同世代(五十路)とスプラトゥーン2の話がしたいのだ

イラストレーター「キジシロー」さん、カフェオーナー「クマネッコ」さん、グラフィックデザイナー「はちわれお」さん、漫画家の「みぽにゃーたろう」さんからなる平均年齢50代のチーム「ネコヌリ」。そんな皆さんに普段の活動に関するコラムをイラストや文章で書いていただいています。今回は4回目、「同世代でスプラトゥーン2について語りたい」です。
イラストレーター「キジシロー」さん、カフェオーナー「クマネッコ」さん、グラフィックデザイナー「はちわれお」さん、漫画家の「みぽにゃーたろう」さんからなる平均年齢50代のチーム「ネコヌリ」。そんな皆さんに普段の活動に関するコラムをイラストや文章で書いていただいています。今回は4回目、「同世代でスプラトゥーン2について語りたい」です。
足元はすっかり敵のインクで覆われてしまった。
3、2、1、0。 試合終了。
はい、また負けました。「はちわれお」です。
勝っても負けても楽しいゲーム。それが「スプラトゥーン2」です。
もはや安定のB帯止まりですが、挫けず頑張っておりますよ。
そんな勝負の世界に(勝手に)身を置いている私ですが、男同士の会話ができません。
唐突に「何?」とお思いでしょう。
ここで言う「男同士の会話」とは、プライベートな友人とのそれではなく、仕事関係でしか会わないような、不特定多数の方々との会話。仕事の合間のコーヒーブレイクや、打ち合わせ後の飲み会などで繰り広げられる、他愛無い日常会話のことです。
51歳の私の周りで持ち上がる話といえば、野球、サッカー、ゴルフやテニスなどのスポーツ。パチンコ、競馬などギャンブルの話も多いですね。あとは、意外に飲食の話もあったり。ラーメン二郎の食いっぷり自慢なんかも多いような気がしてます。お気付きになった読者もおられると思いますが、そうです。ゲームの話は出てこないのです!
私は子どもの頃からインドア派で、スポーツ経験に乏しく、学生時代は帰宅部。
ギャンブルに興じる度胸も財力も無く、外食はするものの、ラーメンは苦手ときている。
もちろん大人なので、持っている薄い知識を総動員して話を合わせますが、それらの話が盛り上がったところで、あまり楽しくないのですよ……。
「先日妻に内緒で新しいゴルフクラブ買っちゃったんですよ」
「あ、例の新発売のヤツですか?」
「そうそう。国産のチタンヘッド」
「どんな感じ?」
「打ちっぱなしでしか試してないけど、飛びますよ。早くコースに出たいんだけどねぇ」
「今度一緒に回ります?」
「いいですねぇ。是非」
薄い知識なのでかなりテキトウですが、こんな感じでしょうか? 万が一、コースに誘われたら困るので、こういった社交辞令は一切言いませんけどね。
では自分からゲームの話を振ってみてはどうか? もちろん、やったことはあります。
そういったときは、当然「スプラトゥーン2」の話題を振っています。すると十中八九、次のような答えが返ってきます。
「あー、そのゲーム息子がやってたな。最近はやめちゃったみたいだけど」
ご自身がやっていないどころか、ご子息すらやめている!(笑)
これでは話が続きません。スプラトゥーン2は発売からそろそろ3年が経とうとしているので、その答えも致し方ない。そうは言っても、そもそもゲームが話題にあがること自体が少ないのです。
私の世代は小学生の時にインベーダーゲームに衝撃を受けて以降はアーケードゲームが盛況で、高校生ともなればファミコンが普及、以降は誰もがご存知の通りの流れ。五十路の私は、ゲームの進化と共に大人になった世代と言えます。
学生時代はゲームの話題も多かったように思うのですが、いったいいつからゲームをしなくなってしまうのだろうか? 酒やギャンブルを覚える大学時代? 上司の付き合いでゴルフを始めた辺り? それとも家庭を持ってから?
ゲームの進化と共に大人になった世代と言いましたが、ゲームを敬遠する向きもあったのも事実。マッチョイズムのような思考も強かった世代で、早熟な方がカッコいいとされ、高校生ともなれば大人の真似事を始め、同じゲームをするなら麻雀やパチンコ(※もちろん私はやってませんが!)の方がシブイぜ的な……。
バブル景気だったこともあいまって、成人すれば夜の街へ繰り出すことこそ男のロマンだった。ような……違うような……。
そういうことも大人がゲームから離れるきっかけになっていたのかもしれません。
結局、同世代が何故ゲームをしないのかの答えは出ませんが、スポーツ好きは多いのだから、ゲームの中でも、とりわけeスポーツはやってみたらハマるのではないか? と私は思っています。プレーそのものの楽しさは当然ながら、物欲や所持欲なども満たせるのがゲームの世界です。
ゲーム内の多種多様なスキン、豊富な装備に目移りするに違いない。それに、物理的な道具だってこだわり出したらキリがない。我々世代なら、かっこいいヘッドセットや高性能なコントローラーが欲しくなるってものだ。
「最近ゲームパッドを買い替えたんですよ」
「どこのヤツにした?」
「いつもの任天堂純正ですよ」
「リーズナブルなのも色々あるけど、ちょっと高価でも手に馴染んだヤツがいいよね」
「そうなんです。でも新調してから試し撃ちしかしてないんですけどね」
「今度一緒にリーグマッチする?」
「いいですねぇ。是非。」
「僕は妻に内緒でヘッドセット買っちゃったよ」
「お、どこのです?」
「へへへ……」
我々世代にeスポーツが普及する日がやってくることを期待してやまない。
微力ながら、その楽しさを伝える事ができればなぁ。と今夜も杯を傾けつつ。
「酒とスプラは男の遊戯」かくあるべきかな。
と、ひとりごちる五十路の初夏。
ステイホームの夏。eスポーツの夏。
WAKU WAKU させてくれる夏になりそうだ。
ニャンケシェーン!(文:はちわれお)
負けると悔しくて勝つまでやりたくなるし、勝ったら嬉しくて続けたくなる。スプラトゥーン2って本当にやめ時がむずかしいんです!(画:キジシロー)
心と体って連動してるんだなーとつくづく感じる今日この頃です。(画:みぽにゃーたろう)
こぼした赤ワインが床を染めていくのを見ても「塗りが広がっている」とニヤリとしてしまうくらいスプラトゥーン2のことばかり考えていますが、ぼくは大丈夫でしょうか。(画:キジシロー)
野球やサッカー並みに、スプラトゥーンが世間に認知されるようになってほしいです。ネコヌリも超微力な猫の手ではありますが、大会を開催するなどしてそのための活動をがんばっていきます。(画:キジシロー)
常にオールフォーワン、ワンフォーオールの精神でやっております。本当です。(画:みぽにゃーたろう)