連載コラムの記念すべき第1弾ではありますが、さっそく私の悩みを聞いてください。

最近妻と色々なゲームで対戦していて、少しだけ殺伐とした空気が漂うことがあるんです。本当に少しだけ。

私は仕事柄、自宅でゲームをプレーしたりeスポーツ大会を観戦したりすることが多々あります。普段はゲームに縁の無い妻ですが、面白がって私にあれこれ聞いてくれるので着々とゲームの知識を蓄えつつあります。

座学を終えたら実践に移りたくなるのが人間の性で、妻も「対戦してみたい」と言い始めました。

「空手やってたから格ゲーはいけそう」とのことで、手始めに「スマブラSP」や「鉄拳7」で対戦してみたのですが……これが悩みの始まりです。

対戦の勝利≠夫婦関係の勝利

そもそもパートナーと対戦する行為自体が、かなり危険な橋なんですよ。

考えてもみてください。対戦における究極の目標は「相手に勝つ」こと。そしてパートナーとの関係における究極の目標は……人それぞれでしょうが、分かりやすく「お互いに笑顔で過ごす」ことにしておきましょう。

これ、両立するのほぼ不可能ですよね? 勝てば笑い、負ければ泣く世界ですから。

「拳で語り合い続けた結果、理解し合える」みたいなアツい展開もあり得なくはないですが、妻と拳で語り合うって字面がもうNG。妻は一応黒帯を持っているので、そもそも拳を交えたくありません。

「接待プレイ」は立場上できないじゃないですか

対戦の前にどっち側のコントローラーが使いやすいかでモメた

幸い(?)なことに、私の妻はゲーム自体に不慣れです。いくら私が底辺格闘ゲーマー、いや格闘ゲーマーとすら名乗ってはならない存在ではありますが、コンボをひとつ知っているというだけで私に分があります。だからどちらのゲームでも、私が勝ってしまう。

「スマブラ」だとほら、サムスのチャージショットって、初心者に当てるのめちゃくちゃ簡単じゃないですか。「鉄拳7」だって、私が「鉄拳5」の頃に覚えたドラグノフのコンボ(1個だけ)が体に染み付いてるんです。

そして妻、面白くなさそう。私が強くないのを知っている分、余計に。「リアルでは勝てるから」と謎のマウントを取ってくる始末。

私も鬼ではありません。妻の笑顔を取り戻さなくてはと思いはします。ただ、手を抜こうかなと逡巡するとGAMEクロスの名が頭をよぎります。eスポーツメディアの共同編集長ともあろう者が対戦ゲームにおいて手を抜くなんて……仕事なくなりますよホント。

それに「明らかに弱い奴に手加減される」のって最大の屈辱じゃありませんか? それやっちゃうと二人とも笑顔になれないから、もう下の下の悪手です。

クラタ家に笑顔は戻るのか

私と共に勝利を収めたPSコン

こうして対戦を重ねるうちに、妻からどんどん笑顔が失われていきます。海外ドラマ好きな妻が初めて「鉄拳7」をプレーしたとき、「あ、ニーガンがいる!」と笑っていたのが遠い昔のよう。

私たちに残された唯一のハッピーエンドはおそらく、夫婦で対戦をしないこと。戦わなければ、敗者は生まれない。そう、「ウォーキング・デッド」でニーガンと戦うことを諦めたリックのように。

しかし悲しきかな、家にゲーム機があれば不思議と対戦を始めてしまいます。リックも結局、ニーガンと戦ったし

実力差があっても双方が不思議と楽しめる魔法の格ゲーって、あるんでしょうか。「ゲーム内のハンデ機能を使えばええやん」という話かもしれませんが、それは私の気持ち的になんかヤダ。

もういっそのこと妻が強くなれるよう、練習に付き合うか……!

連載「編集長クラタの人生カジュアルマッチ」について

フワッとした感じで対戦を楽しんでます

と、これからもこんな感じで仕事の合間を縫ってコラムを寄稿していきます。

そもそもの事の発端は、色んな方に「eスポーツメディアの編集長なのにゲーム弱いんですか?」と煽られつつあることです。

確かに、まったく反論はできません。よくプレーするFPS系のゲームですら、「格付け」されるのを恐れてランクマッチに近づけない。格ゲーに至ってはCPU(イージー)にボコられる始末。

でも、弱いプレーヤーにだって五分の魂があるんです。カジュアルマッチにだって、喜怒哀楽があるんです。

そんなガチンコカジュアル勢の悲喜こもごもをつづりたいとの思いから、連載コラム「編集長クラタの人生カジュアルマッチ」を始めた次第です。

ということで、次回もガチンコカジュアルなことを書こうと思っています。お楽しみに!