基礎練習は「ピッチング」と「バッティング」

――「パワプロ」での練習についてお聞かせください。「eBASEBALL プロリーグ」2019シーズンに向けて、読売ジャイアンツ(以下、ジャイアンツ)ではどういった内容の練習を行っていましたか。

チーム練習の量はそこまで多くはありませんでした。

ジャイアンツでは深夜に4人で通話しながら練習をしていたのですが、時間的には1時半から4時くらいまでです。全員集まるまでは通話しながら個人練習を行い、人数がそろったら2対2で対戦していました。

――練習ではどのようなことを重視していましたか?

「パワプロ」において重要なのは、ピッチングとバッティングの練習です。

ピッチングは最も基礎的で、それでいて重要ですね。きちんと投げることができなくては、抑えることもできません。チーム内でもその認識は共有していて、ジャイアンツのナイスピッチ率は全員トップクラスの高さです。

間違った配球をしないこと。これも強く意識しています。ホームランを打たれづらい球を軸に、外に投げることが多いですね。ただピッチングではゲーム的に難しい操作はほとんど要求されないので、セオリーは確立されつつあると思います。

――となると、バッティングに関する練習の比率が大きいということでしょうか。

その通りです。バッティングは「パワプロ」において非常に難しい部分です。

「パワプロ」には最強のピッチャーがいまして……球が本当に当てにくいんです。最強のピッチャーを相手にひたすらバッティング練習をするのですが、これがまた難しくて。

えげつない投手「ライマル」の球を打てたら勝てる

チーム内でもライマル最強説は共有されていたようだ

――最強のピッチャーを使った練習方法について、詳しくお話しいただけますか。

実は最強のピッチャーは二人いるんです。

まず一人目は、中日ドラゴンズのライデル・マルティネス投手(以下、ライマル)です。このライマルの投げる球が、とにかくえげつない。振り遅れるくらい球が速いのに、変化球の幅も広い……バケモノのような投手です。チーム内で「ライマルの球を打てるようになったら負けないだろ」という冗談めいた話が出るくらいでした。

それほどに優秀な投手だったので、eBASEBALL プロリーグの2週間前からライマルを投手に据えてずっとバッティング練習をしていました。この練習のお陰で僕たちは間違いなく調子を上げましたね。開幕戦もバカスカ打てるようになったので。

――そういった話を聞くと、もはやライデル・マルティネス投手が唯一無二の最強ピッチャーのように思えてしまいますが、まだ他にも居ると。

ライマルは全チームにとっての最強ピッチャーであり、彼を使用した練習はいわゆる汎用的な練習なんです。

「パワプロ」はキャラクター毎に能力が違っていて、僕たちジャイアンツにとっての最強ピッチャーは別にいるんです。それは横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)のレジェンドOB選手である平松政次投手です。

巨人キラー相手に8時間バッティング

ベイスターズ戦の直前は特別な練習を行っていたそう

――平松投手……このピッチャーが最強たるゆえんを教えていただけますか。

まず平松投手は、ジャイアンツ全体の能力を下げる特殊能力を備えた、完全な「巨人キラー」です。それだけではなく、伝家の「カミソリシュート」という変化球も持っているんです。これがもう本当にどうしようもないくらい曲がる、曲がる。普通の変化球の何倍も曲がるわけです。

ベイスターズとの対戦に際しては、このカミソリシュートの打ち込みに1日5時間から8時間近くかけていました。そうでもしないと、カミソリシュートの異常な球筋に慣れることができないと思ったので。

――1日8時間も打ち込み続けていたのですか?

はい、そうなんです。信じられないかもしれないですよね。でも誇張ではありません。月火水木金と、一週間ずっと打ち込み続けていました。eBASEBALL プロリーグのベイスターズ戦で、相手が平松投手をあててくるのは分かりきっていたので。妥協せずに練習し続けました。

――一念岩をも通すと言えるほどの練習ですね。

でもですね、残念ながらそれだけ練習しても、完全には慣れることができませんでした。試合では上手く調整できたんですけど、打てたのは試合当日だけでしたね。その後は特に平松投手相手の練習をしていないので、今やってもほとんど打てないと思います。それほどまでに凄まじい変化球でした……。