本気になった「上達は遅い方」の自分

小学生の頃から対戦に親しみ、今では最強候補の一角と目されるマッキー選手。

短期戦・長期戦に関わらず安定感ある戦いぶりと、大舞台での実績から「宇宙一強い」とも称されるほど絶対的な強さを誇っています。

その若さゆえに天才肌にも見られがちですが、「最初は友達同士でも勝てなくて、上達は遅い方だったと思います」と自己分析します。

「本気で研究するようになって、やっぱりそこで一気に上手くなったと思う」と、積み重ねてきた過程を振り返ったマッキー選手。

始めたばかりの頃は小学生だったこともあり「連鎖が大きくなるとエフェクトが変化したり、新しい連鎖ボイスが聞けたりするのが楽しくて」と、大連鎖を追求したこともあったそうです。

その成果は、今でも無駄のない連鎖力・攻撃力として発揮されています。

笑顔を見せるマッキー選手
笑顔を見せるマッキー選手

クセを攻め、クセを消す

今では公式の大きな舞台で試合に臨む機会も増え、緊張感やプレッシャーとの戦いになることも多いですが、マッキー選手は試合では常に「練習してきたことを出せるように」心がけているそうです。

自身の練習法について「ひたすら実戦を繰り返すこともあれば、ずっと相手の研究をするだけの時間もあります」と語るように、自身の技術と同じくらい相手の研究を重要視しています。

トップレベルの大会では同じプロ選手同士の顔合わせとなることも多く、特に短期決戦の公式大会では相手の特徴をどれだけ早く把握できるかが勝負の分かれ目に。

マッキー選手は大会前には警戒するプレイヤーの対戦動画を研究し、盤面のカギを握る積み方や攻撃手段の傾向をチェックするのだとか。

操作技術で差が出づらいパズルゲームの「ぷよぷよ」だからこそ、対人戦では「人間読み」と呼ばれるクセへの対策が大きな効果を発揮します。

その高い意識は自分自身にも向けられており、練習の為に長時間プレイする場合でも「クセがついてきた」と感じたら思い切って数日プレーしない時間を作ることもあるほど。

「対策をできていない相手には上手く立ち回れないこともあるんですけど」と課題も口にしましたが、確かな技術と対策に裏打ちされたスタイルは結果として現れており、一定の手応えも感じているそうです。

熱戦を終え、ヘッドホンを外そうとするマッキー選手
熱戦を終え、ヘッドホンを外そうとするマッキー選手

前代未聞の挑戦「1000先」

そんなマッキー選手を語る上で欠かせない戦いが、2019年にオンライン上で行われた「momoken」選手との「1000本先取」です。

元来、「ぷよぷよ」プレイヤーの間では、降ってくる「ぷよ」の色によるランダム要素の影響を少なくするため、30本や50本、先に勝った人を勝者とする連戦で勝敗を決する、という文化が根付いています。

それにしても100本で長期戦と呼ばれる中、1000本先取という数字は過去にも珍しい本数。

この挑戦には何か重大な理由が、と思いきや「同じプロの『飛車ちゅう』選手に誘われて、『あ、じゃあやりましょう』って言ったら本当に実現しちゃって……」と、意外にも「ノリ」から始まったことだったとか。

プロ界最強とも呼ばれるマッキー選手に対し、momokenさんも「ぷよらー」なら誰でも名前を知るレベルの強豪。勝負はお互いの本数が3桁に突入しても2桁の本数差で推移するという大接戦になり、殆ど休憩らしい休憩も取らず戦い続けること実に34時間。終わってみれば1000-933という大接戦で、momokenさんが勝利を収めました。

当時について振り返ると勝敗よりも、「もうめちゃくちゃ眠くて…」という感想が一番に出るほどの過酷な戦いだったそうで、なんと「連鎖が始まったらアイマスクをして目を休めて、そろそろ終わったかなと思ったらアイマスクを外して操作に戻るんですよ」と、驚愕のテクニックまで生み出していました。

この連戦の直後に行われた茨城国体文化プログラム「都道府県対抗eスポーツ選手権」の予選では、圧巻の強さを発揮して大阪府代表の座を掴み、その勢いを保持したまま本戦でも強敵を退け見事に優勝。

猛者との連戦による好影響もあったそうですが、流石に「もうやりたくないですね」と苦笑いで振り返っていました。

無謀にも思えるほどのゲームと「ぷよぷよ」への熱意、そして行動力が「最強」と呼ばれるマッキー選手の強さを支えているのかもしれません。