五十路のスプラ道(2)老いる身体と少年心

イラストレーター「キジシロー」さん、カフェオーナー「クマネッコ」さん、グラフィックデザイナー「はちわれお」さん、漫画家の「みぽにゃーたろう」さんからなる、平均年齢50代のチーム「ネコヌリ」。そんな皆さんに普段の活動に関するコラムをイラストや文章で書いていただいています。今回は2回目、身体との向き合い方についてです。
イラストレーター「キジシロー」さん、カフェオーナー「クマネッコ」さん、グラフィックデザイナー「はちわれお」さん、漫画家の「みぽにゃーたろう」さんからなる、平均年齢50代のチーム「ネコヌリ」。そんな皆さんに普段の活動に関するコラムをイラストや文章で書いていただいています。今回は2回目、身体との向き合い方についてです。
我々ネコヌリは、平均年齢50代の高年齢チームです。が、かなり大人げないです(特にゲームしているときは)。
真面目に作戦を話し合ったかと思えば、いつのまにか下ネタトークになっていたり、モノマネしながら実況プレーしてみたり。いつも学生時代の部活さながらに、ワイワイやっております。
とまぁ、精神は子どもな我々ですが、身体の方はすっかり大人なのであります。
初老……と思いたくないですが、こうした年を重ねた身体がスプラトゥーンをする上で不都合はそれなりに感じます。例えば、老眼、五十肩、眼精疲労からくる肩コリとかですね。
時折メガネ男子の私「はちわれお」は、箸でつまんだ白米なんぞが、白いモヤモヤした物にしか見えないくらいの老眼です。気分は霞を食む仙人の領域ですよ……。
しかーし! これらの影響は否だと言えます!
基本は我慢して乗り切りゃいいって程度の症状です。簡単簡単。いや、眼精疲労は単なるゲームのやりすぎだろうというツッコミが入りそうですが、その通りなので返す言葉もありません。
もっとも懸念されそうな老眼も、Nintendo Switch本体の液晶画面を見るなら話が別ですが、そこそこの大きさのモニターを使用する上では、老眼すら敵では無いのですよ。
私は32型のテレビから2メートル近くあけてプレーしているので、ちゃんと焦点が合います。ヘッドセットに長~い延長コードを繋がなければならないのはご愛嬌かしら。このように、ゲームの環境を自分に合わせるだけで克服出来ることも多いと思います。
それが大人の流儀といっても過言ではない。ような気がする。……気のせい?
ゲームプレーにおいて身体の衰えは妨げにならないと主張してきました。しかし、我慢や気合、セッティングで克服出来ないことがあるのも事実なんですよ。それはズバリ反射神経やら動体視力、判断力などの低下。この現実、受け入れがたし……。負けた時の言い訳としては優秀なファクターであるという以外、害以外の何ものでもないのです。
では、我々世代のゲーマーはそれとどう向き合い、どのように折り合いをつければよいのか? 己の年齢に諦めを感じ、みすみすゲームを楽しむことも諦めてしまうのか?
私はここでも否と答えたい。こういう時こそ大人の顔を全面に押し出せばいいのです。
つまるところ、こういうことだ。
昼間のうちに仕事やら家の雑事やらを終わらせ、
夕餉にいつもの霞を食べ、
夜の帳なんぞはとっくに下りた深夜帯、
冷凍庫から氷を二、三個小さめのグラスに転がし、
そこに焼酎を注ぎ込む。
それを一舐め、いや二舐め、いやいや一気にあおる。
するとヘッドセットの向こうから「プシッ」。
「お、ビールですか?」
「いや今日はハイボールです」
それならと空いたグラスに二杯目の焼酎を注ぎ乾杯。
作戦会議という名の談笑。
この時点ですでにほろ酔い、酔拳発動。
そうして負けても怒らない寛容な心と、
己の能力の低下にも、エスパーの如き攻めをしてくる若者にも
尻込みしない大胆さを身にまとい、
今夜もまたスプラトゥーンの世界に突撃する。
そこには、落ちた反射神経などものともしない偽りの少年が、ひたむきにプレーに興じる世界が広がる。
これが五十路のスプラ道。えらく険しや。楽しいや。
ニャンケシェーン!(文:はちわれお)