「eスポーツ部」が創業120年の大企業にできた!プロゲーマーの特訓で勝利を目指す

「ストリートファイター」や「ブロスタ(Brawl Stars)」「ぷよぷよ」といったゲームが、会社のオフィスで堂々とプレーできる。そんな夢のような会社があります。しかも、ゲーム会社やベンチャー企業ではなく、創業120年の歴史をもつ大企業だというから驚きです。1年前に「eスポーツ部」という部活ができた凸版印刷を訪ねました。
「ストリートファイター」や「ブロスタ(Brawl Stars)」「ぷよぷよ」といったゲームが、会社のオフィスで堂々とプレーできる。そんな夢のような会社があります。しかも、ゲーム会社やベンチャー企業ではなく、創業120年の歴史をもつ大企業だというから驚きです。1年前に「eスポーツ部」という部活ができた凸版印刷を訪ねました。
2月の夕方。東京・小石川にある凸版印刷の会議室に、約20人の社員が集まっていました。みんな、おそろいのデザインの黒いパーカーやTシャツを着ています。胸には「E1 HEROES」の文字。eスポーツ部のチーム名です。
20代から40代までの部員たちはゲームタイトルごとにチームに分かれ、練習に励んでいます。格闘ゲーム「ストリートファイターV」のチームは、40代と思われる男性2人が専用コントローラーを激しく動かして対戦しています。
一方、多人数参加型のスマホバトルゲーム「ブロスタ」のテーブルでは、5人の男女が大きなモニター画面を見つめながら会話していました。プロゲーマーの解説動画を見て、テクニックを学んでいるのです。
「うまい人の動画を見るのはすごく勉強になります」。ブロスタ部門リーダーの原田香織さんは真剣な表情で語りました。
凸版印刷のeスポーツ部は2019年3月に生まれました。現在の部員は約50人。さまざまな部署からゲーム好きな社員が集まってきています。
「グループ全体で5万人が働く大きな会社なので、ここで初めて知り合ったという人が多いんですよ」。こう語るのは、eスポーツ部の部長を務める金井淳一郎さん。ゲームを通じて、社員同士の交流が生まれています。
eスポーツ部の全体練習は2週間に1度。隔週水曜の18時半から会議室を借りて、チームごとに練習します。練習するのは、腕を磨いて対外試合で勝つためです。
「部活ですから、勝利にこだわっています。陸上などのスポーツと同じく、勝つことが大事。交流は2番目ですね」(金井さん)
勝負にこだわる凸版印刷eスポーツ部。しかし、実力はまだまだです。ときどき他の会社と交流試合をおこないますが、なかなか勝てません。
それでも、練習を続けているうちに部員たちの実力は確実にレベルアップしていると、金井さんは手応えを口にしていました。
100年以上の歴史をもつ老舗企業に「eスポーツ部」が誕生したのは、なぜでしょうか。
「きっかけは、凸版印刷の新規ビジネスとして、eスポーツで何かできないかと探っていたことです。そして、eスポーツに本格的に取り組むのならば、社員自身がeスポーツをプレーしたほうがいいだろう、と考えたんですね」
呼びかけ人の金井さんはそう説明します。もともとゲームが好きだった金井さんにとっては、会社で同僚とゲームをプレーできるというメリットもあったようですが……。
「1週間に10時間近く、家でゲームをしている」という原田さんにとっても、eスポーツ部の誕生は嬉しい出来事でした。
しかし、昨年秋の対外試合で惨敗を喫してしまいます。「すごく悔しかった」。原田さんは、チームの実力強化のために秘策を繰り出しました。
当時プロゲーミングチーム「野良連合」に所属していたプロゲーマー・YouTuberのYamadaさんとYAPIMARUさんに会社に来てもらい、2時間みっちりと特訓してもらったのです。「プロにコーチしてもらったことで、部員の意識も変わりました。次は絶対に勝ちたいと思います」
まるで高校や大学の部活のように、真剣に練習に励んでいる凸版印刷eスポーツ部の面々たち。目標は賞金の出る大会で優勝することです。
「5万人の社員の中にはきっと強いプレイヤーが隠れているはずです。そんな社員を発掘して入部してもらえれば、部として強くなっていくと思います」
そう語る金井さんに「eスポーツ部があるから凸版印刷に入りたい、という就活生はいますか?」と聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「まだ、いません。でも、将来的にそういう学生が現れると嬉しいですよね」
「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の『ストリートファイターII』において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計4,400万本(2019年12月時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。 登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStationR4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。
最新作は2020年2月14日発売の「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」(PS4/PC)になります。
「ブロスタ」は、「クラッシュ・オブ・クラン」「クラッシュ・ロワイヤル」などの人気ゲームを生み出したモバイル開発会社Supercellが提供するモバイルアプリゲーム。3vs3のチーム戦で相手チームとエメラルドを奪い合う「エメラルドハント」をはじめ、様々なゲームモードが楽しめます。ソロプレイはもちろん、友だちとの協力プレイも可能。個性豊かなキャラクターたちを使いこなして勝利を目指す、リアルタイム対戦チームゲームです。
『ぷよぷよ』シリーズは、四半世紀を超えて愛される、国民的落ち物アクションパズルゲームです。1991 年に初代『ぷよぷよ』がMSX2 版とファミコンディスクシステム版にて発売され、1992 年にはセガよりアーケード版、メガドライブ版を発売。単純で分かりやすいゲームシステム、可愛らしいキャラクター、さらに落ち物アクションパズルゲームとして初めて対戦形式を導入したゲーム性により、爆発的なヒットを記録しました。以降、アクションパズルゲームの定番ゲームとして、さまざまなゲーム機や携帯電話、スマートフォンで展開され、幅広い層の皆様に遊んでいただき、現在に至っております。2018年3月にはJeSU(日本eスポーツ連合)公認タイトルとなり、プロゲーマーも誕生。eスポーツシーンでも盛り上がりを見せ、現在、多数の競技大会を実施しております。最新作『ぷよぷよeスポーツ』も好評発売中です。
(C)CAPCOM U.S.A., INC. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)SEGA