日本を代表するプロ格闘ゲーマー、ときど選手。メインに活動する「ストリートファイター」シリーズにおいて、世界大会「EVO 2017」での優勝をはじめ、華々しい成績を残しています。

そんなときど選手には「いつか倒したい」と背中を追い続けるプレーヤーがいます。日本人初のプロゲーマーであり格闘ゲーム界のカリスマであるウメハラ選手

日本のプロ格闘ゲームシーンを牽引する二人のプロゲーマーの間には、どのような関係性があるのか、ときど選手に話をうかがいました。

ウメハラ選手はまるで「TAS」のような強さだった

ーーウメハラ選手の名前を知ったのはいつ頃でしたか?

中学の同級生で格闘ゲーム仲間のMOV選手から「ストリートファイターZERO3」で強いやつがいる、と噂を聞いたのが最初でした。しかし当時僕は別の格闘ゲームにハマっていたため、その時はまだ直接対決したことはありませんでした。

最初に対戦したのは「CAPCOM VS SNK」の大会でした。ウメハラ選手はその大会を優勝して、その時から意識し始めましたね。「CAPCOM VS SNK2」の時代になって、新宿のモアというゲームセンターで頻繁にウメハラ選手と対戦するようになったのですが、その時から「この人はすごいな」と思うようになったんです。

モアはレベルの高いプレーヤーが集まるゲームセンターとして有名だったのですが、当時の僕は全然負けていなかったんです。しかしウメハラ選手にだけは勝てませんでした。

ーーそんなウメハラ選手に影響を受けた部分はありますか?

そもそも僕が自分の取り組み方を変えるきっかけになったのがウメハラ選手との対戦なんです。

「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」のとあるイベントで、ウメハラ選手と韓国のInfiltration選手のエキシビションマッチが組まれたんです。10本先取という長期戦だったので、ウメハラ選手はかなりInfiltration対策を練っていました。

エキシビションマッチの前日になって、ウメハラ選手から「豪鬼戦が仕上がったから対戦してほしい」と言われました。当時Infiltration選手と僕は同じ豪鬼というキャラクターを使っていたので、本番前にスパーリングをしてほしい、ということだったのでしょう。

対戦が始まると僕は「TAS(※)と戦っているのか?」と思えるほどに圧倒されてしまいました。こっちがやる技に対して、間髪入れずカウンターを入れられ、手も足も出ませんでした。ウメハラ選手が本気で対策をした時にどれだけ強いのか、痛感させられました。同時に、自分がこの人に追い付くには取り組み方を変えなければならない、と思ったんです。
実際、エキシビションマッチはウメハラ選手が10-2のスコアで勝利しました。

※エミュレータなどの外部ツールを使用して、常人にはできないプレーを実現させること。
TOPANGAチャンピオンシップでウメハラ選手(左)との対戦を終え、笑顔を見せるときど選手
TOPANGAチャンピオンシップでウメハラ選手(左)との対戦を終え、笑顔を見せるときど選手

ウメハラ選手を倒すために「ストリートファイター」をやっている

ーーではウメハラ選手を倒したい、という気持ちは現在どのようなものでしょうか。

周りがどう思っているかはわかりませんが、自分の中でウメハラ選手を倒せなければ格闘ゲーム界で一番を名乗ることはできないと思っています。僕はあの人を倒したいから「ストリートファイター」に執着しているといっても過言ではありません。

「ストリートファイター」を真剣にやっている人間が自分だけだったら、と想像することがあるんですが、もしそうだったらとても悲しいと思うんです。自分が一生懸命ゲームを練習したとしても、周りから「まだそのゲームやってんの?」と言われてしまったら、やりきれなくなってしまうと思うんです。

そんな中、ウメハラ選手だけはいつでも僕の挑戦を受けてくれるような、そういう信頼があるんです。

プロ格闘ゲーマー、ときど選手、ウメハラ選手への思いを語る

ーー今後ウメハラ選手と対戦した際の勝算はどうでしょうか?

次やったら倒すつもりでいます。カプコンプロツアーを周っている時は、もちろん一つ一つの大会に向けて取り組んでいますが、それでもどこかでウメハラ選手を意識していました。

今度「TOPANGAチャンピオンシップ」の決勝ブロックでウメハラ選手と戦えるかもしれないんです。7本先取という長期戦で戦える、またとない機会です。もし相まみえることがあれば、その時は絶対に倒したいと思っています。

※優勝決定戦にて2人は対戦し、ときど選手はウメハラ選手を相手に7-0で完封勝利した。
取材場所には、ときど選手が獲得したトロフィーなどが所狭しと並べられていた
取材場所には、ときど選手が獲得したトロフィーなどが所狭しと並べられていた

「ストリートファイターV」について

「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の『ストリートファイターII』において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計4,400万本(2019年12月時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。

登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStation®4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。

最新作は2020年2月14日発売の「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」(PS4®/PC)になります。