので、試合中に思い切った判断はできなかったんですけど、あのときは大会で勝つためのプレーができました。今までの練習や取り組みがきちんと実を結んでくれたのだと思います。

グランドファイナルでもベテランの強豪、マゴ選手を撃破したナウマン選手はEVO Japanを制して一躍時の人となる。その後「FAV gaming CUP」も制し、優勝がフロックではないことを証明したナウマン選手。今年の更なる飛躍を期待したい。

EVO Japan 2020を制し、はにかみながらガッツポーズをするナウマン選手

ナウマン

「DetonatioN Gamimg」格闘ゲーム部門所属のプロゲーマー。「ストリートファイターV チャンピオンエディション」を専門としている。メインキャラはさくら。2020年1月に開催された「EVO JAPAN 2020」で数々の強豪をなぎ倒して優勝し、一躍トッププロゲーマーの仲間入りを果たした。3月には「FAV gaming CUP」を制するなど、次代を担う若手筆頭として実績を着々と積み重ねている。

「ストリートファイターV」について

「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の「ストリートファイターII」において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計 4,400万本(2019年12月末日時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStation®4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。

最新作は2020年2月14日発売の「ストリートファイターV チャンピオンエディション」(PS4®/PC)になります。http://www.capcom.co.jp/sfv/