6月21日と22日、東京のセガサミーグループ本社で「ぷよぷよ」の公式プロ大会が開かれ、トッププロによる激しい戦いが繰り広げられました。

実施されたのは、2018年度の「SEASON1」に続いて19年度に開催してきた「SEASON2」の二つの大会です。いずれも当初は3月に予定されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期となり、約3ヶ月越しの開催となりました。

21日は「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 3月大会」でした。19年12月に開催された「ぷよぷよチャンピオンシップSEASON2 12月大会」でベスト8に進出し、シード権を獲得した8人に加え、予選で出場権を得た9人の17人による決勝トーナメントが行われました。ベスト8までの選手には「ぷよぷよファイナルズ」へつながる「チャンピオンシップポイント」が付与されます。そして、「SEASON2」のチャンピオンシップポイントが集計され、「ぷよぷよファイナルズ」への出場権獲得プロ選手3人が決まりました。

それを受けて翌22日に開かれたのが、SEASON2のトップを決める「ぷよぷよファイナルズ SEASON2」でした。

対戦席や実況席はアクリル板で仕切られ、試合前後の握手も一礼に変更

両大会ともに優勝賞金100万円の大型大会で、昨年から続くプロシーンのSEASON2を締めくくる重要な位置付けの大会でもあります。安全面への配慮から無観客での開催となりましたが、その寂しさを補って余りある大激戦を制したのは「現役高校生プロ」として活躍するともくん選手(@tomokunblue)でした。

「現役最強」の引退が生んだチャンピオンシップ争い

22日に実施された「ぷよぷよファイナルズ」は、1年間を通じたシーズン成績上位の8選手のみが出場可能な名誉ある最終決戦です。ここで紹介しておかなければならないのが高校生プロとして活躍し「現役最強」の呼び声も高かったマッキー選手のプロシーン引退です。

4ヶ月の空白期間中にマッキー選手はプロライセンスの更新時期を迎えましたが、競技からの引退を発表。ここ最近の「ぷよぷよ」界でも一番のトピックスと言える出来事でした。

数々の大会で圧倒的な戦績を誇ったマッキー選手の引退は非常に惜しまれるニュースではありますが、これによりシーズンのポイント争いは大きく変化。21日に開催されたチャンピオンシップで優勝すれば、ランキング圏外からでもファイナルズ出場権を獲得できる可能性が生まれ、その行方に注目が集まりました。

「高い回収率」を武器に

まずは翌日のファイナルズの出場権がかかった21日のチャンピオンシップ。予選を勝ち上がったプロによるトーナメント形式を制したのは17歳のともくん選手でした。

この日、特に光ったのはともくん選手が持ち味と自称する「高い回収率」の連鎖。連鎖で常に画面上のぷよを使い切るほどの管理能力は、配信上でも「全消し王子」と称されるほどの正確さを誇りました。

初戦のTom選手との試合こそフルセットまでもつれましたが、その後は1セットも落とすことなく決勝へ。決勝戦ではベテラン対決を制して波に乗るKamestry選手を迎えますが、積極的に仕掛けてくる相手を巧みに弾き返しペースを握ると、そのままストレートで一気に優勝を決めました。

準決勝で実現したKamestry対くまちょむのレジェンド対決には配信も盛り上がりを見せた

ともくん選手は公式大会での初優勝と賞金100万円を手中に収め、翌日のファイナルズに向けて好発進。また、この結果を受けてファイナルズ最後の1枠に決定したのはレイン選手。ベスト4以降の結果が1つでも違っていれば出場叶わず、というギリギリの展開にはなりましたが、これまでに積み上げてきたポイントが出場権を引き寄せました。

1ゲームが明暗を分けた大混戦のファイナルズ

22日に行われたファイナルズはシーズン最後にして最大の公式大会ということもあり、通常のチャンピオンシップで採用される一発勝負のトーナメントではなく、10本先取の総当たり予戦を2ブロックに分けて実施。

短期決戦だった前日とは打って変わって長期戦となりますが、ともくん選手の勢いは止まりません。お互いに初戦を勝って迎えた前年度覇者delta選手との対戦では序盤からペースを握り、粘る相手を振り切って10-7で見事に白星を奪取。

続くざいろ選手との試合を8-10で落としたことで最終成績は2勝1敗。勝敗数でdelta選手と並びましたが、獲得ゲーム数で上回り決勝へ。その本数差は僅かに「1」と、敗戦の中でも出来る限りのゲームを取りに行く戦いぶりが勝利に繋がりました。

反対のブロックを勝ち上がったレイン選手も、3戦全勝ながら2位のTom選手との対戦は10-9の1本差。ひとつ変われば決勝の顔合わせが全く違っていたかもしれない、最終決戦に相応しい大混戦が繰り広げられました。

渾身の13連鎖、粘りのレインを振り切り年間王者に

最終決戦は前日に公式大会での初優勝を成し遂げたともくん選手と、その優勝によってファイナルズへの出場が決まったレイン選手の構図に。実は前日のチャンピオンシップ2回戦でも同じ顔合わせで対戦が行われ、その際はともくん選手が2-0で勝利を収めています。

この日も先行したのはやはりともくん選手。得意の綺麗な連鎖で畳みかけて優位を握ると「全消し」を連発し、10-5と鮮やかに第1セットを先取。第2セットも優位に進めて一気に9-8とチャンピオンシップに王手をかけますが、ここからレイン選手が意地の連取で逆転し、セットカウントはタイに。

12連鎖ダブルと14連鎖のぶつかり合いなど、息の合った大連鎖対決も見どころに

雌雄を決する最終ラウンドでは完全に一進一退の攻防となり、ともくん選手が再び王手をかけ「全消し」を浴びせかけるも、レイン選手も画面外から連鎖を繋げる驚異の粘りで食い下がる白熱の展開に。最後は渾身の13連鎖で勝利を決めたともくん選手は、ホッとしたような表情で背もたれに身を預けながら両手の拳を突き上げました。

試合後には「もう覚えてない」と話すほどの死力を尽くした名勝負を勝ち切り、見事2日連続の優勝。合計200万円となった賞金の使い道について「貯金と学費」と17歳の王者は謙虚なコメントに終始しましたが、応援への感謝を口にする表情は充実感と達成感に満ち溢れていました。

2日目も優勝し、合計獲得賞金は200万円に

延期もあって長く続いた2019年度のSEASON2は閉幕。盤石の展開あり、ベテラン勢が躍進する大会ありと見どころの多かった今季ですが、最後に笑ったのは17歳の現役高校生。果たして2020年度の「SEASON3」ではどのような勢力図が描かれるのか、若き新王者の活躍にも期待が膨らみます。