細かい操作はまず大画面で慣れる

――「モンスト プロツアー」に向けて、いつもどのような練習をしているのでしょうか。

大会に向けては、戦略を考える工程に割く時間が多いですね。まずは「これ通りにやれば間違いなく勝てる」と思える一番早い手順を考えます。間違った手順を土台にしてしまうと、いくら予定通りプレーしても、相手の手数が少ない場合に勝てませんから。

次は相手を邪魔することができるキャラクターのピックを考えます。ピック表を全パターン作るようにしています。ただ、対戦相手に応じて「これを選んでくるだろう」と予測してパターンを絞り込んだ上で、練習効率を高めるようにしています。

練習時間は限られているので、1戦目は練習せずに捨てるという戦略を取ったこともありますね。ただ、練習しなくても今までの経験だけで戦えるようにパーティーを組みましたが。

戦略を踏まえて、練習ではとにかくショット精度を上げられるようにしています。最初に並んでいるキャラクターの位置はランダムなので、似たような位置でもベストなショットの方向は異なります。様々な位置関係の中で自分が最も苦手な場所を見つけ、ひたすら練習するんです。

矢印を回し、指を離してキャラを弾くだけですから「360度ぜんぶ試せばいい」と思われがちですが、実は1度が最小単位ではありません。それに、1度ずれているかどうか僕でもわからないほど、細かい操作が求められるんです。

大会だと観客もいて賞金も懸かっていますし、そんなプレッシャーの中で1度よりも細かい調整が完璧にできるとは思っていません。ただ、その調整ができないと勝てない場面もあるので、とにかく精度を高める練習をしていました。

――ショットの精度を高める練習というのは、具体的には何をするのでしょうか?

多分僕だけだと思いますが、スマートフォンを大きいディスプレーにつないで練習していました。画面を大きくすると、細かな角度の違いも見えるようになります。大きいディスプレーから少しずつ画面を小さくして、最終的にはスマートフォン画面での操作に慣れるよう練習していました。

目指すは「モンスト」の伝道師

「モンストの魅力をもっと伝えたい」と語るなんとかキララEL選手

――「モンスト」をプレーする上で心掛けていたことってありますか?

「楽しむ」ことですね。どこまでいってもエンジョイ勢です。ガチ勢とかエンジョイ勢とかよく言いますけど、「モンスト」というゲーム自体はコミュニケーションツールだと思っています。

「モンストで仲良くなった人と何回乾杯できるか」「一緒に飯行けたら楽しい」なんてことを考えてこのゲームをやっています。今回のプロツアーではあまり飯も飲みも行けていなかったので、今後はもっと楽しんでいきたいです。

――楽しむと言えば、なんとかキララEL選手の喜怒哀楽は試合中も見る側に伝わってきます。意識してやっているのでしょうか?

過去の大会を振り返ると、絶対に楽しんでプレーしているチームが優勝しています。楽しんでいるプレーヤーはめちゃくちゃ強いです。楽しむことが勝利の鍵を引き寄せる戦略のひとつだと思っているので、個人的にはちょっと意識して感情表現をしていた部分もありました。

家では無言ですね(笑)。

――今後の目標などはありますか?

プロツアーで負けてしまったことで、一番の野望は潰えたので……。先は考えていませんが、将来的には高橋名人みたいになっていたいですね。

他の仕事で生計を立てている状態で、プロ活動のために仕事の時間を減らすことが健全なのかどうか、僕はまだわかっていません。

ただ、多くの人が思っているよりも「モンスト」って面白いし、観客を興奮させるポテンシャルを十分に持っているので、その魅力を伝える伝道師みたいな活動はずっとやっていきたいと思っています。